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50世紀青年〜不死身が死ぬまで〜  作者: 過猶不及
第二部

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作戦会議

 時は遡り、半日前。日付が変わって1時間経った、試験当日の深夜である。場所は、試験会場となるピスケの街を囲む山の一角。黒々とした針葉樹林が高くそびえ、その隙間から月の光が差しこむ。生物が住みつきたがる豊かさはなかった。緑色が一才ないのである。ゴツゴツとした灰色の土が青白い光に照らされて、うすら寒く輝いていた。青白い光の中に、ひときわ青白い物が地面から生えていた。それも、1つや2つではない。10の青白い物体が地面からたしかに並んで生えているのである。白い目を剥いた、それは人の顔であった。生気の乏しいその口元からは、白い息がフワフワと現れては消えていった。


「おそらく、ターゲットたちはこういう陣形をとっているだろう」


 男は、冷えと蒸発で硬くなった地面に、木の枝を使ってカリカリと絵をえがいていく。数個の丸を、人1人がすっぽりとハマる程度の大きさの円をえがくように書き連ねた。


「生徒たちは、各数名ずつ円形に配置され…」


 今度は、丸によって形成された円の中央に丸を加えた。


「その中心に、教師陣がいる」


「外側にターゲットがいるのか。ちょうどいい、さっさと攫っちまおう」


 男が顔をあげるとアンチミュートと目が合った。首まで地面に埋められた男性の頭に肘を置きながら、あぐらをかいている。


「そうもいかない。教師と生徒の距離は、せいぜい100メートルくらいだ。異変気付けば、一瞬で詰められる。それに、もし外側から攻め、生徒をとり逃した場合、生徒は内側へ逃げことになる」


 男は、外側から生徒を表す丸に向かって矢印を書き足した。


「逃げた先には教師がいるっつーことかあ?」


「そうだ。教師と生徒が束になると、さすがに手がかかる。しかし……だからといって逆に生徒の内側に入り込み、生徒を攻めた場合」


 さきほど書いた矢印にバツをし、今度は内側から矢印を書く。


「異変に気付いた教師と、生徒たちに挟まれちまうか……ちょっと面倒だなあ」


 すると、腕組みをしながら立って木に寄りかかっていたロンユが、身体を起こして陣形が書かれた地面を覗きこむ。


「今回の任務……内側にいる教師と、外側にいる生徒との間を離すことが重要になりそうだね」


 男は、ロンユの顔を見ながら同意の意を込めて口角をあげた。そして、地面に目を落とすと、ゆっくりと腕を動かし、ふたたび矢印にバツを加えた。


「そうだ。……では趣向を変えて、つぎは教師を攻めてみる。攻めるといっても、フリだけだが。この時、生徒のとる行動は2つ考えられる。教師を助けるために中央へ向かうか、逃げるために外側へ向かうかだ。そして、その命令を下すのは他でもない教師たちだ」


「まあ普通に考えりゃあ、教師は生徒を逃そうとするよなあ?」


「敵の規模によるだろう。敵がヤバそうなら逃すだろうけど……やれそうな感じなら、援軍呼んで一気に叩こうとするんじゃないか?」


「教師に多く人を割くのは、それこそ任務達成に支障をきたすだろ。レオの野郎どもはどいつもこいつも魔導師だ。ヤバいと思わせるには相当人数注ぎこまないとダメだぞ」


 男の目の前で、仁王立ちしていたトリトルテが口をはさむ。男は顔をあげたついでに周囲を見渡した。するとアンチミュートがトリトルテを目を細くして眺めているのが映った。ロンユは眉を片方だけあげている。他の面々は、どうなるのかと静かに口を結んでいるようであった。


 時間も人も行ったり来たりと申し訳ないです。書きたい場面を書きたいときに書いてるから、こうなる。もっと先のこと考えないといけないですね。


PS. またぼちぼち題名短縮計画を進めようかと思ってます。

更にPS.題名変えました。『その少年、5000年かけて学校へゆく〜長生きしたいと願ったら不老不死に転生していたので〜』→『曰く、其の少年は5000年駆けて街へゆく』

 まだ長いですかね。でもこれでいこうかなと思っておりますよ。学校から街にしたのは語呂が良いかんじだったからです。うーん、題名って難しいですね。これでいこうと思っていたのですが、いざ変えるとなると後戻りできないかんじがドキドキしますね。

 有名な作品の題名ってどれもこれもいい響きですよねー、凄いですよねー、マネできないですねー。


 読んでいただき、ありがとうございました。

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