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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第5章 休憩
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寝坊

閲覧ありがとうございます。

翌日、顔に当たる暖かな日の光によって、滴は目を覚ました。

太陽の位置から考えると昼間のようだ。朝はとっくに過ぎてしまったよう。

確認のため驚いて時計を見るが、その短針が指しているのも12時。やはり昼間である。


滴は慌てて部屋から飛び出る。

すると、プリちゃんと廊下の角でぶつかった。


「うわわっ!」

「ご、ごめん!」


滴とプリちゃんは尻餅をつく。お互い、朝から廊下を走るからだ。


それからキョトンとお互いを指差し、滴とプリちゃんは声をあげて笑う。


「もしかしてさっきまで布団のなかだった?」

「滴も?」


クスクスと笑い、お互いに手を取り立ち上がる。


「なんだ。私だけじゃなかったんだね、起きられなかったの」

「フフッ。タイミングぴったりだったね、私達」

「本当だ! 起きるタイミングほぼピッタリ!」


お互いが指差したのは、その格好だ。寝癖はピョコピョコとあっちこっちに跳ね、服装は寝間着のままだ。それに加えて、顔もどこが眠そうであるのだから、さっきまで寝ていたのは誰でもわかるほど明白だった。


「じゃあ、滴も朝ごはん食べてないってこと?」

「……そういうことになるね」

「今、お昼ご飯の時間だね」

「……そうだね」


そんなやり取りをし、ふたりは溜め息をつく。今日も朝早く起きてくれたであろう波を思って。朝御飯を食べに来ない二人を、波はどれ程怒っていただろうか。容易に想像できる光景に、二人は両手で目を覆う。


「駄目だね。とりあえず謝りに行かないと」

「……そうだね」


結果的に波と会うのは避けられない。だったらこちらから謝るべきである。

そう結論付けて、滴とプリちゃんは波の部屋に体を向ける。そして、さっき反省したにも関わらず、また二人は駆け出した。


「……ひゃあッ……!」

「うわわっ!」

「……いてっ」


二人はまたさっきと同じ事を繰り返していた……。


──相手は波であった。

滴とプリちゃんは、無言でお互いを見やる。

だって、波の格好も二人とほぼ同じような感じであったから。


「……ご、ごめんね……!」


謝る波を見、二人は唖然とする。


「これってもしかして、全員寝坊?」


滴の視界の端に怒って駆け寄ってくる2匹のウサギが映った。











読んでくださりありがとうございました。

これからちょっとは、こんな感じのフワフワした話が続くかもしれません。

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