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悪役令嬢だけど、善行してるよ?  作者: 肉まん太郎
第一章
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王子の思考 pt2

第二王子エリック

私が選んだ待ち合わせ場所はちょっと大きめの使われていない教室だった。


「えぇ~ミーラァどうしよぉ~」


「言ったろ!ミーラの方があの女よりいい女だって!」


「あれは、冷たくて面白みがない女ですよ。」


「魅力がないあの女と比べたらミーラの方が王子に釣り合うよ?」


なぜかいつも私のまわりをうろついているも4人もついてきていた。


そして、誰が連れてきたのかわからない野次馬たち。


こんな大ごとにしたくはなかったけど、仕方がない。





しばらくして、スカーレットが教室に入ってきた。


彼女は相変わらず優しい仮面をつけていた。


スカーレットが教室に入るや否や私は口を開いた。


「スカーレット!お前とは婚約破棄をする!私には心の底から愛する者ができたんだ!お前のような、偽りの愛ではなく!本当に愛するものをな!」


まさか自分の口から、こんな馬鹿らしい言葉が出てくるとは思わなかった。


スカーレットの顔を見てみると、さっきの笑顔から変わり。真顔になっていた。


彼女もちょっとは嫉妬してくれたのだろうか?


私のことをこれからもっと気にしてくれるのだろうか?




しかし、私の思いとは裏腹に彼女の口から出た言葉は私の予想もつかないものだった。


「ハァ疲れた...」


それに取り巻きの誰かが怒っていたがそれはいい。


彼女の目がいつもより冷たく感じた。


ゾクッ


寒気がした。


もしかして、私は...見捨てられるのか?


「婚約破棄とか勝手にしててください。用事はこれだけですか?」


彼女は冷たく言い放った。その声は、今まで聞いた中で最も冷たくて感情がない声だった。


私は恐ろしくなった。彼女に嫌われてしまったかもしれない。


いつも一緒に行動している四人も男爵の娘もなにか彼女に文句を言っていたがそれが頭に入ってこないほど、私は何も考えられなくなった。


「では、ごきげんよう」


そう言いスカーレットは軽くカーテシーをして部屋から去って行った。


スカーレットが部屋から出て行った。私は焦った、どうすればいいのか?どうすればスカーレットはもう一回振り向いてくれるのか?


「ス、スカーレット!いいのか!?本当にいいのか!?」


と馬鹿のように叫んでいた。


ドアが閉まる瞬間スカーレットの執事の顔が見えた。


彼はニヤリとしているように見えた。







それから、私はどうやって馬車に乗って王宮に帰ったか覚えていない。


学園から帰り父上に呼び出された。


「エリック、言いたいことはわかるか。」


「承知しております。」


「じゃあスカーレット嬢と婚約破棄とはどういうことだ。」


「...私が愚かだから起こったことです。彼女に振り向いてもらおうとして失敗したのです。」


父上は溜息をはいていた。


「他の方法もいっぱいあっただろう...なぜ、その方法で振り向いてもらえると思ったんだ。ハァ...公爵家から正式な婚約破棄の手紙が送られてきた。もう、避けることはできない。婚約破棄するしかない。」


公爵家からの正式な婚約破棄の手紙...話は公爵様に届いたんだな。もう、私がスカーレットの婚約者に戻ることは不可能なのだろうか?


「ですが父上!私はまだ!」


「私はどうすることもできない。自分で起こした問題だ。王族の権限を使わず自分で解決しなさい。スカーレット嬢は将来の王族の妻として花嫁修業をしていたんだ。それを、いきなり破棄されたんだ。彼女の気持ちも考えてあげなさい。」


「はい...わかりました。」


「わかったなら、下がってよい。後は自分で決めよ。」


「失礼いたします。父上。」


まるで、私がもう彼女の夫となるチャンスはないみたいじゃないか!


そうだ!公爵家に手紙を書こう!彼女と話をするチャンスをもらって、何をしようとしたか話そう!


正直に話せばスカーレットもわかってくれる!私たちはもう十年ぐらい婚約してるんだ!きっと元に戻れるさ!


愚かな私はそう信じ、その夜に公爵家に手紙を出したのだ。


毎日数通彼女に手紙を出し続けて数週間。


返事はたまにしか来ない。しかも、事務的で感情を読み取れない手紙だ。





ある日、いつものように色んな手紙を読み漁っていると公爵家からの手紙が届いていた。


また、当たり障りのない返事が来るのだろう。でも彼女から返事が来るのは嬉しい。


手紙の内容を読んでみると、なんとスカーレットは砂漠の国に向かっているという。


「どうして!どうして!」


スカーレット!なぜ、いないんだ!なぜ、そう遠くにいくんだ!もしかして、私が手紙を送ると知って、私がもう一回話したいと知って、逃げたのか!!


...お願いだ...戻ってきてくれ...お願いだ...スカーレット...


公爵家から届いた手紙を握りしめながら私の頬は涙で塗れていた。


もしかしたら、もうスカーレットに会えないかもしれないのか?...私は、どうすればいいのだ?


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