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50世紀青年〜不死身が死ぬまで〜  作者: 過猶不及
第二部

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65/76

5000年という年月は、少年にはあまりにも永かった

 太陽が西に傾き、陽が教室内に差しこむ。窓際の席も、このときばかりは不人気な席に成りさがる。どの学校も1日の終わりを迎える時間帯となった。ここ、ピスケ第三魔法学校も例にもれず放課後を迎えていた。


 つい今朝方、魔人族との戦闘を終え、睡眠時間もろくにとれないまま迎えた学校生活。ヤクは、案の定ほぼすべての授業を睡眠に費やし、彼の学習進度は昨日の彼とまったく変わらない状態である。


 最後の授業を乗りこえて、生徒たちは着席の呪縛から解きはなたれる。背伸びをする者もいれば、即刻カバンを持って立ちさる者もいる。他方で、ヤクはというと。コタロウの席に向かっている。マルコのほうを見ると、アマナツに絡んで苦い笑顔をされている。露骨にイヤな素振りを見せないところ、アマナツの性根のよさがうかがえる。


 コタロウは、教科書をカバンにしまっていた。背が高いせいで、脚が机からはみ出している。あいかわらず、目のクマもひどい。長い髪の毛を後頭部で結んでいるにもかかわらず、至るところから毛が跳ねている。勉学は良好なはずなのに、どうして髪を結ぶことは上手くならないのだろうかと、ヤクはいつも疑問であった。


「レイジは?」


 いつもなら1番に騒がしくする男の声が聞こえない。見渡すと、レイジの姿がどこにも見当たらなかった。


「補習」


「え、俺呼ばれてない。てことは、俺もついに補習組卒業か!」


 両手で勝利のガッツポーズ。レイジとの底辺争いも、ここらで決着だ。自分はやればできる男なのだと、しみじみ思う。


「ヤクはそれ以前の問題だから、呼ばれてないだけだろ」


 コタロウが立ちあがり、カバンを肩にかける。


「補習うんぬんよりも、お前は基礎がかなり危ういからな」


 背後から、マルコが話に入ってきた。どうやら、アマナツには逃げられたようだ。本来なら、顔面に紅葉をつくっていても不思議ではないしつこさだが、顔はいたって通常だ。むしろ、やりきった感まで滲みでている。話せてよかったね。


「来週からお前は、初中等の先生集めて個別で指導だってよ。よかったな」


「な、なんで!?」


 教室中にヤクの嘆きにも似た悲鳴が響きわたる。“個別で指導“しかも“初中等の先生を集めて“、補習よりも言葉に強さを感じる。


「補習じゃあ、補いきれないからだろ?」


 コタロウを見あげると、バカにしたようにニヤニヤしている。


「マルコがいるじゃんか!」


「俺には俺の勉強があんの」


 絶望の表情である。いや待てよ、まだ自分にはコタロウがいるではないか。ヤクはコンマ1秒で思念し、ふたたびコタロウを見あげる。


「俺を見るな。見捨てられてないだけよかったろ」


 ヤクの学習レベルは、初等部もびっくりのレベルで止まっている。はるか昔、この世界に来る前のころも、学校へは行けていなかった。しかし院内学級において、勉学を怠った記憶はない。そして、5000年も前の勉学内容を覚えているわけもない。授業を聞いても、「ああ、そういえばこういうのもあったな〜」とすら思わないほど覚えていなかった。


「俺の花の放課後が……」


 これも、5000年間勉強をしてこなかった自分への罰かと心の中で涙する。


「どうせ寝てるか身体動かすくらいしかしてないだろ。お前も社会に出るんなら、一般教養くらいは身につけとけよ」


「そういえば、魔人族についても、お前まったくだったよな」



 ご覧いただき、誠にありがとうございます。

 お気づきだろうか、、、3人組多い問題。私の技量では、3人が同時に動かせる限界という悲しい真実。文作のレベルが高ければ、5人くらい同時に動かしたいのですがやはり無理。よくて4人、しかし内ひとりは脇脇役。ホント難しいですね。

 

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