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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

~人生はフリーレン~

作者: ヒロモト


やぁ。私は元フリーターの連。

フリーレンと呼んでくれ。

エルフの名前には不思議な力があるんだ。

名前を与えると死にかけた人間でも生き返る。


「あーうー」


「手足が短いのにどうして移動しようとするのだろう?」


ハイハイのフリーレン。


「おはようございます」


「南国ではどうしてハイサイと言うのだろう?」


ハイサイのフリーレン。


「紹介します。僕の恋人です」


「こ……こんにちわ」


「16で付き合った女と結婚まで行くわけないのにどうして付き合うのだろう?」


交際のフリーレン。


「行ってきます」


「……あなた。どうか生きて帰ってきて」


「守るほどの価値も無い国のためにどうして戦うのだろう?」


出兵のフリーレン。


「ただいま。二人共」


「あなた。3人よ」


「えっ!?まさか!?」


「勝てるハズもない魔族にどうして君は勝てたのだろう?」


再会のフリーレン。


「おぉ!見てくれ!坊やが!ハイハイを!」


「あーうー」


「手足が短いのに……おや?前もこんな事が?」


再ハイハイのフリーレン。


「お父さんは元勇者なのですから働かなくてよいのです。座っていてください」


「息子よ。生意気を言うようになったなぁ」


「そう言いつつ君はどうして嬉しそうなんだろう?」


定年のフリーレン。


「……とうとう妻の所へ行くときが来たようです。81。こんなものですかな」


「……そうか」


「……息子は都で元気にしているでしょうか?」


「魔法を使うかい?」


「いえ。私がどうかしてました。忘れてください。それを知ってしまったらまだ生きたくなってしまう」


「生きればいい」


「寿命には抗えません」


「生きろ。元勇者だろ?」


「山に捨てられた赤子だった私に『自ら』の名前を下さり、育て、学校にまで行かせてくれてありがとうございます。おかげで妻に会えました。仕事のない時期や戦争はちと辛かったですが、いい人生だったなぁ」


「感謝の気持ちがあるなら生きろ」


「……あなたに親孝行したかったなぁ」


「親?私がかい?」


「変ですなぁ。老人の私が少女の見た目のあなたを親だと……ゲフッ!ゲフッ!」


「魔法を使うぞ」


「いくらあなたでも天命を変える魔法は使えないでしょう。これが人間です。これが人生なのです」


「あまりに短いじゃないか」


「だが濃かった。ありがとうございました。『頂いた名前』をお返しします」


「おい」


「……」


「おい」


「……」


「ふむ。死んだか」


「……」


「さようなら。フリーレン」







どうして私は泣いているのだろう?

人間の寿命は短いってわかっていたのに……なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう……


「君のいない世界をあと919年も生きろと言うのか馬鹿者」



葬送の……









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