第41話 第二のいも生
いもざえもんにお願いされた咲ちゃんは、それから父親を元に戻していた。
……おおお、あんな小さなフィギュアから人間に戻るんだなぁ。まるで乾燥しいたけのようだ。
そのあとは、お決まりの咲ちゃんの両親の喧嘩なんかもあったけど、父親は、
「……あの痺れはもう体験したくない」
ということで、浮気はもうしないって母親と咲ちゃんに誓ったようだ。
円満にいくといいね。咲ちゃん。
……さて、いもざえもんの具合だが。
「もう、体力の限界っす!」
と語尾に いも をつける設定も忘れ、いもざえもんはどこかの引退力士のように言っていた。
タローはよほど思い入れがあるらしく、いやだあああぁ!! と涙や鼻水などでものすごく、ぐっちゃぐちゃに号泣していた。
汚いよ、タロー。
「中の人を入れ替えればいいんじゃないかな」
と俺が提案したら、少し寂しそうではあるが、中の人は頷いてくれた。
「旧いもざえもんに入って、交通安全のイベントや小学校を回る仕事をしますいも!」
あ、なんだ。結局いもざえもん続行か。よかった。
というかさっきの咲ちゃんが可愛くて、追いかけたいんだろうなぁ。
俺でもあんなかわいい子だったら……と想像してしまったので、いもざえもんには、あんまり咲ちゃんを深追いするなよ、と念を押しておいた。
次回召喚時からは「一味違いますから、期待してていもっ!」と元気よく、颯爽といもざえもんは去っていった。
「苦戦しましたけど、なんとか解決できて良かったですよねー。強敵でした」
「石化ってあんな痺れだってわかってたら、ぜってー避けてたし!」
「い、いもざえもん、第二の人生楽しくなるといいなぁ」
いもざえもんは、設定どおりに『いも生』にしておいてあげようよ。
「……あのさ、俺の武器、なくなっちゃったんだけど」
「「「あっ!」」」
……おい、みんな忘れてたのかよ。




