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第73話 はいっ! ズドォォーーン!!

 はい、俺が間違っていました。懺悔いたします。特訓とはいえ、楽に出来ると思っていたんです。よくある俺強い系のお話みたいに、勝手にレベルが上がる的な、そういうものだと思ったんです。そうでなければ、ドラジェさんみたいなおねーさんがいっぱい現れて、優しくお相手してくれる的なことを……ちょっとだけ考えてしまいました。


 ……タローみたいな考えをしたので、バチがあたったんですね。



「はいっ! もう1,000回っ!!!」


 筋肉隆々の、阿吽像みたいな屈強な男の人、シアン曰く有名な龍族の方だそうだ、が俺のスクワットをカウントしている。筋肉は油を塗ったようにピカピカの日焼け肌。それも一人じゃなく、30人はいる。さながらボディビルダーの大会のようだ。ものすごく暑苦しい。俺、泣きそうです。



「特訓っちゃそんなに甘くはねぇわな。乗りかかった船だ、きっちりとこなすぜ!」


 とミカゲは、文句も言わずに特訓をこなしている。ああうん、ミカゲは暑苦しいの、仕事で鍛えてるもんね。俺はというと、体力のなくなった自分の身体を疎ましく感じているぐらい衰えていたので、それを取り戻すために苦戦している。


 あかねんとタローも屈強な男どもにかこまれ、体力と魔術トレーニングを行っているが、タローに関しては魔法以前の問題、と言われ、ずっと体力トレーニングと滑舌練習をさせられているようだ。


 俺たちは言われた回数をこなすと、よくやった、などの励ましの言葉をいただけるが、タローの場合、終わったら、まだやっていなかったのか? とか、遅いグズ、とか言われている。

 つまり、シアンのクズとかカスとかって、龍本来の気質なんじゃないだろうか。超ドS系な。だけど、ミカゲとか俺には言ってこないから、タローとか育三ちゃんみたいなのは、龍族にとってムカつく人カテゴリーなんだろう。



「ステータス、ですか?」


 休憩のときドラジェさんに、鍛えてもスマホのレベルが上がらないと報告した。このアプリは大和田さんが製作したんだから、大和田さんがああなった以上、アプリの更新は行われないのは解っていたんだけど、やっぱレベル上げとかになると、自分の努力は目で見たいよね。

 ダイエットをしている最中に、体重が減った! とかサイズがダウンした! だから頑張ろう! みたいな宣伝文句もあるし。だから、それを参考に俺たちは頑張ってきたと、ドラジェさんに説明すると、


「ふむ、これは便利なものですね。我々の力で、自動的にそのステータスとやらを見れるようにいたしましょう」


 少しあずかりますね、とドラジェさんは俺たちのスマホを持っていった。


 ああ、シアンもどこかに行ってていないし、唯一の癒やしのドラジェさんがいなくなると、30人の屈強な筋肉ダルマしかいなくなる……。


 あかねんに睨まれた気がしたけど、多分、気のせいだよね。うん。

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