いや、終わらない。
二話目です。
風の音が聴こえる、、、。
遥か遠くから、そして耳元へと。
風が草に吹き、爽やかな音を立てている。
目を開けてみると、どこまでも広がる空と靴ぐらいまで伸びた草がある草原があった。
それは自分の理想とも言えるのんびりとした雰囲気で、ここは天国か何かなのだろうと確信した。
優 「そーか、、、死んでしまったか。」
と、呟いた。
心の中には引っかかるものがある。
その引っかかるモノを感じていると、目の前に人がいることに気が付いた。
白黒の髪の毛、白黒の上着、青い目、見た目から男のようだ。
? 「お前は死んでない。」
優 「、、、え?」
名前は分からないが知り合いなのは確かだ、ただ、漠然と知り合いだと思っただけなのだが、、、。しかし何者かは全く分からない。
? 「お前はどうしたいんだ?」
優 「どうしたいって、、、?」
? 「本当は、変えたかったのか?」
この言葉で引っかかっていたものが何か分かった。
そうだ、この事態は回避できた可能性があったのだ。
優は訳あって神と知り合いである。
そして陸斗もその事を知っている。
ソフトクリーム屋で言いかけた夢の話。実は黒い人間のようなものが僕らを殺しにくる夢を見たという話だったのだ。
どういう訳か優の正夢率は非常に高く、今まで正夢のおかげでなんども命を拾ってきた。
しかし今回の正夢はあまりにも突飛し過ぎていてただの夢だと思ってしまった。
優 「それはもちろん、、、」
後悔している。
? 「なら簡単だ」
瞬きをする間に男は剣へと姿を変えていた。
? 「この剣は未来。お前が望めば望まぬ未来が変わる。変えられる。」
そしてまた瞬きをする間に剣は男に変わっていた。
男の目は黄金に輝いていた。
? 「己に問えよ。変えられる未来を望むか、終わる未来を受け入れるか、、、。その剣に問え、、、。」
よくわからない。
いきなり殺されて、天国みたいなところに来たと思えば未来を変えないかとかなんとか、、、。
だけど。
優 「変えたい。」
考える前にそう言っていた。
流石に理不尽すぎる死に方である。
実は一回死んだことがあるのだが、今回ほど理不尽な死に方ではなかった。
こんな死に方、納得できる訳がない。
? 「ならばこの剣を天に挙げろ。その想いが本物なら未来は変わるだろう。」
優 「わかった。」
剣を持つ。
重さはあまり感じない。
剣を持った瞬間、自分を中心に風が吹き始めた。
力強く剣を握ると、剣は青く光り出し、風はさらに強くなった。
? 「これからが、始まりだ。」
共に、変えるぞ。
上等だ、、、
優 「かっ、、わっ、、れえーーー!」
渾身の力と想いを込めて剣を振り上げた。
自分を中心に青い光が草原を照らす。
? 「ほう、、神眼化か、、。って、は!?」
ーーーオイオイ嘘だよな、、、。
そんな男の独り言をよそに優は叫び続ける。
ガラスとは違う、ただ似ている何かが割れる音がした。
? 「源から、、、全て変えるほどの想いがあるというのか、、、。変えられない筈の理を書き換えるなんて、、。俺の予想をはるかに超えてくれたな、、、。これなら操られた運命も自らの手で壊せるかもしれないな、、楽しみだ。」
男の独り言は優には聞こえていなかった。
世界は青白い光で埋め尽くされ、光の中へと優は吸い込まれていった。
今回は分かりにくい所やついていけない所が多かったと思いますがそのうち明らかになっていきますのでお楽しみに、、、。