表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/24

銃声と瞳

執行に行った雪兄弟を屋敷で読書をしながら待っていると、


息を切らせながら弥士が屋敷へと戻ってきた。


「弥士、お帰りなさい。」


「マリアっ………!!」


「瀬奈は?」


マリアは弥士の後ろをキョロキョロと見渡す。


一緒に執行に行ったはずだから、同じタイミングで帰ってくるはずだ。


「瀬奈は一緒に帰ってないの?」


「マリア、どこかに隠れて。」


弥士はマリアの質問に答える事無く彼女を別の場所に移そうとする。


「弥士、私の質問に答えてよ!」


「先に隠れて、危ないから!!」


弥士の怒鳴り声が響く。


その声に圧倒され、マリアは弥士に連れられ自身の部屋へと向かう。


「ねぇ、弥士。何があったの?」


「別の執行人が、君の事を探ってる。


 しかもそいつは、執行人の中でも1番惨い奴だ。今は兄さんが何とか対応してくれてる。


 でも万が一、兄さんと何かあって奴がこの屋敷に来たら君は確実に殺される。」


「そんな……瀬奈だって危ないじゃない!!」


「これは兄さんの指示なんだマリア、お願い、大人しくして。ボクの言う事を聞いて。」


弥士の手が少し震えている。


その様子だけで、今瀬奈と対峙している執行人がどれだけ恐ろしい奴なのかを理解出来た。


「弥士……」


バンッ


突然大きな銃声が響き渡った。


すぐに叶色がマリアの無事を確認しに来た。


「マリアさん、弥士様、大丈夫ですかっ!?」


「私達は大丈夫、今の銃声………もしかして、」


マリアは怖くなった。


瀬奈が撃たれたのではないか。


マリアは最悪の事態の想定しか出来なかった。


マリアは自分の体に回っていた弥士の腕を振り払った。


「あっ、マリア!!!」


後を追おうとする弥士の腕を咄嗟に叶色が掴む。


「弥士様っ、」


「離してよ叶色さんっ………!」


「貴方はここに居て下さい、」


「何で、マリアが危ないよ!」


「あれは、瀬奈様の銃の音です。」


「えっ………?」


















マリアは全速力で屋敷を駆け、飛び出す。


瀬奈らしき後姿が見えてホッと胸を撫で下ろした瞬間、目の前に広がっている光景に恐怖した。


「せ、な?」


小さい声で呟いたその名前が、目の前に居る人物を動かす。


普段の瀬奈とは表情も瞳の色も全てが違っていた。


(目の前に居るのは………誰?)


瀬奈の足元に倒れている人の、白く美しいスーツはみるみるうちに深紅に染まっていく。


そして、瀬奈の手に握られている拳銃が目に入った時、マリアの足から力が抜けた。


マリアはその場に腰を落とした。


「せ、な、」


目の前に居る瀬奈は、足元に横たわる金髪の男を蹴って退かし、こちらへと1歩1歩近付いてくる。


瀬奈の履いている靴の音が響く度に、マリアには恐怖心が募っていった。


「い、やっ………こないで………」


いつもと違う瀬奈の鋭い視線は1秒たりともマリアを掴んで離さなかった。


力の入らない腰を何とか引きずり、瀬奈との距離を取ろうとする。


だが瀬奈はお構いなしにマリアとの距離を詰める。


(殺される、私も、この人みたいに………)


瀬奈の姿を見ている事さえも怖くなって、ギュッと目を閉じる。


その時、地面に何かが落ちる音がした。


薄く目を開けてみると、落ちていたのは先程まで瀬奈が手にしていた銃だった。


ゆっくりと目を開けると、瀬奈と瀬奈に撃たれたと思われる金髪の男の姿は消えていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ