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語られぬ物語。

目を瞑れば我々は人類であった。


海は水溜りになり、干上がった大地は不規則な亀裂を作り草木は枯れ果てていた。

それらの原因は星の寿命ではなく自然の大災害でもなく、人類、いや己が一番だと争う知的生物であった。

今はもう知る世代はいないほどの昔、種としての進化を得るために星に根を張る四つの大国が自身の持つ文明を惜しまなく戦いに消費し、その身が朽ちてもなお争いを続けた。


一心に「それ」を得るために。


だが民は違った。

その日を生きるのさえ必死な民草は終わりの見えない戦いに、勝利などに興味はなかった。

あるのは空腹と愛すべき家族のみ。彼らは弱者故に手を取り生き続けた。


一心に「平和」を願うために。


、、願うだけでいいのか、平和を願うのは弱者故の考えなのではないのか。

己が持つ信念を希望を達成すべき目標を知らぬ他人に任せてもいいのか。

真に強者は得るために己の手を使う、他者に委ねず己の力で。

ならば進まなければ、生きることに囚われず勝利せねば。


有象無象に生きる弱者の中でただ一人上を見上げ立ち上がったものがいた。

彼はただの少年であった、無謀な勝利を求め立ち上がった少年は勝利を諦め生存というなの引き分けに固執したもの達から足並みを揃えろと言われ。

勝てるわけがないと断言され。

身の丈に合わないことなど望むなと言われた。

しかし、関係ない。己の信念は「平和」という勝利にこそある。その願いに他者の干渉など無い。


彼は底なしの沼を抜け出し、勝利へと手を伸ばした。

その行動は諦めていた弱者に希望を与えるほどに、勇敢で英雄たる輝きであった。


「それ」に囚われていた強者は、死角からの弱者の一刺しやられていき。

無謀と言われた「平和」を手に入れた。

程なくして、誰もが平等で万人が平和と言える世界ができた。



しかし彼は知っていた。かの大戦は弱者が起こしたものだと。

だからこそ弱者によって終わらすと。


--帝国英雄譚より



注:一部規制有り


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