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第9話 ステータス画面オープン!

「ええと、その呪いというのは、村民全員に掛けられているのでしょうか? そして魔王ってどこの人ですか?」



 占い師のおねえさんに、聞くだけの情報は聞いておきたいので、とにかく質問する。


「いいわ、答えましょう。村民全員にその呪いは掛けられているわ。村民それぞれに指令が出ていることは微妙に違うけれど。役割によっては言葉だけじゃなく、勇者に必要なものを売ったり、なにか手助けするようなものもあるのよ。なのでマメに話しかけてみることをおすすめするわ。そして魔王の居所や名前は……わたしには言えないわ。ごめんなさい」


 ああー、だからあのコンビニの怪しい『たけのヤリ10G』っていうのはこのことだったのか。

 今更気づくことになった。

 ただのオーナーの孫の仕業じゃなかったんだ。


 そして、魔王の正体は明らかにされないか。

 たしかに村民3万人ぐらいだし、名前と居場所がバレたらすぐに乗り込めるもんなぁ。


「あの、私達の能力については確認するようなものはあるのですか? よくステータス画面オープン! とか言って、自分にしか見えない窓が見える、みたいな」


 おおー、俺の気づかなかったところを言ってくれてナイスだぜ。あかねん。


「いいわ、答えましょう。あなたたちのスマホに、すでにインストールされているアプリで確認できるようになっているわ。立ち上げると職業やレベル、現在の身体状況などが見えるようになっているのよ。ちなみに、すでにインストールされている手段は、内緒よ」

「わかりました。確認してみます」


 あかねんは黒猫のストラップのついたピンク色のスマホを取り出し、ホーム画面に入っているアプリ『田舎ファンタジア』を起動する。


 うん、ネーミングセンスがダサいよね、これ。


 アプリが立ち上がると、手書きの棒人間のような、あかねん本人が表示されている。

 かなりのやっつけ仕事すぎるな。


 棒人間の左側にはMSゴシック体で、そっけなく僧侶レベル1と書いてある。


 そして右側にはリクルートスーツと書いてある。

 ……あっ、ここには着たものが表示されるのか。

 いきなりリクルートスーツしか表示されてないとかわかりづらいだろ。


 俺も自分のスマホを取り出し、田舎ファンタジアを起動する。

 あかねんと同じ手書きタイプの棒人間で、左には勇者レベル1、右側にはリクルートスーツ(少し汚れ)と表示があった。


 ……おおおおい! さっきのあかねんの得体の知れない水分じゃないか!


 スーツの上着を脱いで、背中部分を確認する。

 そこにはすでにカピカピになった、どうみてもあかねんの鼻水が、かなりの量付着していた。


 ポケットにあったティッシュで頑張ってみるものの、すでに乾いているものに対して、乾いたティッシュではとうてい太刀打ちできなかった。


 汚いが、諦めてスーツの上着を着る。


 ……あとで母さんに落としてもらおう。



 タローも同じようにアプリを起動しているのかと思って、タローが手にしているものをみたらガラケーだった。




 ……どんまい、タロー!

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