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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第4章 水晶
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ただいま!

閲覧ありがとうございます。

何だかんだしながらも、滴達はやっと長い登山を終え、家に着いた。

家に着くと、何故だか家に懐かしさを抱く。何日かしか空けていないのにも関わらず。その何日かが、どれだけ濃い時間だったのかを滴達は改めて感じた。

家は、出てきたときとほぼ変わらない。


「ここがテメェーらの家か?」


アンバーも相変わらず口が悪い。こんなに綺麗なウサギが他人のことをテメェーと言うなんてちょっと所でなく似合わないのだが、滴達は慣れてきたためか誰も気にしない。


「そうだよ」


プリちゃんは、アンバーではなく、家を見上げながら言う。


滴は、やっと無事に帰ってこれたということに感動しながら、家の鍵を開ける。


「ただいま!」

「……ちょ、ちょっと……! 靴は……!?」


靴も片付けずにそれぞれの部屋へと向かう滴達に、困ったような波の声が届く。

部屋のベッドが恋しくて、皆玄関に靴を脱ぎっ放しにしたのだ。


「……もぉ……」


頬をぷっくりと膨らませた波は、泥だらけの靴をチラと見る。


「……わ、私も寝る……!」


結果的に、波も靴を脱ぎっ放しに部屋へと走っていった。


当たり前だが、後に残されたスノー達は挙動不審になった。

このままお邪魔していいのか、山に戻るべきなのか。いや、普通だったら山へ戻るのが当たり前なのだろう。だが、スノー達は家に上がる気が満々だった為、溜め息をつく。

……諦めるしかないか。


そう思ってドアを閉めるに為体当たりをしようとしたとき、プリちゃんが玄関まで走ってくる。


「か、勝手に上がってて良いよ!」


そう言うなり、プリちゃんはまた部屋へと戻っていく。


スノー達は、プリちゃんに感謝しながら家に上がるのだった。





「……家ですね」


家に上がったスノーは、開口一番にそんな感想を漏らす。


「そうだな」


アンバーは、スノーの独り言に応じ、言葉を繋げる。

スノー達も疲れていないわけではない。が、基本的に山を駆け回っているウサギ達であるためか、滴達よりは疲れを感じていなかった。


「……あの方、滴達をどうするつもりなのでしょう」


そんな事をぼんやりと言うスノーを、アンバーは軽く小突く。

「どうするって、どうするかオメェーも知ってんだろ?」

すると、スノーはクスクスとヒゲを震わせながら笑い出す。自分の言葉を馬鹿にするように。


「そうですよね」


小さく呟くスノーに、アンバーは首を傾げる。


「……他に何かすんのか?」

「さぁ? アンバーこそ、他に何か企んでるのでは? 私にはそう見えますが」


どこかとぼけているかのように見えるスノーに、アンバーは不信感を隠せない。だから、とりあえず今は警告だけをする。


「さぁな。だが、あの人には迷惑かけんなよ?」

「もちろん。アンバーこそ気を付けなさい? あの方に迷惑をかけないように」

「……フッ」


どこまでも釣れないスノーに、アンバーは笑うしかなかった。

さすが、××だ。





読んでくださりありがとうございました。

昨日、今日とご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ありませんでした。

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