表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

第四章:紹介

 俺が顔面を抑えてうずくまっていると、三人の男が階段を下りてきた。

「彰子お嬢様、私たち以外にも誰かいらしたのですかな? 何やらすごい叫び声が聞こえてきたのですが」

 階段からやってきた三人の男のうち一人が、そう彰子に声をかけた。

「いるにはいたわ。もう二度と顔も見たくないと思ってたくそ野郎だったけどね」

「さっきから私のことは完全スルーなんですね、彰子さん……」

 俺の隣でぼそりと涼森が呟く。そういえば、登場してから一度も涼森に話しかけてないな、彰子さん。

 それはそうと、俺はうずくまった状態のまま、新しくこのホールに現れた三人の男に視線を向けた。

 今彰子に話しかけた人物は、物腰が何となく高圧的な、小柄で頭頂部がやや薄くなりかけている、おそらく五十代くらいと思われるおじさんだ。

 その後ろにいる男性のうち一人は、百八十センチを優に超えるであろう高身長に、整った顔立ち、見るからにセンスのいい服を着たザ・好青年といった様子の人物。もう一人の男は、ザ・好青年と同じくらい背が高く、目はやや吊り上がった細目に、肩まである長髪がトレードの、猜疑心が強そうな人物だ。

 俺が彼らを観察している間に、彰子は俺と涼森のことを(どうやら涼森を忘れていたわけではないらしい)簡単に、悪口を交えながら説明していた。

 彰子の説明を聞き終えると、三人の男たちは俺らに対して自己紹介をし始めた。

 最初に挨拶を始めたのはザ・好青年だ。

「初めまして、荒瀬蔵馬と申します。彰子様のお父様の会社で働かせてもらっているものです。彰子様のご友人同士、これからよろしくお願いします」

 荒瀬ははきはきとした聞き取りやすい声と、さわやかな笑顔を振りまきながら頭を下げる。

「ちょっと蔵馬、私とこいつらは友達じゃないって言ったでしょ。ただの知人よ知人。しかも仲良くないほうの」

 荒瀬はそう言い募る彰子をほほえまし気に見つめながら、慣れたしぐさで彰子をなだめる。

 彰子の機嫌が直ったのを見届けてから、今度は小柄なおじさんが口を開いた。

「私は藤林道成という。荒瀬君同様、彰子お嬢様のお父上の会社で働かせてもらっている。もちろん荒瀬君より立場は上だがな」

 藤林はそういうと、大儀そうにため息をついた。

 藤林のあからさまに人を見下したような態度に感嘆しつつ、俺は横目で涼森の様子を窺う。涼森は相変わらずの無表情で、藤林に対してどんな感情を持っているのかは見て取れなかった。

 俺が涼森を盗み見ていることなどに当然気づかず、細目の男が話し出した。

「志島司という。できればこんな自己紹介などをする前に、今の事態について聞いておきたいのだが。君たちは今、俺たちの身に何が起こっているのか知っているのか?」

 志島は挨拶もそこそこに、今の状況を聞いてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ