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プロローグ

初めての投稿になります。

至らぬ点があると思いますが読んで頂けたら嬉しいです。

アドバイスなどもよかったらお願いします。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コツコツ....コツコツ....


新品の革靴のかかとが地面を蹴る音がする。

頭の上には雲一つない青空が広がっていた。


合格発表のため一人桜並木を歩き高校に向かっている少年、本作の主人公である風海 蓮である。


蓮「...桜か...」


季節には早い満開の桜を見ながら蓮は一人呟いていた。


制服に身を包み、少しだけ急な坂道を登って向かうのは、この地域では唯一の進学校『彩花学園』である。

今日は高校の合格発表があり、向かっているのは蓮だけでなく、様々な制服の同級生達だ。


彩花高校は蓮の家から徒歩15分くらいで着くほど近いところにある。


蓮がなぜこの高校に入ろうと思ったか。それはただ単に近いからであり特に深い意味はない。

偏差値の高い学校だが、本人曰わく『どうでもいい…。』だそうだ。


しばらく桜並木を歩いているとすぐにその学校は現れた。

すでに彩花高校にはたくさんの学生で溢れており当選番号が張り出されるのを今か今かと待っている様子が目に入る。


蓮「合格発表前、普通は不安とか緊 張でドキドキするんだろうな。」


周りの学生を見ると、手を合わせて祈る者、一緒に来た友達と話ている者、既に泣きそうになっている者、様々な人がいる。それぞれがそれぞれのやり方で緊張をほぐそうとしている中蓮だけは違った。


蓮は緊張することもなく、祈ることもしない。ただ制服の右ポケットに入っている受験票を手で触りながら「早くおわらねぇかな...」と退屈そうに待っているのである。


「これから合格発表を行います」

学校の先生らしき人が大きな紙をもちながら生徒達の前に立ちいった。


蓮「やっとか....」

先生の声が聞こえると自分の受験票をポケットから出して掲示板の方へ歩んでいく。

そして、先生が掲示板に紙を張り出していくのを退屈そうにみていた。


紙が張り出されると周りの生徒達がざわめきだす。笑みを零す者や落ち込んでいる者のと。ここで勝者と敗者がくっきりわかりてしまう。

蓮の受験番号は「A2014」

蓮は一発でその番号を見つけ出すことができた。しかし、蓮は喜びもせず当たり前かのようにその掲示板の前から離れていく。


???「おーい!蓮!」

学校を後にしようとし校門を出ようとした時聞き覚えのある声が聞こえた。振り返らずにもわかる。その声は同じ中学で唯一の友達と言っていい武井和人である。


蓮「和人か、あまり大きな声を出すな。」


和人があまりにも大きな声で自分の事を呼んだ為、少し恥ずかしくなり振り向く。とっさに相手の方へと近づいていき「だまれ…。」と言いながら相手のほっぺたをつねった。


和人「痛い痛い!悪かった俺が悪かったから許してぇ...」

相手にほっぺたを常られると思った以上に痛くて少し涙目になってしまう和人。しかし蓮は容赦なく和人の頬をひっぱり続けた。


蓮『はぁ、まったく…今日ぐらい静かにできないのかお前は。』


蓮は掴んでいた和人の頬を手放し、やれやれといった表情でため息をもらした。


和人『そんなこと言うなよー。合格発表だぞ!これから通う学校の、これから出会う女の子達の顔を拝見する絶好の日なんだぞ!テンション下げられるかってのー。』


蓮『さいで…。』


和人は周りをいやらしい目でキョロキョロと見回している。蓮は呆れて歩みを進めた。


和人『ふむふむ、なかなかにレベルの高いことで…。ところで蓮、お前はどの子がタイプなんd…って、黙って先に行くなっての!!』


蓮が先に進んでるのを知らずに取り残された和人、慌てて蓮のあとを追っていった。


和人「はぁ...はぁ...おいてくなんてひどいぞ!!寂しいだろ!?」

置いてきた和人が猛ダッシュで追いついてきた。そんな彼の表情は、今にも泣き出しそうな子犬のようにだらしない表情であった。


蓮「別に置いてった覚えはない。お前のことだ、女子の顔を拝見するのは余程大切なんだろ?邪魔をするのは悪いと思って先に帰っただけだ。」


今にも泣き出しそうな和人の肩に手を置きながら、蓮は真顔で言った。


和人「そんなこと言うなよ!!そりゃ女の子も好きだけど...でも...蓮の事も好きだーー!」


蓮「それ完全にゲイ発言。ちょっと...いや、かなり引いた。和人といるのやめようかな...」


和人「え....そんな....。ゲイじゃないから一緒にいてくれよ....。蓮がいないとつまんないんだよ〜」


蓮の言葉に和人の表情がまた泣き出しそうな子犬の顔になりさっきよりも落ち込んで肩を落としている。

それを蓮は無視して先に歩いていってしまう。


蓮「ふぅ...本当単純な奴...でもそこが和人のいいところなのかもな。」


一人で和人に対する純粋な気持ちを思いながら歩いて自分の口角が上がっていることに気づいていなかった。


和人「なーににやけてんだよ?」


和人が蓮に追いついて声をかけようと顔を除きこんだがその表情がにやけていたため「こいつ...女の子の事考えてるな」と勘違いしていた。


蓮「にやけてないけど?」


和人「いーや!完全ににやけてたよ!」


にやけてないと言い切る蓮の顔に手を当ててそのままむにーっと頬をつまんだ。


蓮「......」


和人に頬をつままれると少しイラっとして和人のみぞおちにパンチをいれた。


和人「...っん!!...そこまでしなくても...」


蓮のパンチは思ったより強く腹を抱え痛さに耐えていて。


蓮「今のはお前が悪い。」

痛がる和人に対して少し冷たく言った。


和人「あのな蓮...COOLなとこ強すぎると高校生になっても彼女できないぞ?もっと素直になれよ!」


蓮に殴られた腹を両手で抑え痛さに耐えながら言った。


蓮 「彼女なんて出来なくていいよ...興味ないし。」


誰にも聞こえるわけでもなく、一言そう呟くのであった。


ーーーーー

読んでいただきありがとうございます!

次の話も是非読んでください!


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