広いっていいね、便利っていいね
閲覧ありがとうございます。
今日は忙しかったです。土日も忙しいし、嘘嘘(嘘の嘘 本当の本当)書けるかな? 心配です。
確か、あの時はまだ小学校高学年だった。内容もはっきりとまでは覚えていない。どちらかというと、ほとんど覚えていないのが現状なのである。
あの小説の中でコンピュータだったのは確か……、あの子達である。
滴は無意識にその子達の方を見る。だが、お喋りに夢中になっている為かこちらが見ていることには気がつく様子もない。
「ねぇ、あなた滴って言ったっけ? 早く行こ? 私達の家を皆で見て回ろうと思ってるんだ!」
紗季が元気に滴の手を掴む。
「え? あ、そうよね。行きましょ」
滴は、不意打ちのように手を掴まれたので、少しびっくりしてしまった。向こうはそんなのお構い無しのようだが。
スキップをする紗季を先頭に、滴達は通路を進んでいった。
所々にキッチンやトイレ、バスルーム、個人の部屋などがある。個人の部屋のドアには、「滴の部屋」などと書かれたプレートがぶら下がっていた。
ついでに中庭やプール、シアタールームなどもある結構な豪邸だと気づく。1つ1つの部屋も広いので、少し感動さえした。とにかく何でも出来てしまうほどの超大きい家だったのだ。
「鬼ごっこしたーい!」
と言っている紗季を尻目に、滴はキッチンを見る。お洒落な感じのするキッチンもまた大きい。しかも、色々な機械まである。
小説の中ではこんなに広いとは書かれてなかった。けれど、小さいよりは大きい方がいい。何しろ、色んな物が作れそうだし、道具に困らなそうである。
あれ? 材料とか服とかそういう日常的な物はどうなってるんだろう?
そう思って、滴は冷蔵庫を開けた。
たくさんは入っている。けれど、これから暮らしていくには、少し少な過ぎる気がした。
「……ど、どうしたの?」
波が冷蔵庫を漁っている滴を見て、声を掛けてくれた。
「冷蔵庫の中の物だけで足りるのかなって思って」
「……ほ、本当だね……! もしかして、餓死しちゃう……?」
波は目を真ん丸し、顔を蒼白にさせた。
「大丈夫です。心配は要りません」
突然放送が流れた。
滴達は、驚きながら一斉に上を向く。
「おまえ、こっちをずっと観察してるのか?」
光が不機嫌そうに顔を歪ませる。
「はい、そのガラス玉のようなものは本当に高性能で、あなた達の声や画像もこちらに送り込んでくれるのです。食べ物などは、私が用意しておきますよ」
便利でしょ? と、自慢げに言う。
「あ、駄目ですよ? 捨てちゃ。それはあなた達の命のようなものですからって前も言いましたよね? 盗まれたら大変だし、きちんと自分で持っていてくださいね。あと、それはどんなことしても壊れませんから無駄なことは控えて下さい。では、引き続き頑張って下さい。幸運を祈っています」
プツンと音がして放送が切れた。
アナウンスしてくる人の名前は聞いてないな、そう滴は思った。滴達に一番声を聞かせている人なのにである。
そう言えば、ガラス玉のようなものに名前をつけた方がよいのではないだろうか。そのままでは言いづらいことこの上ない。
「ねぇ、これに名前付けない?」
滴は、自分のそれを皆に見せながら、それを指でつついた。
「あ、そうだよね……」
すると、姫が少し考えて結論を出してくれた。
「……『ツルピカ』は?」
つ、ツルピカ?
姫ってネーミングセンスあるねってこの時誰もが思っただろう。
「そ、それ最高っ! 良いかも!」
紗季が親指を立てて、笑った。
ツルピカは、余りにもその特徴をしっかり捉えて過ぎている。
読んで下さってありがとうございます!
書いてて思ったのですが、何気に忙しくても遊んじゃうのが私なので、書けると思います!
これからも宜しければ応援してください。