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嘘の嘘 本当の本当  作者: カカオ
第3章 崩れる友情
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光ちゃん

閲覧ありがとうございます。



愛ちゃんと光ちゃんは、特に個性が強い子ですが、嫌わないで欲しいです。

「……チッ」


イライラしてした舌打ちが、今は暗闇の中に吸い込まれていく。

無音。こんなに人を寂しくするものはない。

強がっている心も今はキリキリと痛んでいる。その傷口を無音が抉ってゆくのだ。

いや、無音というと少し語弊があるかもしれない。確かに外の雨の音は聞こえるのだから。

だが、今はそんな雨の音も光の心を遠慮もなく抉る。


なんなんだよ、と心の中で言う。

イライラして仕方がない。

あの時、滴が何かを隠している、そう思った。けれど、それを姫が否定した。

考えてみれば、当たり前のことなのかもしれない。姫は滴を慕っているのだから。

だが、光はそれに対して背を向けたくなる。


なぜ?

自分自身にそう問いかける。


いや、本当は理由なんてわかっているのだ。

小さなコンプレックスが生んだ、大きな穴。まさにそれだ。

別に強がるのは良いと思う。が、しかしである。それでいて性格が悪いのでは、人は離れて行く。


光は自身をそれの典型的な人だと思っていた。

強がって、強がって、人が不快になるようなことを言って。

あのおばさんにもこんな性格を見破られてしまった。

頭の中では理想像が出来上がっているのだ。ポニーテールが頭の中で揺れる。

そう、私の理想像、それは滴だ。

あの子は優しいからかよく作り笑いをする。作り笑いは決して誉められたものではないが、それの多くが場の雰囲気を和ませる為のものであったりする。


なぜ?

光はもう一度自分自身に問いかけた。


優しくしたい。

何故たったそれだけのことが出来ないの?


強がって行くなかで失ったものを光は取り戻したいのだ。


光はそっと立ち上がって窓を開けた。いつもの月の光は、分厚い雨雲に覆われてしまって見られない。

その時風がさっと吹き、光を雨が濡らす。と同時に部屋の床にもそれが降り注ぐ。

まぁ、雨が降っているときに窓は開けるものではない。


光は顔をしかめて、窓を閉めた。

タオルを手に持ち、がしがしと髪に付いた水滴しずくをとる。

服も多少濡れたが、そちらは大したことがなかった。


水滴は以外にもしつこく髪に付いていた。お陰で光のロングヘアーはしっとりしてしまってる。


光が思わずため息をつくと、部屋に光が一瞬だけ入ってきた。本当に一瞬だが。

それを光は確認し、今夜は荒れてるな、と思うのだった。






やっと20話が書き終わりました。長かったです。

え? 1話1話が短い?

そんなこと、知ったこっちゃないよ? とりあえず、私は20話書いたのです。

皆さんのアクセス数、ブックマークが励みになりました。ありがとうございます!


これからも書いていきたいと思うので、宜しければ宜しくお願いします。


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