第60話 魔王の正体
魔王は女、か。
サイクロプス社の少年がうだつの上がらないおっさん、と話していたから、タローが年をとったようなオタクなおっさんを想像していた俺には予想外だった。
それはミカゲもタローも同じだったらしく、あかねんの話に異を唱える。
「ま、まだ魔王の手下もいるかもしれないから、女って決めつけるのは難しいよ。あかねん」
タローがあかねんを制する。納得いかない顔ではあるけど、あかねんは黙った。
たしかに魔王の手下は、あとどれくらい残っているかわからないし、わかりやすいモンスターの姿になっているわけでもない。
だから魔王が特定できない上に、俺たちに関わる人たちが魔王の手下じゃないかと疑心暗鬼のまま、俺たちはいままで目先のトラブルを優先し、解決してきたのだった。
「和哉、魔王だという決定的な証拠なモンはないのかよ。俺らの意見だけじゃ魔王は当てずっぽうにしかわからねーぞ。村民も知らないから教えてくれねーだろうし」
あ、そうか。証拠ね。
父さんに言われたのは、もうひとつあった。
「魔王には紫色のツノが2本、生えているって」
魔王にはツノが生えている。
だが手下は一般の村民の姿のままだ。
つまり、サイクロプス社の少年が会ったとされる、うだつの上がらないおっさんは手下である、と結論付けられる。
「ツノね。いままで会った人間やモンスターで、だれも頭を隠している奴はいなかったはずだぞ………、いや」
ミカゲが黙り込む。あかねんとタローもその人物に行き当たったようだ。
「うん、犯人は、……いや、魔王は あの人 だね」




