表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/146

第62話 ドラゴンチョップ

「失礼します」



 コンコンっとノックをして、村長室に入る。


 村長室は田舎ファンタジアのオープニングイベントのときから変わっていなかった。強いて言うなら、村長のネクタイの柄が違うだけである。


 そしてやっぱり、碇ゲンドウの格好の村長と、俺たちは対面する。


「おお、勇者よ。今日は何用だ?」


 微妙な口調の村長に、魔王の正体がみよちゃんということと、その居場所を探すためにみよちゃんの住所を知りたいと伝える。


「あいつ……ああ、いや、美夜子は自宅にはいない、と知らせが入っている。が、村内のどこかに潜伏しているという話だ。休暇であれ、なにかあれば急遽駆けつける距離にいること、が役場職員の鉄則だからな」


 なにか普通の口調になっていますけど、王様?


 その俺たちの視線に気づいた村長は、大げさに咳をする。


「ウ、ウォッッホン!! 勇者よ、魔王を倒して元の人間に戻してくれ!! あやつを操っている真の敵を滅ぼしてくれ!! むしろマジで●してくれぇえぇ!!」


 ……あかん、なにか理由がありそうだ。


「そう、美夜子はわしの娘。勇者としての血筋のある君をみて、年の差はあるが本気で結婚させていいと、わしは思った……。なぜなら嫁に行き遅れている年齢だから、早急に相手を決め、嫁がせると、そう思ったのだよ」


 えええええーーー!

 驚愕の事実に、みんなあっけにとられる。


 みよちゃんが姫様か。

 そしてかなりいい歳だよ?

 俺一回り小さいよ?

 俺生まれたとき、みよちゃん小学校卒業よ!?


 いやいやいやいやどうみても、無理っしょ。

 ……美人だけど。


 そんな俺の気持ちを置いてけぼりにして、村長の話は進む。


 村おこしをやると決まってから勇者を募ったのだが、からかう人が半分で残りはオタクな人という散々な結果だったらしい。

 勇者試験として、俺たちが墓地で戦っていたところのゴーストを退治してもらうよう試験を行ったのだが、失神するものと逃げ出すものとで立ち向かう人は一人もいずに終わったらしい。


「なんでかなぁ、その試験のときに本物のモンスターが出たんじゃよ。最初の一人が墓地へ向かい怪我をしたら、蜘蛛の子を散らすように誰もいなくなってしまったんじゃ」


 散々な結果だったのは、プロジェクションマッピングではなく本物のモンスターだったからなのか。

 なので勇者がいないため田舎村の村おこしイベント中止を呼びかけるようにしたらしいが、謎の電話で村おこしを中止するのならこの村を消滅させると脅されたらしい。


「声か? 男の声だったけどなぁ」


 ふむ、魔王には手下が少なくとも1名はいるな。


 みよちゃんは仕事で色々村内を回ったり情報を仕入れたりした中で、俺の先祖の何らかの手がかりを仕入れ、魔王になったのだろう。その手がかりが情報なのか道具なのかはわからないけど。


 そして、無理やり勝手に嫁だなんだと父親に騒がれたとしたら、ウザくてたまらんだろう。だからみよちゃんは現実逃避しつつ魔王になってしまえば、自身の現実的な問題が一気に解決すると思い、村おこしに紛れて田舎ファンタジアを発動させたのだろうと思えた。


「というか、真の敵ってどういうことなんですか? 王様」

「ああすまん、話が逸れたな。美夜子を唆す男がいるのだよ。そいつに美夜子は利用されているだけなのに、なぜ気づかんのじゃ! あいつは!」


 村長よ、いくら娘が大事だからって、いちいちいきり立つのはやめてくれないかなぁ。質問したあかねんもびっくりしているよ。


 そのとき、村長、いや王様のうしろから小さな手がにゅっと出て、ポコンと村長の頭をチョップする。


「冷静に話せ」


 2,3回村長の頭をチョップしたあと、スタスタとシアンが歩いてくる。村長はシアンに頭を叩かれてちょっと毒気が抜けたようで、さっきまでのゆでダコみたいに真っ赤だった頭は普通の肌色に戻っていた。


 しかし、俺の突っ込みたい部分をシアンが行動してくれる。さすがシアンだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ