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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第4章 水晶
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回復

閲覧ありがとうございます。

波はリュックサックを漁ると、中から薬を取り出した。


「……か、風邪薬、風邪って決まった訳じゃないけど大丈夫だよね……」


不安げに波が手を止める。


「大丈夫だと思う。症状からして風邪だと思うから」


光の言葉にホッとしたのか、波は眠いのかうつらうつらしている紗季に風邪薬を手渡した。薬は粒のタイプである。


紗季が薬を飲み込んだのを確認して、滴達は静かに息をついた。

まだ紗季が大丈夫なのかは怪しいが、今よりは良くなるはずだ。

滴達は雨が止んで、紗季の熱が下がるまで待つことにした。もちろん熱が完全に下がるまで、というのは、食料が足らなくなる可能性があるので出来ないが、今より良くなるのを待つ。


滴達は冷えた体を温めるために、くっついて座った。

ウサギ2匹もぴったりとくっついて落ち着いている。

何故だか2匹は知り合いだったようで、結構仲が良かった。近況報告や昔の話で盛り上がっている。


「黒! 足踏まないでください!」

「はぁ!? 踏んでねーし」


ちょっと喧嘩しそうな雰囲気もあるが、まぁ、喧嘩するほど仲が良いともいうので、やはり仲は良いのだろう。大きさもほぼ同じなので、色は違えど兄弟姉妹のように見えた。

話を聞いていると、どうやらお互いを「黒」、「白」と呼んでいるようだ。

滴は、安易だなぁ、と思う。


滴達が眠りにつき、朝日と共に目を覚ますと、地平線の方には太陽がくっきりと見えた。つまり、雨が止んでいた、ということだ。

あとは、紗季の具合が問題だ。

見た目は良くなったように見えるが、どうなのだろう。当の本人はまだ起きていないので、滴達はそれを待ってから決めることにする。


しばらくして、紗季は起きた。

顔色は良い。


「具合はどう?」

「随分良いみたい!」


そう言って、紗季は滴達の前で歩いて見せた。確かにしっかりとした足取りだ。


それを見て、滴達はハイタッチを交わした。

読んでくださりありがとうございました。

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