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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第4章 水晶
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闇の中のトパーズ

閲覧ありがとうございます。

「助けてやろーか?」


生意気そうな言い方とは反対に、そのウサギはトパーズのような落ち着きのある瞳をしていた。その黒い毛は、闇のように艶もないほど暗かった。


「助けてやるって、何を?」


プリちゃんが、怪訝そうに眉をひそめる。

また喋るウサギに出会ってしまった。またお願いをされるのかと思ったが、今回は違うようだ。反対に、助けてやる、と言っている。


黒いウサギは滴達を見回す。そして、最後にその瞳で何故か滴を射ぬいた。

滴は、その形相に怯む。

何故って?

何故だろう。

滴にもそれはわからなかった。

今思うと、ウサギの顔にはなんの感情も見られなかった気がする。けれど、その時はその顔を怖いと思ったのだ。


「オメェーたち、道に迷ってんだろ?」


しばらくの間を作ったあと、ウサギは応えた。

随分口が悪いウサギである。うさぎさんより酷い。


滴達はお互いに視線を交わらせた。

これは迷ったというのだろうか。

迷ったというなら……、遭難したということだが。


私達がなかなか口を開かないので、黒いウサギは痺れを切らしたように眉間に皺を寄せた。

ウサギって、こんな表情もできるんだ、と滴達は素直に驚く。


「付いてこい!」


怒っているかのような声につられ、滴達は再び歩き出した。





それから数分経ち、今度は滴達が痺れを切らした。

ウサギの足が遅すぎるのだ。ウサギがゆっくりゆっくり進むものだから、全然進んでいない。


「……ね、ねぇ。もうちょっと早く歩けない……?」


気を効かせて、波がウサギに尋ねてくれた。


だがこのウサギは、意外にもマイペースなウサギだったようで、


「いいだろ、着けば」


としか言わない。

確かに頂上へ行くのが目的だ。けれど、それは最低目標であって、本当の目標ではない。


「お願いだからぁ、もうちょっぉと速く歩いてくれないかなぁ?」


愛の少しだけドスの効いた声で、やっとウサギの足は少しだけ速くなった。




読んでくださりありがとうございました。

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