表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/146

第91話 始動

「あの建物は、村おこしに使えるな!」


 村長が大興奮で話す。猪狩山は猪狩さんちの所有する山だった……つまりは村長の所有する山であり、そんな村長はたいそう魔王城を気に入った様子であった。

 みよちゃんはボンテージを着替え、村長のところへ真っ先に向かい、今までのおかしな現象はみよちゃんが発端だったと、謝ったそうだ。


 だが、村長は王様になっていたことや、呪いにかかっていたことなどの記憶もあいまいで、適当な返事をされたようだ。


『我らの絡んでいる事件は、人の記憶には残りづらいのだ。残っている城も、人の都合のいいように記憶が改鼠されるだろう』


 魔王がそう説明していますが、でも俺はきっちり覚えてますけどね?


『貴様ら勇者一味は別だ。あの女も記憶はそのうち消えて行くぞ』


 あ、そうですか。まあそんなもんですよね。

 俺、ミカゲ、あかねん、タローは冒険の記憶は忘れないそうだ。あかねんとタローは異世界ジャンキーでどうでもいいだろうけど、ミカゲはどうなのかな?


「ん? まあ面白い体験させてもらったぜ。それに、まあ――――――」


 恵奈とも付き合えるきっかけになったしな。と小声で照れるようにミカゲは言う。そうか、いずれは恵奈ちゃんちの会社、継ぐのねミカゲさん。



 それから、俺たちは一週間の休暇をもらった。俺はシアンの剣の柄にあったサファイヤを取り外して、ペンダントにし、常に身につけることにした。剣そのままでは持ち歩くことは、もう出来ないもんね。なので、剣は自分の部屋の押入れに袋にかけてしまってある。もちろん袋は俺の手作りである。



 休みが明け、俺たちは村長の命で、村おこしとなった田舎ファンタジアの整備を俺、あかねん、タロー、みよちゃん、大和田さんで担当することになった。

 なんでも、これから魔王城を目玉に『中世ファンタジーの冒険を体験できる村』として、村おこしをすることに決定したそうだ。

 その部署に俺たち5人は任命され、協力会社として、ミカゲのいる会社が担当することになった。


 俺はイベント全体の管理や、観光客の目線に立ったアドバイスなどを行うことになり、村民が準備していたアイテム販売などの選別や、観光促進のパンフレットを作ったり、村を回ってセリフの指導をしたりと、田舎ファンタジアという一大プロジェクトの村おこしのための仕事に忙殺される毎日だった。

 あかねんとタローもそれは同じ。だけど、


「異世界では、ぼくたちの知識が重要で重用されるんですよ!!」


 と生き生きと仕事をこなしていた。

 そんなジャンキーたちは、とても幸せそうだった。


 ……俺は、仕事を無理やりつめこみ、あの人のことを考えないように、剣も押入れにしまってなるべく見ないように、思い出さないようにしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ