表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第5章 休憩
56/100

挑戦

閲覧ありがとうございます。

「……なっ。いきなり睨んでなんですか!?」

「意味わかんねぇーぞ!」


ご立腹な様子になったスノーとアンバーに、滴達は睨む目を退けようとは思わない。スノーとアンバーが来なければ、愛と仲直りできたに違いないのだから。


あまりに睨むので、スノーとアンバーも気まずくなったようだ。

上目遣いで滴達に平謝りする。


「そのー……よく分からないけど、ごめんなさいね?」

「すまなかったな……」


少しだけしんみりした空気に変わり、滴達もこれ以上睨むのを止める。

スノーとアンバーが謝るのと同時に、プリちゃんのお腹がなったのも大きかった。


「……取り合えず、朝御飯にしよっか」


滴の一言で、5人と一匹は食卓に向かう。そうして、朝御飯にしたのだった。


「……ね、ねぇ、いつもと何か違う気がするんだけど……!」


けれど、食卓に着いた波が、申し訳無さげに滴達に言う。


それもそのはず。今日の朝御飯は、愛特製の朝御飯だ。見た目で美味しくないと判断するのもよくないと思い、朝御飯として、きちんと食べることにしたのだ。もしかしたら、見た目よりも美味しいかもしれない。


「まぁまぁ、そう言わないでさ!」


そう言って、滴は箸をもつ。


しばらくして、一人がポツンと言った。


「……滴。いつまでフリーズしてんだ?」

「……え?」


滴はその言葉に文字どおり、更にフリーズ。

食べようと言っておきながら、なかなか食べない滴に指摘したのは光だった。

光も光で、怖いものでも見ているかのような目で料理を見ている。実は、他の2人もそうであったり……。


「……た、食べるよっ?」


訝しげに見つめてくる3人に耐えられなくなった滴は、半ばやけくそになりながら、箸を料理に付けた。


3人の見つめる中、滴はゆっくりと料理を口に運ぶ。

そして、その切り詰めたような空気で、滴は感想を口にした。


「……作り直そっか」


前のクッキーよりは美味しかった。けれど、それはどうにか食べられる程度になっている。という評価に止まる。明らかに体に悪いであろう塩加減などを考えると、これ以上食べるのはやめておいた方がよいと判断した。

確かに前回のようにトイレへ直行、というほどではないのだが。


他の3人も料理を口にし、しかめっ面で頷く。

愛の料理が不味いのには変わりなかったのだ。お世辞も言えない程度には。


滴はキッチンに立つと、6人と2匹分の朝御飯を作り直した。そうして二人に料理を持っていくことにした。

しかし、ここで問題がある。

それは、誰が愛の部屋まで料理を持っていくか、ということである。

紗季の分は、特に問題もない。だが、現在喧嘩中の愛の部屋は、さっきの事もあって、難しいのではないだろうか。

持っていっても、ドアを開けてくれなければ渡すことも出来ない。


さて、どうするべきか。

滴達は静かに頭を抱えた。












読んでくださりありがとうございました。

愛の料理に関しては、1章の「お菓子作り」を参考にしてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ