また明日に
閲覧ありがとうございます。
地図を見る限りで、この町から一番近いのは、観光客も行くようなところだった。
「えぇ? ここにはぁ、さすがにぃ、いないんじゃない?」
愛は渋い顔でそこに行くのを拒否する。
確かに観光客も行くようなところではあるが、もしかしたらというのも考えて、行くのを止めるわけにはいかないのだ。
だから滴は、渋る愛をなんとか説得して、その洞窟へ行ってみることにした。
しかし、向かう途中で町の広場の時計をふと見ると、既に帰らなければならない時間を過ぎていた。
「うそ! 今からってところなのに!」
紗季がひどく残念な顔で時計を睨み、地面を右足で踏み鳴らす。
滴達も紗季のように思ったが、紗季とは違う気持ちもあった。つまり、いつの間にそんな時間が経ったのだろう、ということだ。考えてみれば、そんな時間になっていてもおかしくはないのだが、それにしては、お腹は空いていなかった。いつもは、正午を過ぎれば空くお腹も、今日は空いていない。だから、午後になったのにも気づかず、お昼も食べていなかった。
「……残念だけど、今日は無理だね。暗くなっちゃったらあれだし。また明日にしよう?」
滴はそう提案する。
無理なのだ。暗くなってしまえば、明かりのない森の中は、真っ暗になってしまう。ますます危なくなるのだ。
「……仕方ないな」
光が溜め息をついた。諦めも肝心、そう光は呟く。
よく見れば、日も西に傾いている。要するに、しばらくすれば直ぐに辺りは暗くなるということだ。
やむ終えなく、滴達は森の中の家へと戻ることを余儀なくされた。
「あーあ、明日かぁ…」
紗季が、不貞腐れながらも森の方へと足を向ける。
滴達も、嫌々ながらも家へと向かったのだった。
読んでくださりありがとうございました。
いつも読んでくださっている方に重要なお話があります。
ほぼ毎日投稿してきた嘘嘘ですが、これからは毎日の投稿が難しくなります。家の方針で、携帯1日約30分、ということになってしまいました。どうにかして投稿は続けますが、のろまな投稿になってしまうかと思います。
すみませんが、宜しくお願いします。




