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生臭坊主の無力化 6

 厳重に鍵がかかっていようが解錠すれば開くし、抽斗が二重底になっていようが最初から疑っていれば当然探る。


 生臭坊主が出て行った後、シェードを見張りに立たせて家捜し。

 二重底の仕掛けから見つけたのは、偉そうな封蝋付きの手紙の束。

 手紙の主は貴族とか富豪とかその辺なんだろうな。こいつらが顧客だ。


 過去の手紙を見ると、生臭坊主は元々、洗脳した騎士団の連中を使って討伐難易度の高い魔物の眼球を得てはコレクターに高値で売って金を貯め込んでいたようだ。

 けれど眼球コレクター達の要求は次第に上がっていく。


 曰く、魔物には無い理性を宿した澄んだ幼体の獣人や魔人の眼球を愛でたい。


 だったら生きた状態で愛でろよと思うが、眼球にしか興味が無いらしい。

 取り出した眼球に理性が宿ってるのか知らないけど、とにかく欲しいらしい。

 生臭坊主も、王さえ洗脳して怖いもの無し状態ではあったけど、最初はそこまで危ない橋を渡る気は無かったようだ。

 しかし、ここで生臭坊主的に大事件が起きる。

 王のロリコン優遇法の廃止だ。

 今まで好き勝手に食い散らかせた少年少女が堂々と食えなくなる。

 悶々と眠れぬ夜を過ごした末に、生臭坊主は閃いた。


 今まで以上の大金を稼いで、少年少女を貧しい家から買おう!


 手紙の束とは別の抽斗の二重底から出てきた、生臭坊主のロリショタハーレム計画書。

 僻地に屋敷を買って、少年少女を住ませて監禁。毎日食って洗脳して、育ってしまったら使用人にする。


 奴隷制度は無いけど、ワンブックでは人族の人身売買自体は違法ではない。

 家族にまとまった金が必要になり自分自身を売る者もいるし、売った金額を買い主に払えば自由になれる。

 買い主は、当然法を遵守して買った者を扱わなければならないから、度を越した折檻やネグレクト、性行為の強要を含む虐待は許されない。

 買ったとしても、婚姻適齢以前の子供に手を出したら一発アウト。

 だから、生臭坊主の夢のハーレムを作るのは、中途半端な財産じゃ無理。

 洗脳の能力も、目を合わせて声を聞かせる必要があったり一週間で効果が切れたりと万能じゃないし。

 莫大な財産が無ければハーレムを作っても維持できない。


 そして生臭坊主は顧客の要求に乗った。


 と言う事実が、鍵付き抽斗の中身を全部読んだら見えてきた。

 これで旧礼拝堂の地下から持ってきた書類も任務に活きる。


 ウエストポーチから紙とペンとインクを出して、生臭坊主の筆跡で、「獣人の幼体の眼球を売買した十分な証拠になる体裁の書類」を作成。

 作成したのは、長寿祝いに金色の眼球が欲しい何処ぞの貴族の分だけなんだけどね。

 それから、お金持ち御用達の上等な便箋と封筒を取り出して、水辺の別荘にネオンブルーの眼球を飾りたい富豪の名士の筆跡で、金色眼球が欲しい貴族宛にお手紙を書く。

 お手紙の内容は、「生臭坊主がこんなヤバい書類を作ってるよ。商品ゲットに失敗したから顧客を強請って金を要求する気だよ。神父の神通力を使って逃げようとするけど、眼球と舌が神通力の源だよ」という感じのことを、筆跡の主に似せた文体で作り上げた。

 作成した書類とお手紙を宛名を記した封筒にイン。

 封蝋は、一瞬だけ「本物の印章」をウエストポーチから拝借したから本物。

 差出人は、「同好の士、貴方の友より」としておいた。

 どっちも有名人だから封蝋で分かるんだけど、名前じゃなく「同好の士」と書いたのは、どうせなら一緒に醜聞や疑心暗鬼満載の泥舟に乗ればいいと思ったから。


 抽斗の中身を全て記憶の通りに元に戻し、シェードを呼ぶ。


「もう何も言わねぇ・・・」

「今すぐこの手紙を届けて」

「お前は?」

「気になることを調べに行く」


 シェードが深い溜め息をつき、手紙を受け取ると、私の頭をくしゃりと撫でた。


「俺が戻るまで無事でいろよ」

「・・・・・」

「心まで無にするんじゃねぇ。ったく、扱いづれぇ」


 無言の笑顔で手を振ると、シェードの姿が消えた。

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