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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第5章 休憩
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仲直り

閲覧ありがとうございます。

今の状況について滴が説明すると、波と光は「……はぁ」と気の抜けたような声を漏らした。


「だからか」

「……そ、そりゃぁ、怒るかもね……」


二人も沈んだように表情を暗くした。


愛が怒ってしまった大きな原因は、今日の滴とプリちゃんの言動と昨日の4人の言動で間違いないだろう。

つまり、愛は皆で料理をしたかったのだろう。その機会を勝手に奪おうとしたのは、他でもない滴たちだ。愛が嫌がっているにも関わらず、勝手にキッチンから追い出したのだから。

確かに愛の料理は危なっかしいし、不味い。けれど、一緒にやりたいと思ってくれているのに、それを踏みにじるなんてことはやってはいけなかったのだ。

自然な流れで愛をキッチンから追い出してしまったが、本当は愛に注意しながらやれば、皆で料理できたのではないだろうか。

そんなことにも気づけないなんて、友達として、仲間として、失格だ。


「……私、愛の部屋に行ってくる」


滴は決心して愛の部屋の方に体を向けた。


「待って! 私もいくよ」


慌てたように滴の手を引っ張って引き留めるプリちゃんは、少し怒ったような顔をしていた。


「……滴だけに行かせるなんて、おかしいじゃん」


しばらくの沈黙のあと、


「……そうだよねっ」


滴はそう言って笑った。

それを見たプリちゃんも晴れやかに笑う。


「なに二人だけで行こうとしてんだ? こっちも一緒にいくからな?」

「……わ、私達も謝らなきゃ、だし……」


あとから他の二人も滴達の方に駆け寄ってきて、滴達は愛の部屋に皆でいくことになった。





コンコン。

まずは、ドアを叩いてからだ。

硬く聞こえる音に、滴達は思わず背筋を伸ばす。

今更緊張が訪れてきたのだ。


「愛、入っていい?」


そう声をかける。


その時、滴達の緊張を一気にほどくような声が聞こえた。


「滴ー! ご飯はまだなのですか?」

「二日連続で朝飯なしか!?」


滴達は突然聞こえた声に目を剥く。


「……ちょ、ちょと!」

「はぁ?」

「なにやってんだ?」


スノーとアンバーは、ドアにへばりつくようにしている滴たちを不審な目で見つめる。


結果、


「……部屋の前でうるさいんだけど。 入って来ないで!」


滴達は、愛に追い払われてしまった。

滴達は無言で、元凶となったスノーとアンバーを睨む。


読んでくださりありがとうございました。

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