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森林行①

昨日はあやうく投稿し忘れるところでした。

今回は、書き上げたら、チェックしてすぐ投稿です。

昼なお暗い森の中を歩き続ける。

陽の差し込まない森の中では、どのように東西南北=方位を知るのか?

当然コンパスもない。

星空や月も見えない。

切り株を見て年輪の幅が大きな方が南とか言うが、切り株なんぞ皆無だ。

さて、正解は?


動物の体内コンパスに頼る!

動物と言っては失礼だが、エリーは正確に方位がわかると言っている。

だから、太陽が昇る方向へ案内してもらえば良いのだ。

何?反則だって?

無茶言ってはいけないよ、諸君!!

エリーが分かると言っているのだから、これで良いのだ!!


鬱蒼と言う言葉がぴったりの森林を、下草を掻き分けて進む。

下草を掻き分ける旅に草から虫が飛び立ち、非常に鬱陶しい。

陽の光が差さないので、じめじめしてズボンが汚れる。

時折ピクシーが混じっている気もするが、俺の胸ポケットにはハイピクシーのノーマがいるためか、近寄って来ない。

ノーマに言わせると「格が違うのよ!」と威張っていた。

近寄られても煩いだけだかだから、ノーマには感謝だ。


「ヒデキ様、魔物の気配がします。」


先頭を歩くエリーが歩く速度を緩めて言った。


「またゴブリンか?」

「いいえ、生気が全く感じられません。」

「またウンディーネか?」

「いえ、ここは水辺ではありませんので、ウンディーネではないでしょう。この気配はもっと、生気のない・・・やっぱり!!」


骸骨が盾と剣を持って、立っていた。

数は3体。

装備が微妙に違う、2体は剣と盾。

もう一体はメイスを持っていた。

これは、冒険者のチームのなれの果てだな。

俺はゴブリンから手に入れた剣を構えた。

ファンタジーらしく戦闘開始だ!!

珍しく戦闘意欲が沸いて来た。

さあ行くぞ!!


と、思ったら、エリーが尻尾で薙ぎ払って倒してしまった。

瞬殺?もう死んでいるけど・・・・

スケルトン弱っ!!

アンデッドの中で最弱じゃないかな?

まあ楽でいいか。

昂ぶった闘志が空回りしていた。


問題はスケルトンの持っていた装備だ。

剣2本と盾、それにメイス1本が粉々になった骸骨の上に散らばっていた。

これらを、なんとかして持って行きたい。

ロープがあれば・・・


周りを見回すと、少し先の太い木にそこそこ丈夫そうな蔦がからまっていた。

根元で切り、幹にぐるぐる巻きついている部分を、剣が届くギリギリの上の部分で切り離す。

これで一応、ロープが出来た。

さっそく盾2個と剣2本をばらけないようにくくり、背負えるようにする。

剣は鞘がないので、細い蔦のつるを別に切り取り、下草を添えて包むようにくくった。

即席の鞘だ。

いざ背負おうとすると、エリーは自分が運ぶと言い出した。


(ヒデキ様、私が運びますので、どうぞ私の背にくくりつけて下さい。)

「いや、大丈夫だよ。いざと言う時にエリーがすぐ戦えるのが一番だ!」

(これぐらいの荷物なら、背負っていても闘えますよ)

「エリーを信用していない訳じゃない。万全を期したいから」

(・・・承知いたしました。でもお疲れになったら言って下さい、いつでも私が代わりますので。)

「ああ、分かった。」


エリーの先導で、鬱蒼とした木々の間を抜けて行く。

俺一人だったら、道に迷って先ほどのスケルトンみたいになっていたことだろう。

薄暗い森林をどれくらい歩いたのか?


完全に暗くなり、ほぼ真っ暗闇の中、休める場所を作った。

できるだけ木が密集していない場所を探す。

下草を薙ぎ払い、エリーに軽くブレスしてもらって、地面を乾かした。

いつも通り新聞紙を敷いて出来上がりだ。

夜になって、魔物が活性化している気がするのは錯覚ではないだろう。

エリーが狩をして来ると言ったのだが、さすがに真っ暗なので止めた。


(大丈夫ですよ、私、これでも夜目は、よくききますから)

「いや、急いで食料が必要な訳ではない。無理しなくても良いら・・・」

(分かりました、今晩は止めておきます)


エリーは夜目がきくようだが、活性化した魔物の気配が尋常じゃなかったのだ。

食事は、前回食べたダウクイナの蒸し焼きの残りで済ませ、新聞紙の上に横になる。

新聞紙もそろそろ限界だ、かなりボロボロになってしまった。

なんとか森を抜けるまではもたせたい。

ノーマにはアラームの結界を二重に張ってもらい、エリーと交代で見張りをする事にした。

エリーは自分が寝ずの見張り番をしたがったが、この先のどれくらいでこの森を抜け出せるか分からないので、お互いに消耗だけは避けるように説得した。


(では、ヒデキ様、先にお休み下さい。まずは私が見張りをいたします)

「却下だ。エリーを先に見張りにしたら、俺を起こさないで朝まで見張りをやりそうだからな。よって最初は俺が見張る」

「・・・承知しました・・・」


エリーが残念そうに答えた。

やはりそのまま俺を起こさないつもりだったな。

俺が先に寝て、スマホのアラームを使う事も考えたが、日の光が射さないこの樹海ではバッテリーの消耗を可能な限り避けたい。


「ほら、分かったら、さっさと寝なさい」

(は~い・・・お休みなさいませ。ヒデキ様)


エリーは地面に丸くなり、すぐに寝息を立て始めた。

いつも思うのだが、エリーは本当に寝つきが良い。

不眠症には無縁だろう。


ノーマはとっくに俺の胸ポケットで爆睡中だ。

下草を抜いて浅い穴を掘り、周りに飛び火しないように焚き火をして、辺りを警戒している。

周辺はぼやっと明るいが、光が届かない場所は漆黒だ。

月の光も当然届かないのだから、あたりまえか。

蛍や下級精霊が豆電球のような小さい光を放って飛び交ってはいるが、その光さえも漆黒の闇が飲み込んでいるようだった。

これが本来の『闇』だ、新月の夜、街灯がない田舎で経験する暗闇である。


その反面、音は賑やかだ。

虫の声、蛙らしい声、鳥の声、獣の声、魔物の唸り声、大演奏会だ。

時折一斉にその音が鳴り止む。

その瞬間はビクッと身構えてしまう。

背筋に嫌な汗が流れる瞬間だ。


それも一瞬で、直ぐにコンサートが再開される。

すると、俺はほっと、ため息をつくのだ。

ノーマが言うには、ダウの森は魔力が溜まり易く、魔物や妖精には天国らしい。

夜になれば、それがはっきりすると言われたが、よく理解できた。

まるでアマゾンのジャングルのような騒がしさだった。


ノーマのアラーム結界は優秀で、虫や獣、ノーマよりも低級ランクの精霊や魔物は問答無用で、通行止めだ。

結界は上にも張り巡らされ、上空からの侵入も防いでいる。

簡単に言えば、一辺10メートルの透明な立方体の中に俺達はいる感じだ。

ゴブリンやゾンビ、スケルトンは近寄って来ても、結界の近くで引き返してしまう強力な結界なのだ。

逆にこの結界をものともせずに入ってくる魔物は、それ相応の強さがある事になる。

入って来ない事を祈るばかりだ。


スマホの電源を入れ、画面を見ると、午前2時になっている。

後30分もすれば、草木も眠る丑三つ時だ・・・まあ草も木も眠ってないみたいだが。

この時計は、太陽が概ね真上に来た時を正午に合わせてある。

気になるこの世界の一日の時間だが、地球とほぼ同じである事が分かった。

やはりここは平行世界の一つなのかも知れない。


俺はこのスマホがあるから、時間を正確に測れるが、時計の無いであろうこの世界ではどのように、時間を計るのか?

ノーマに聞いたところ、砂時計が主流らしい。

ちなみにエリーもノーマも正確な体内時計があるらしく、必要ない。


午前三時になったのでエリーを起こし交代する。

そのまま午前六時まで睡眠を取り、エリーに起こしてもらった。

三時間睡眠だが、俺は熟睡さえすれば、体質的に三時間睡眠で充分なのだ。

ナポレオン・ボナパルトは1日三時間しか寝なかったと言う。

しかし、実際はベッドで寝るのが三時間で、日中に時々居眠りをしていたらしい。


俺はダウの森を歩き続けている。

だから、正真正銘の三時間睡眠なのだ。

まあ、自慢にもならないな。

こうして、無事にダウの森林での一夜が明けた。












次回まで淡々と進みます。今回と次回は物語の強弱のうち、弱部分だと言うことです。

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