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第39話 さよなら、相棒

 あくる日の朝。



 今日はいよいよ石田咲ちゃんを元に戻す。


 そう決めた俺たちは空の谷ニュータウンへやってきた。


 レベルはあかねんとタローの奮闘もあって、45。バジリスクより高くなった。



 ちなみにみよちゃんは昨日午後から早退し、隣市の市民文化会館へケイスケのコンサートに行っていたので、ヘルプの電話には出れなかったようだ。


 ……演歌好きなのね、みよちゃん。



 そんなみよちゃんにミカゲは休みなし! 電話に備えるぐらいしろっ! 仕事をいい加減にやるな! と怒っていた。




「……よし、じゃ、開けるぜ」


 ミカゲがドアに手を掛ける。

 あかねんの呪文を最初にかけるので、ミカゲの隣であかねんがこくりと頷く。



「トラヴェリング!!」


 ミカゲが扉を開けたと同時に、あかねんがとぐろを巻いていたバジリスクに魔法をかける。

 これは、モンスターが3歩歩くと20秒ほど硬直する呪文だ。


「クイック!」

「キャリーパミュパミュっ!」


 俺はミカゲにクイックをかける。

 そしてタローは練習のかいがあって、ワードトラクションなしでもキャリーパミュパミュを使えるようになったので、いもざえもんを召喚する。



「登場したいも――――――――――――!」


 すごいな、いもざえもんの登場シーンも若干キレが出て鮮やかになってきた。



 華々しく登場したいもざえもんは、きぐるみ……いや、体内から出したいもをバジリスクへ放り投げる。


 そのいもが炸裂し、七色の煙があたりを覆った。


「うおお、これは予想外だぜ!」


 ミカゲが昨日たてた戦略では、いもざえもんフラッシュでバジリスクへ目眩ましをする予定だったらしいが、今回は新たな技をいもざえもんが使用し、バジリスクへ攻撃を加えたのだ。


 それに怒ったバジリスクはいもざえもんへ近づき、バジリスクに近づきすぎたいもざえもんを、尾のヘビ部分で吹き飛ばす。



 ……ドカッ!!!



 勢い良くいもざえもんは弾き飛ばされ、部屋の壁にぶつかる。


「あ、ああっ! い、いもざえもーーーーん!!」


 ボテッ、と音を立て、床に転がるいもざえもん。

 果たして中の人は大丈夫なんだろうか……。



 いもざえもんには、タローが駆け寄っていた。

 ……そうだ、俺たちはそっちに気取られている場合じゃない。バジリスクを倒さなければ!



「よし、硬直した。和哉。面胴小手だ! やれっ!!」


 ミカゲのゴーサインが出たので、俺はバジリスクへ近づき技を繰り出す。


「おう!!! 面胴小手ぇぇええええっ!!!」


 20秒間、あかねんのトラヴェリングの呪文の効果が続いている間、出来るだけ面胴小手を繰り出す。そして、


「トラヴェリングっ!!」

「アンガーロアっ!!」


 あかねんとミカゲの呪文を合図に俺は下がる。

 タローはいもざえもんを介抱しているが、いもざえもんはまだぐったりしたままだ。



「タロー! アリ頼むよ!」


 3歩歩かないとあかねんのトラヴェリングの効果が出ない。


 いもざえもんが使えなくなった今、タローの呪文のアリを召喚することにした。

 なぜなら、バジリスクが動ける状態で誰かが近づくと、そいつが石化してしまう恐れがある。

 だから遠隔で攻撃できる魔法が必要なのだ。


 いもざえもんを介抱しながら、タローは呪文の組み立てに成功する。

 そして、タローのアリでまたバジリスクが硬直し、俺は面胴小手でバジリスクのコスプレ部分を剥がしていく。


 バジリスクが俺の面胴小手でダメージを受け、その身を剥がしていく。


 その様子は超リアルだった。



「ミカゲさんっ! 腕がっ!!」


 あかねんの声が聞こえるけど、俺は20秒間の間一心不乱に面胴小手を繰り返す。

 他のことを構うよりも、俺は俺のやることに集中するだけだ。


 そして最後の面胴小手を繰り出したあと、かなり小さくなったバジリスクの鶏冠の部分から、お面らしきものが見えだしてきた。



「と、トラヴェリング!」


 あかねんの呪文と同時に俺は一旦さがろうと振り向いた。



 ……ミカゲの左腕が石化しているのを、見た。



 だめだ、俺が下がったら片手が石化したミカゲとあかねんが狙われる。


 そう俺は一瞬で判断し、バジリスクの攻撃をたけのヤリで受ける。

 バキッと音を立てて、俺のたけのヤリにバジリスクの爪とくちばしが食い込んだ。

 だが、たけのヤリはバラバラになりつつも、バジリスクの爪とくちばしから離れない。




 そうして俺は、たけのヤリを、離した。

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