プレゼントと嫉妬心
鷹阪 茜 (タカサカ アカネ)
+27歳。
+執行人elf-11-。
+鮮やかなピンクの巻き髪を2つに結んでいる女性。
+バラの香りのコロンを付けている。
+執行具は傘の形のレイピアである。
+愛猫の名前はヴィルゴ。
+好きな物:バラ、猫
+嫌いな物:稲荷杏、雨
「ん………んん、」
夕日の赤いライトがマリアの部屋を照らしている頃、マリアは目を覚ました。
「マリア、お目覚めですか?」
「せ、な………?」
マリアは寝ぼけているのか、瀬奈と思われる声の主を探す。
マリアは手を使い、存在を探し、相手の手を手繰り寄せる。
体温を感じた瞬間、マリアの眠気は一気に覚める。
「瀬奈!私、自分で急かしたのよね、なのに寝てしまって……ごめんなさい」
「ううん。気にしないで。
私達が君を振り回したせいで疲れさせてしまっていたんだ。
休息を取る事の方が大事だよ。」
「瀬奈………」
瀬奈は悲しそうに俯いたマリアの手にそっと口づけると、
ベッドから立ち上がり沢山の紙袋をマリアに手渡した。
「これ………何?」
「君のお家や、そこにある思い出達を無くしてしまったお詫び、としては
本当に些細な物ばかりなんだけれど、受け取って欲しいんです。」
マリアは1つ1つ紙袋を開けて中身を確認する。
「可愛いワンピースに、こっちはシルバーの髪飾り……」
どれもマリアがそれまで使っていた物よりも高価な物ばかりだった。
「こんな高い物、買ってくれたの?」
「値段なんて気にしないで下さい。
これらは全部、私の気持ちです。素直に受け取ってくれますか?」
瀬奈はベッドに腰を落とし、マリアのすぐ傍に寄る。
「ありがとう、瀬奈。」
マリアは気持ちを受け止めて、笑顔を返して見せた。
「そういえば、」
「??」
「さっき私の部屋に来たあの関西人、瀬奈と関係があるの?」
「今私の気持ちを渡したばかりなのに、すぐに他の男の話をするんですか?」
「あんたには説明する責任があると思わない?」
「………」
どうしても話したくないのか、口を尖らせて黙り込む瀬奈。
「あーあ、瀬奈が教えてくれないなら、彼と食事に行って直接聞こうかしら。」
窓の外を見ながら冗談ぽく意地悪を言ってみる。
するとマリアの手を握っていた瀬奈の手にとてつもない力が宿る。
一言も発してはいないが、明らかに怒りを露わにしている様子だった。
マリアはそんな瀬奈の様子に怯むことなく、言葉を続ける。
「そんなに私とあの男が会うのが嫌なら、教えてちょうだい。」
「う……分かりました。
でも絶対、あの人と会わないで下さい。」
「分かってる。」
「彼は稲荷杏。彼も私達と同じく執行人です。
彼が挑発で鳴らした拳銃は彼の執行具です。
本来、貴方は稲荷杏が執行する予定のオプファーでした。
ですが私が彼から資料を盗み執行、したと思っているので
怒ってこの屋敷に来てしまったのです。」
(てことは、私は本来拳銃で即死だった、て訳ね。)
「彼は女性にだらしない面があるので、女性を見ると誰彼構わずああ言った事を言うのです。」
「なるほど。」
「これで、よろしいですか。」
「もう1つだけ、聞いてもいい?」
「はい」
「執行人って確か12人よね、貴方達双子と、あの関西人で3人。
残りの9人も、あの関西人みたいに突然この屋敷に来るかもしれないの?」
「それは無いと思います。
彼以外は基本的な常識は備わっているので、貴方の存在を知って会いに来るとしても
きちんと屋敷のチャイムは鳴らすでしょうし、玄関から入ってくるはずですよ。」
「そう、ならちょっと安心かも。」
「他の執行人にも、会ってみたいですか?」
マリアは少し考える。
「うーん、気にはなるけど、瀬奈、絶対嫌がるでしょ。
それに私が元はオプファーってバレちゃうのもまずい気がするし、」
「ふっ………そうですか。」
「今、絶対安心したでしょ。」
コンコン
2人が話しているとドアがノックされる。
「マリアさん、瀬奈様。夕食の支度が整いました。」
叶色が夕食の知らせを伝えに来た。
「行きましょうか、マリア。」
「うん」
2人はダイニングルームに向かい、弥士、叶色と共に食事を取った。




