水晶の秘密
閲覧ありがとうございます。
一歩遅れて滴は頷く。
すると、アンバーは満足そうに口元を弛めた。
スノーはそんなアンバーを睨み付ける。
「……アンバー」
地を這うような声に一瞬にして鳥肌がたつ。睨み付けられたアンバーだけでなく、その場にいる全員が氷つくような声だ。もう誰も微笑みを浮かべられる人はいない。
だが、
「いいじゃねーか。教えねぇーなんて失礼だろ? コイツらは、お前の願いを命懸けで叶えたんだぜ?」
ひきつったような笑みを浮かべるアンバー。アンバーは、滴側についてくれたようだ。
スノーからの反撃もないので、アンバーはその口を開く。
「まず、テメェーらが言った通り、それは水晶なんかじゃねぇー」
ここまではいいか、とアンバーは滴たちの様子を見る。
滴達は、やっぱりな、と顔を見合わせた。
スノーはそれをつつく手を小さく震わせた。
「ーーその透明なヤツは、シャドーというヤツだ」
アンバーは、にやりとしながら言い切る。
……シャドー。
アンバーの言葉を口の中で繰り返す。
どう考えてもそれとその名前が一致しないからだ。
こんなにツルツルしていて、ピカピカ光輝いているのに、「シャドー」、だなんて。
ん?
ツルツルしていて、ピカピカしている?
思い当たる似ているものがあり、滴は眉を潜める。そして、プリちゃんと目を合わせた。
「た、多分考えてること、同じだよね……」
ちょっと笑いながら、プリちゃんは滴の視線に応じる。
いや、まさか、ね。だって、スノーがそれを持ってる理由もわからないし。
滴は、シャドーを見つめて、高速で首を振った。
読んで下さりありがとうございました。
今日は、事情があっていつも使っているスマホでないもので投稿したため、こんなに短くなってしまいました。
すみませんでした!
(最近謝ってばかりな気がします……)




