表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/146

第64話 ハーゲンダッツ

「魔王!! そこまでだっ!!」



 別荘に乗り込む俺たち。そこは大きな柱に壁、床、全てオーク色の木材で出来ており、大きな窓ガラスがはめ込まれたセンスのいい大邸宅だった。

 広く明るめの玄関から、俺たちは乗り込む。


 大きな廊下を抜け、先にある居間に入ると先程のコンビニで買ってきたばかりのアイス、しかもハーゲンダッツをみよちゃんとメガネマスク男が高級そうな革張りのソファーに座って「はい、あーん!」としている途中で、こちらを見てびっくりし動きを止めた。


 ……数秒の沈黙が訪れる。


「あ、いや、その、ゆ、勇者、こ、これは違うのよ!!」


 みよちゃんがうろたえて立ち上がる。ぱらりとタオルケットローブがみよちゃんから落ち、頭があらわになる。


 みよちゃんの頭にはグネグネとした、悪魔のような黒紫色のツノが生えていた。だが大きさが小さく100円ショップのカチューシャについた、ハロウィンのツノ飾りみたいなものすごく安っぽいクオリティのものであった。俺にでもわかる、これはちょっとしたコスプレにも満たない扮装である。


「いやーーー、見ないでーー!!!」


 恥ずかしそうにしゃがみ込みながら、ツノを隠すみよちゃん。

 ……え、タオルケットローブのほうが恥ずかしいでしょ、これ。


 一人キャーキャー言うみよちゃんと、それをヨーシヨシヨシとなだめる男。なんかもう……グダグダな戦いな気がしてきた。



「あ、大和田さん……ですよね?」


 あかねんが男を見て言う。大和田? ええと誰だっけ?


「ようこそ! 田舎村にある田舎城へ!! ……なんてね」


 立ち上がり、メガネとマスクを取り男は言う。あー、ようこそ職員ね、はいはい。ニヤニヤと笑う大和田さん。みよちゃんはそんな大和田さんを見て、ケイスケ様……と目をハートマークにしていた。

 ……いろいろと突っ込みたいことがてんこ盛りだ。



「まあ、座って」


 俺たち、とくに俺はツッコミをするかどうかかなり迷って突っ立っていた。みよちゃんのツノも、なんで大和田さんがここにいるのかとかも、そしてみよちゃんと良い感じの雰囲気のことも、ようこそって喋らない大和田さんのことも。

 なので俺たちは剣を抜いたまま固まっている。


「美夜子は魔王だけど、なにかできるわけでもないから大丈夫だよ? だから座ってくれ」


 そう言われ、俺たちはしぶしぶソファーに座ることにした。ミカゲに目線をあわせるが、ここは従うことにしよう的な感じだったので大丈夫だろう。シアンはというと、どうでもいいような顔をして、さっさと座っていた。俺もシアンの隣に座る。ふかふかである。


「ふむ、なにから始めようかな……ここの土地についてのことからでいいかい?」


 みよちゃんに飲み物を持ってくるように、と大和田さんは指示を出し、みよちゃんが持ってきた紅茶が全員に配られたところで、大和田さんがおもむろに語り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ