表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

悪魔の目覚め

   視点 ヴラド 所属 毛利家

   地域 鳥籠城客間


 私が、一度眠りにつき空腹に耐えかねて起きた

 部屋の障子は完全に締め切られているのだが、部屋の温度は比較的涼しい

 アマテラスの言っていた通り、あとは戦いの中で感じた暑さが本当なら夏のはず、だが、部屋は完全に締め切られているのに涼しい

 部屋を見回すと、部屋の畳の上にいくつかの札が張り付けられている。

 淡い水色で光を放つ札

 その札を見た時に得られた知識のよると、これがこの部屋の温度を保っている魔術の核のようだ

 障子やふすまにも札があるのだが、その札は温度を保っている札と模様も光の感じが全く違う

 無色透明な光を放つ札

 それも知識によると、その札によって囲まれた地点の魔力の流れをその範囲に固定化することができる。

 空間維持と呼ばれる魔術のようだ

 ついでに言えば、札の放っている色に特に意味はないらしい。色によるイメージをしやすくするため色が加えられている

 周りを見渡すがやはり誰もいない

 いや、見渡す必要はないだろう

 周りにある魔力が感覚的に分かる。部屋に張り付けてある札の一つ一つ、微かであるが寝る前にいたシャムやクロの魔力の形跡が、それよりもかなり新しいシャムの濃い魔力

 あのけがを負う前の戦いのときよりも体が軽いし、魔力を感じ取ることができる。

 アマテラスの言っていた、最初のうちは戦うなというのはそういう意味なのだろう。

 新しい魔力の形跡の場所には、起きる時間が分かっているかのように鍋に入った熱々の卵粥

     食事中………

 おいしかった、空腹だったのですぐに完食してしまった

 さて、これからどうするか

 障子からすけた外からはオレンジ色の少しの光

 こういった時間をどう表現するべきなのかわからないがなんだかんだ寝ていったら、日が暮れつつあるようだ。 

 再び、眠る気にはならないし、この部屋には時間をつぶせるものはないし、少し外に出てみようかしら

    考え中………

 私の中で、今ある知識を何度思い出しても、何度考えてもアマテラスにもらった新たな知識を思い出すことはできない。

 さらに、今まで手にいれた知識のみでは、思い出したであろう知識も完全に理解することはできないようね。

 アマテラスのいっていたとおり、人から知識へのきっかけを手に入れなければならないのだろう

 もし外に出ればもっと多くのことを知り、理解することができるのかしら

 実際、そんなことを考えているうちに障子を開けて外に出ていた。

 好奇心には勝てなかった

 さて。どっちにいこうかしら

    右  左

 右にしよう。

 アマテラスの入れたであろう知識によると、人は迷ったり未知の道を選ぶ時には無意識に左を選択するケースが多いらしいという、たぶん漫画の知識であろうものが出てきた

 こんな知識どこで利用すればいいのかしら

 まあ、どっちを選んでもそれほど違いがあるとは思えないからいいのだけど

 歩いたのはほんの少し、角を曲がると同じデザインの服装をした男二人と女一人

 私のほうを向き男二人が魔術を撃つための札を持ち、女のほうは魔力によってだろうか倒れている

 男の一方はしっかりと私を見据えている戦いの経験があるのだろう、片方は怯えて私から目線を離し、隣の男のほうに目線を向けている

 私の魔力を感じ取ったのだろう

 距離は五メートル

「あの…」

 誤解を解くために話しかけようと思ったのだが、魔術が飛んできたので話をやめる

 放たれた魔術は体に傷を与えることはなく消える

「こんな化け物は、どっからはいってきたんだ」

 ぼやくように、男はつぶやく

 心外だな、攻撃するつもりなんてまったくないのだが

「先輩、どうしましょうか。」

 怯えている男はすがるように、先輩と呼んでいる男に目線をやる

「大丈夫とはいえないがここは城内だ、守備兵がくるまでなら何とか…」

 男はそこで言葉を止める

 私の話を聞いてくれないかしら

 こんな容姿だから、警戒されることはないし、話せばわかると思っていたがそんなことはないようだ。

 強すぎる魔力が原因だろう

話し合う暇さえなく、ここまで警戒されるのは悲しい

 どう説得すべきか、その言葉を考えている間にも男二人は話を続ける

「戦えば命の保証はない、お前はその子を連れて逃げてもいいんだ。」

 先輩と呼ばれた男の言葉

 もう一方の男は倒れている女に顔を向け、意を決したように

「…お、俺だって、戦えるんです。それに告白するまでは死ねません。」

 多少怯えているようだが力強い声

 先輩と呼ばれている男

「そうだな、俺だって死ねない。家に帰ったら家族が待っているんだから」

 なんだ、この状況は

 ある知識によると死亡フラグというやつだろうか

「あのさ…」

「何しているんですか?」

私の言葉に重なり合うように声がかぶって、私の声を掻き消す。

私の後ろから、魔力の感じ、声の感じはシャムのものだろう

「シャム様、気をつけてください。」

 先輩と呼ばれた男

「あなたたちは、その物騒な札をしまいなさい。」

「ですが。」

「この方は、毛利家に保護された妖怪憑きです。この魔力を恐れるのはわかるが、この方に戦いの意思はありません。」

 二人は沈黙すると少しして、しぶしぶと手に持っている札をしまう。

 まだ目線には疑いこそあるようだが戦う意図はないようだ

「すいません。ですが、あなたの持つ魔力は多くのものに恐怖心を与えてしまう。あまり勝手な行動をされては困ります。」

 謝罪があるがその言葉のほとんどが私への批判

 私の魔力は、何の魔力も持たないものにとって近くにいるだけで恐怖を与えるのだろう。

 倒れている女がよい例だ。

「すまない。」

 短めの謝罪をし、頭を下げる

「部屋に戻って話をしましょう。お前たち、その子を医務室へ連れて行って上げなさい。このことは後で報告しておくから、あなたたちはもとの仕事に戻りなさい。」

 その言葉通り男は女を抱き、そのまま私のいた部屋と逆方向へと歩いていく。

 私がその後ろ姿を見ていると、シャムは私の部屋のほうへと歩き出している。

 ほんの少し、私が50歩も歩いていないはずなのだが、シャムは私を見つけた。

 見張りでもしていたのだろうか?

 そんなことを考えているうちに、元いた部屋に戻ってくる

「ありがとう」

 シャムは部屋の障子を開け私を先に入れる。

 シャムは私の後に入ると障子にいくつかの札を貼り付けていく

「あなた、私を見張っていたの?」

ここまでの疑問

「そんなことはしていませんよ。外に出て気づかれるのが早過ぎるということですか?」

「ええ」

 シャムは障子に札を貼り付ける作業を終わり、私のほうを向き質問に答えていく

「あなたの魔力が異質であることにあなたは気づいていない。あなたにとっては当たり前のことかもしれませんが、さっきおこった反応こそが普通の凡人の起こす反応です。そしてそれほど異質なものが動き出せば気づきますよ。あなたは魔力の制御ができないのですか」

 そのせいで、城の中は大騒ぎですよ。

 最後の言葉はかなり小さな声、聞こえないつもりでいったようだがしっかりと聞きとる

 妖怪憑きの影響だろうか

 魔力の制御ができれば異質な魔力による恐怖を与えることがなくなるようだが、今の私にはできないようだ

「魔力の制御はできないのよね。でも、そんな存在を見張りもつけずに放置しておくなんて、私はそんなに信頼されているのかしら?」

 いくらなんでもそれはないだろうが

「少なくとも二日三日はおきないか、おきたとしても食事を取る程度だと思っていたので、それに今のあなたを見る限り見張りなんて何の意味も果たしませんから、ねー」

 こちらに同意を求められているようだが

「ねーじゃないと思うのだけど」

 なんというか、警戒とか言うものはないのか

 楽観的すぎないか

「もしあなたたちを殺そうとしたらどうするの。」

「……やめてください。脅しだと信じていますが、怖いです……もしかして本当に」

 怯えて、一瞬で顔を青ざめる

 かわいい…じゃない

「ごめんね。まったくそんな気持ちない微塵もないのよ。大丈夫よ。」

 なんだかんだ、言葉を尽くして説得し、やっと元に戻すことができた。

 多少、怯える顔に感じるものはあるが、めんどくさいのでこの辺は触れないで置いたほうがいいわね

「それにしても、私の考えていた以上の回復力ですね。」

 立ち直ったシャムの言葉

 そんなことを言われてもよくわからないのだが

 英霊に関していえばいわないほうがいいらしい

 その辺もアマテラスの知識から

 英霊に関しては、私が特別なだけで、英霊という存在は一般的に知識がないらしい

 ほかの英霊も私のようにアマテラスという存在も知らず、アマテラスから知識を手にし、前世の力を持っていると言うことは知らないため、英霊はすごい力を持った武人もしくは、妖怪憑きという扱いになるらしい

 妖怪憑きと見られるのは基本的によくないがこの国ならば大丈夫だろう

「吸血鬼と呼ばれる、高い不死属性を持った妖怪らしいのだけど。」

 アマテラスの知識に詳しい説明によると、血に深い関係を持ち、太陽に弱いという特性もあるようだが、本当にそうなのかよくわからない

「吸血鬼ですか、初めて聞く名前ですね。」

 シャムは少し考えているようだが、知識はないらしい

「毛利家には、この日ノ本に存在するほぼすべての妖怪憑きの知識があるのですが、残念ながら、ですが、知識がないのなら南蛮などの妖怪だろうと思います。」

 たぶん、そうだろう

 西洋とか言ってたし

 シャムはまだ考えているようだが

「それで、部屋を出てはいけないのなら、私は何をして時間をつぶせばいいのかしら?」

「寝る気は…ありませんよね。」

 少し私を見たが

「ええ、まったくないわ。」

「そうですよね。本でも持ってこさせましょうか?」

「どんな本があるのかしら」

「ある程度どんな本でもありますよ。」

 この世界の知識を手に入れるのなら一番手っ取り早いだろう

「これまでの戦闘の記録とかあるかしら」

「ええ、ありますよ」

「それじゃあ、それを頼めるかしら」

「はい、かなりの量になりますがよろしいでしょうか」

「ああ」

 そのまま、シャムは部屋を出て行く

どれくらいの量があるのだろうか

    少々お待ちください……

 戻ってきたシャムの手には何も持っていない

「お待たせしました。」

 だが、シャムが魔力で作られた鍵のようなものを手に握り締め、手の平をたたみに押し付けると大量の書物が現れる

「どうぞ」

「すごいわね、これがあなたの魔道具なのかしら」

 私がシャムのほうへ近づく 

 ビクッとなったが、やはり怖いのだろうか

 かわいいからいいか

「ええっと、あの…あ…」

「落ち着きなさい。」

「すいません、ええっと、この魔道具は私の手の平に鍵つきの異空間を作ることができるというものなのです。」

 その空間の中にこの大量の書物を入れていたのか

「名前は秘密基地といいます。」

「みんな作った魔道具には名前をつけるのね。」

 使うときに叫んだりするのだろうか

「一応、わかりやすくするために隆元様につけていただいた名前なのです。」

 名前の付け方それでいいのか、だが、少しうれしそう

「うれしそうね。」

 自立とはいえ隆元への忠実心くらいは植えつけられているのだろう

「そうですか?」

「ええ、隆元はそんなに大切なのね」

「生みの親への愛みたいなものでしょうね。ですが、クロほどではないと思いますよ。」

「そうかしら?」

 前の表情やらを見たら明らかにシャムのほうが隆元への忠実なように見えたが

「ええ、あなたの聞いていた隆元様への評価ですが、今現在の評価は少し難しいところなのですよ。隆元様は内政においてかなりの実績を持っていますが、乱世において一番大切な、戦闘は負けがほとんどであり、政治や外交なんかはあまりやっていないのですよね。」

「やってないってそれが普通なのかしら?」

「前の当主である。毛利元就様はきわめて優秀な方であり、何でもできたので、そのへんは元就様任せだったのですよね。」

 なるほど、そんな中で優秀と評価したのは少しおかしいということなのだろう

「そんな状態でいまだに当主としていまだ権力を持っているのか不思議なものね?」

「でも、内政に関してはそれなりに優秀ですし、妙な幻想さえ抱いていなければそれなりの方だと思いますよ。たぶん」

 シャムの必死のフォロー

 それだけなのだろうか

「まあ、あってみればわかることよね。」

 聞いておいてあれだが、他人の評価よりも自分の目で見たほうがいいだろう

「持ってきた資料に関してですが」

 シャムがそういうと持ってきた紙の束を広げると光が灯り山や川のような地形が表示され、川を挟んで赤い点の塊と青い点の塊が対峙しているように表示される。

「これが戦闘の記録かしら」

 表示されている青い点に指を近づけると勢力名や兵の種類、所属などが表示される。

「はい、信賞必罰は人を使う上での基本ですので、わが国ではかなり細かく記録しています」

「へー」

 適当につついていくと赤と青の点が動き出し、ぶつかり両方が数を減らしていく

「あとは、これは中級指揮官用の戦術、戦略に関する教科書です」

 というと、また、手から本が現れ渡してくる。

「ありがと」

「後、こっちの書物に関してですが、貴重な書類も混じっていますので大切に扱ってください。」

「ええ」

「それと明日ですが、あなたの持っている魔力を押さえ込む術式を貼り付けますので、外に出られるのはできれば明日にしてください。魔力を抑えるのがいやであれば断っていただいてもかまいませんが、どうしますか?」

 魔力を押さえ込む術式とは、魔力封印と呼ばれる強制的に魔力の吸収と放出を抑える術式であり、捕虜などの拘束などに使われる。

 ごくまれに幼くして異常な魔力を持ってしまったときにそれを体に施し危険を抑えるということにもよく使われているらしい。

「中でずっとのんびりするのは、体がなまってしまうから頼めるかしら。」

 できるのであれば魔力を制御ができるようにしたいが、どうすればいいのだろうか

「そうですか、わかりました準備しておきます。残っている仕事がありますので、必要ならこの札をはがしていただければ私が着ますので。」

 そういうと障子に貼り付けられたひとつだけほかと違う赤い札に指を刺す。

「わかった」

 と短く返事をし、山積みにされた本に手をつけていく

「それでは」

 そういうとシャムは部屋を後にする

 さて、どれから読んでいきましょうかね

    読書中…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ