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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第4章 水晶
30/100

嘘吐き

閲覧ありがとうございます。

ひどく短くなってしまいました。

夜になり、滴達は壁に寄りかかってそれぞれ眠りに着いた。

うさぎさんは、部屋の角で丸まっている。

けれど、そんな小屋で誰かが鞄を漁っているのに滴は気付いた。


「だ、誰?」


泥棒でも入ったのかと思い、寝ぼけた状態でその人影に問いかける。

その時、その人影に月の光が射し込んだ。

紗季であった。


「どうしたの? 眠れない感じ?」

「ううん、そっちこそどうしたの? 眠れないの?」


なぜだか鞄を漁る姿は、どこか寂しげに見えて。

放っておけなかった。


「……な、なーにしてるの? なんでそんな暗い顔してるわけ?」


紗季は滴に笑いかける。

暗い顔してるのはどっちよ……。

確かに、暗い顔をしているかどうかは、こんなに暗くちゃ判断できない。

だけれど、滴にはそれが誤魔化しにしか思えなかった。


「まさか、トイレにいきたいけど、暗くて怖いから一人じゃ行けないとか?」


紗季は、悪戯っ子のようににやりとする。

しかし、滴はそんな紗季になにも言えない。

聞きたいけど、聞いちゃ行けないような気がしたからだ。


「……うん。でも、一人で行くから大丈夫だよ」


本当はトイレに行きたくて起きたのではなく、紗季が動くもの音で起きたのだが、小さな嘘をついて滴はその場を離れた。


トイレに向かい、戻ってくるとき、滴は聞く。


「……皆、嘘ばっかり。本当の自分の気持ち隠……………………。……なんで?…………………………………………の」


ところどころ聞こえない場所はあったが、滴にはそう聞こえた。

誰の言葉かは、判別できなかった。


滴は誰の言葉か気になって、そっと皆が寝ている部屋を覗いたが、全員寝ていて誰かわからなかった。




読んでくださりありがとうございました。

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