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第42話 剣への道のり

「いいわ、答えましょう。勇者の武器が壊れてしまったのね」



 ……俺の剣がなくなったことは、すっかりみよちゃんにバレていた。


 どうやら大和田さんが俺たちの状況を把握したあとすぐに、みよちゃんにそのことを伝えていたらしい。


 だから、次の日の朝出勤したら、すぐにみよちゃんから勝手になにやら答えを頂いたのだった。



 ていうか冒頭に『いいわ、答えましょう』と言わないときっとダメな呪いにかかってるのね、みよちゃん。

 そんなみよちゃんは今日は自分の机の上に、本格的な水晶玉のようなものを置き、妙なインド人のような動きをした。

 ……それは占い師のつもりなのだろうが、はたから見れば単に怪しいおばちゃんである。



「いいわ、答えましょう。勇者の伝説の武器は、フォールアンダー洞窟にあるわ」


 どこだそれ? そんな英語な地名、田舎村にあったっけ? と、俺たち4人は頭を悩ませたが、あかねんが閃いた! って感じにポンッと手を打ち、みよちゃんに解答する。


「あ、折ノ下(おりのした)地区ですね」


 あかねんすげーな! 俺はてっきりアメリカかよ! と思ったよ、まったく。


 そして、もってまわったみよちゃんの言い方は、わざとじゃなくて魔王の呪いなんだろう……そういうことにしとくよ。みよちゃん。


「えへへ、だって洞窟って言ったら、田舎村には1つしかないですもん」


 観光地であり、全国ではすこーしだけ有名な、折ノ下鍾乳洞。


 そこにたけのヤリに変わる武器が、眠っているとのこと。



 いやべつに、たけのヤリをあそこのコンビニで買うでもいいんですけどね。



「まあ、俺のアイスソードを毎回貸すのもめんどくせぇし。道具は一人1つづつ。そして大事に扱うのが作業員の仕事だぜ、和哉」


 いや俺、土木作業員じゃないし。

 でもなんだか、アツい仕事なんじゃないか? 土木作業員。

 俺もいい道具を大事にしてぇっすよ! 親方ぁ!



「そうですよ! 勇者がいつまでもたけのヤリだなんて、かっこつきませんよ!」


 そ、そうか。それもそうだよな。

 またバジリスクみたいな、苦戦を強いられる可能性があるかもしれないし。



 ……ここ最近、めっきり流されることが多くなった俺はあっさりと、


「フォールアンダー洞窟へしゅっぱぁつ!!!」


 とまんまとノセられてしまった。




「アイスブラストっ!」

「ワードトラクション!」

「な、ナマムギナマゴメナマタマゴっ!」

「おー、がんばれなおめーら。あれ、なんだこの野球ボール」


 ミカゲ以外の呪文を使える仲間は総出で、洞窟内のプロジェクションマッピングモンスターを退治していく。


 プロジェクションマッピングなので物理攻撃はまったく効かない上に、今回はゴースト系じゃなく、ぶよぶよとしたスライム系ばかりで、あかねんのホーリーアセンションが効かない。



 そして、タローの新しい魔法は、いもざえもんフラッシュと同等の効果で、スライム系には割と効果があった。

 だが、呪文は『ナマムギナマゴメナマタマゴ』というオーソドックスな早口言葉なので、あかねんの補助があっても、魔法を唱える数が単純に多いので、連発していたらきつそうな感じだった。



「ちょっと休憩――――」


 俺も、タローまでは行かないが連発で魔法を唱えていると、さすがに息切れをしてくる。


 スマホでMP残量を確認すると、半分以下に減っていた。



「わたしは墓地のほうが楽しかったなぁ。こっちだと補助にまわるだけだから、つまんないなぁ……」


 あかねんは前衛タイプなのか。

 でもちょうどいいタイミングで回復してくれたりするし、普通の仕事もできるんだろうな。



「ぼ、僕はあかねんの補助なしでも呪文を使えるようになりたいです」


 タローもそれなりに活躍してくれている。

 勇者じゃなくて魔法使いでよかったのか? と話したのだが、


「ふ、ふふふ、大魔導師になって、水色のボブヘアのつるぺたちゃんを弟子にするんですよ、僕は」


 そしてあーんなことや、こーんなことをするんです! なんて力説していたが、聞くに耐えなかったので、放っておいた。

 まあ、いつもの妄想だし。




 すこし休憩したあと、俺たちは洞窟の奥へ向かった。

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