【冒頭のみ】霊子━りょうし━にたゆたう夢
ギャルゲー又は恋愛小説の足場になるかな~とか妄想して書き出したプロローグ。
結局そこまでしか書かずに終わった文章です。
なお、容姿の描写がほとんどありませんが、各自の妄想にお任せするスタイルです。
世界には霊子があふれている。
自然、生き物が存在する限り尽きないエネルギー。
その霊子を見付けた人物の名前は伏せられている。
学会でその存在が有る。と提唱された当時は『第2のエーテル理論』として笑われ、まともに相手にされなかったそうだ。
理由が『科学的な根拠がない。科学的ではない』からだそうだ。
だが数年後に存在の実証に成功。霊子と言う物が本当にあると、提唱した本人が存在を示してみせた事になる。
霊子はどう言ったものか?それは簡単に説明出来る。いわゆるオカルト方面の力だ。魔力妖力霊力と言った類いの、科学的ではない力の一種だ。
人間を含む動植物から放出されている力らしい。
そんな霊子が生活に使われるようになって二桁年突入した世界。
今は電気と霊子、両方が使われている。霊子技術の発展により、霊子が使われる幅が広がり、霊子による明るい未来が~なんて聞く事も増えてきた。
―――――
「忘れ物は無いか?」
玄関で心配そうに声をかけてきたのは父さん。仕事は定時上がりこそが至上と言ってはばからない、少しでも残業で帰りが遅くなると暗く沈む子煩悩。亡くなった母さんの代わりに、少しでも子供達を愛したいんだそうだ。
「大丈夫。昨日の内に確認してるから」
流石に、新しい学年に上がった直後に忘れ物は恥ずかしいからな。
「それより父さん、今はどんな霊子機器を研究してるんだ?」
そう、父さんは霊子技師。生活に役立つ道具を開発する部署の責任者をしている。
「今は音楽プレーヤーかな?保存媒体の選定で難航してる。媒体が変わると、再生装置の方も素材の相性で変えなきゃならなくなって、みんなで頭を抱えてるよ」
普通はそんな問題に直面すれば頭を抱えるだろうに、本人はメガネを光らせながらとても楽しそうにしている。それほど仕事が楽しいのだろう。
ちなみに父さんの所から発売された物の代表作は、幽霊撃退のツボ。昔あった霊感詐欺商法に対する痛烈な皮肉として、世間に良い笑顔を持って受け入れられたそうだ。
「無理はするなよ?」
開発の部署に居るのに、定時で帰ってくる。それはそういう意味だろう。仕事を楽しそうに語る父さんを見る度に、口から出てくる。
「――――お兄ちゃん達、のんびりしてると遅刻するよ~」
「おう、そうだな。それはマズいから行こうか」
ずっと隣で俺達を見ていたが、ジト目の妹に会話へ割り込んまれて急かされ、玄関をくぐる。
「父さん、行ってきます」「行ってきま~す」
「はい、いってらっしゃい。気を付けてね」
今日から始まる新学年。学年だけじゃない、何か新しいことが始まりそうな予感を胸に、外への一歩を今踏み出した。
資料集。覚えている限りをかき集めた。
霊子:たったひとりの研究者によって提唱、発見された物質。様々な物から放出され、尽きることはないと目される新エネルギー。まだまだ解明できていない特性が沢山あり、多くの研究者・研究所が完全解明を夢見ている。
霊子機器:科学とは全く違う技術・アプローチによって作られたもの。これの登場によりお化けやら幽霊やら妖怪やら、オカルトに属する者たちの存在が確認され、それらに霊子は有効だと結論付けられた。宗教やオカルチックな法則に則って製作すると、なぜか高スペックな物ができやすい。霊子技術は日々進歩中。
霊子車:りょうしぐるま。発展途上でまだまだ低速低出力。街乗りが限界。クリーンエネルギーで超高級品なので、現在は金持ちのステータス扱い。
幸運を呼ぶツボ:現在は幽霊撃退装置。ひどい言い方をすると、蚊取り線香程度の効果。悪霊の類いだけ撃退出来るよう、選別機能の実装を研究中。
霊子ふぉん:今はまだ店内の業務連絡用通信機みたいな程度の機能と能力、使用用途しかない。デメリットも多いが、充電要らずは地味に強い魅力。目指せスマホ。追い越せスマホ。ひらがなの“ふぉん”はわざとだぞ!
霊子裏話:霊子機器のスペックは、なぜか多神教や精霊信仰などの地域製の物の方が高い。霊子の濃度もそれに連動している。その影響で世界情勢が結構不安定で、ちょっとヤバい。
以下人物
主人公:名前は有ったはずだが、昔の事で忘れた。霊子技術の開発に関する学科の3年生。大学のとある研究室の準研究員と言う名のバイトをしている。
妹:この子の名前も忘れた。小さい頃にいじめられていて、助けてくれた兄に道ならぬ想いを抱く。同種の禁断の恋系創作物に触れることで、なんとか自制している。3歳下で、兄と同じ学校(学園の中等部高等部とかの部?)に通えない事がかなりの不満点。
父:歳三さん。亡き妻の代わりに~と家族愛が強く、家族の為にと仕事中は鬼と化す……って、これを書いた当時は“鬼の歳三”と言うあだ名なんて記憶に無くて、知ってビビった。適当に付けた名前だったのに。
夏と冬に蟻開と言う場所へ行く習慣がある。
教授:主人公のバイト先の責任者。実はこいつが霊子発見者。名より実をとる、とばかりの研究馬鹿。現在は霊子を使ったロボ?生き人形?の研究開発を目指している。提唱した際の反応と、実在を証明した時の他人がみせた手のひら返しの圧倒的キレイさに、人間不信となって今も引きずっている。
まあ信じられる研究仲間を何人も得た為に症状は軽くなってはいるが。
少女:教授の実験(事故に近い、再現度無し)で生まれてしまった、人間にしか見えない霊子生物。アルビノっぽい見た目で、メラニン色素だけでない何かが欠落した存在として表現……したかった。主人公はこの子との交流で心が成長し、青春物語へと……なっていけば良かったんだけどなぁ。一応メインヒロイン。
幼馴染の女子:居たような、居ないような……。覚えていないのです。
同学年女子ふたり:霊子機器の操作技術(オペレーター込み)方面の学科の生徒。名前に姫が付く共通点をきっかけに知り合い、意気投合。猫姫の方がまんま猫。賢姫の方が勉強出来る眼鏡っ子。
猫がトラブルメーカーで、賢がそれに振り回されて謝って回ってる。まとめて呼ぶ際は二姫と呼ばれ、それに相応しい美貌を持っている。
覚えているのはそんな位ですね、もっと色々書いた記憶は有るのですが……もう覚えていない。ギャルゲーの可能性を持たせていた為、女子率が非常に高い。
少女の最後はどうするかで悩んだ。霊子に戻って悲恋にするか、霊子に戻すのは他ルート時のみにするかとか。
悲恋なら、また造る為に主人公を研究に没頭させるオチかなぁ……とか。