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3話 あんまん

今日も話の楽しい彼女は来るだろうか。そんなことを考えて、用もないのに夕方になるとここへ来てしまう。


「わ、今日もいる」


「どうも。人を妖怪にみたいに言わないでください」


「よく毎日こんな緑地公園にくるね。お姉さんにそんなに会いたいの? それとも暇なの?」


「ほっといて下さい。それよりなんだかいい匂いがしますね。美味しそうな匂いです」


「肉まんだよ。食べる?」


「食べます食べます! お肉なんてここ一か月食べてません。是非ともお姉さまの寵愛に与りたく存じます」


「君も必死だね。肉まんをお肉にカウントするなんて。ちゃんとお肉食べなきゃダメだよ? ビタミンb12を取らなきゃ?」


「えー、お肉高いじゃないですか。卵や大豆には含まれてないんですか? ビタミンb12」


「無いね。お肉ぐらいにしか含まれてないと思うよ。しいて言うなら畑の土に含まれてる」


「…いざという時のために頭の片隅に置いておきます。あ、肉まんが冷めてしまいます」


「そうだ、忘れるところだったよ。もしかしたら君がいるかもと思って、あんまんと肉まんの二つを買ってきたんだけど、どっちがいい?」


「あんまんですとぉぉぉー!?」


「え!なになに? もしかして、あんまん大好きだった?」


「いえ、むしろ敵というか。肉まんしか食べたことがありません。あんまんはコンビニにあるただの飾りで、空想上の食べ物だと思っていました」


「あんまんを麒麟やペガサスと一緒にしないで! 美味しいんだから。食わず嫌いはダメだよ。一口食べてみて」


「や、やめてください。肉まんのまんと甘いあんこが合うわけがありません! お姉さんもご飯にあんこかけないでしょ! アンチあんまん派として断固拒否します」


「違う違う。普通に合うんだよ? 小麦とあんこなんだから、あんパンやお饅頭と一緒だって。それに、あったかいあんこがホントにおいしいの。だまされたと思って、ほら」


「あんこがあったかくてどうするんですか! あれは冷たいから口の中で程よい甘さに落ち着くのです」


「お汁粉とか美味しいじゃん。君食べたことないの?」


「あります。お汁粉は美味しいです…」


「素直でよろしい。そんな君には仕方ないから、肉まんをあげよう」


「やったー! ありがとうございます、お姉さん! モグモグ、最高ですね」


「あはは、そんなはち切れんばかりの笑顔で食べてくれたら、私も買ってきた甲斐があったよ。うん、

あんまんも美味しいよ」


「うわあ、本当に食べるんですね。しかし、僕はアンチあんまんマン! 無人島で死にかけてて目の前にあんまんがあったとしても決して口にしません!」


「絶対人生損してるよ。ほんとに一口だけでもかじってみない? 私の食べかけだけど」


「お姉さんの食べかけならいただきます」


「おいコラ」

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