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50世紀青年〜不死身が死ぬまで〜  作者: 過猶不及
第二部

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49/76

かくかくしかじか

 コッペパン毒殺未遂事件から1分が経過していた。ヤクは制服へ着がえをはじめている。タイムリミットまで9分。教室までの移動距離を考えると、9分後に部屋を出たのでは間にあわない。教室へむかうには、1度寮棟を出なければならなかった。2人に残された時間はかなり少ない。


 ヤクのボタンを留める手の動きもいつもより素早い。しかし、結果的にふだんよりも倍の時間がかかってしまった。ボタンをかけ違えていたのだ。冷静さを欠いていたと反省する。


「ところでヤク。これは、いったいどういうわけだ?」


 そんな時間に追われている中で、コタロウは平然とした態度だ。コタロウは、ヤクの向こう側を指差していた。ヤクもそちらに顔をむけた。


 広がっていたのは、本来ならばありえない光景であった。そこにあるはずの壁がない、なんとも開放的な空間である。昨晩、ヤクが外から蹴りくずしたのだ。部屋には粉砕された破片が散らばっている。


 あせらなくてはダメは時間帯ではある。しかし、この惨劇を見てなにも言わないほうがおかしい。ヤク自身、内心いつ聞かれるかとソワソワしてしていた。


「あー、これは話すと長くなるってやつだが……聞くか?」


 ワイシャツのボタンを全て留めおえて、ズボンの着用に取りかかる。

 

「いやいい。まずは急ごう」


「だよな」


 顔を洗おうと、ヤクは洗面所にむかった。洗面所に取りつけられている三面鏡を見る。目もとのクマがひどい。今日も居眠り確定だとため息をついた。


 ヤクにはこのあと、歯磨きとボサボサの髪の毛をなんとかするという大仕事が待ちうけている。もう時間は7分をきっていた。


「帰ったらまず部屋の片づけだなあ」


「手伝わないからな」


 歯ブラシを口にくわえて左右に動かす。


「え〜」


「おいもうあと5分もないぞ。早くしろ」


「お前の毒がまだ口の中に残ってんだよ!」


 ボサボサの髪をどうにかする時間はもうなかった。急いで部屋を出たときには残り1分をきっていた。


             ✳︎

 

 太陽が最も高い位置に差しかかる時間から、少し経過していた。空気中の気温が最も高くなるとされる時間がやってきた。すなわち、お昼休みである。


 ピスケ第三魔法学園では、お昼は食堂で食べるのが基本的であった。食堂は寮に併設されており、寮棟の数だけ存在している。その中でも、ここは高等部2年生が使用する食堂である。


 生徒の中には、寮の自室で食べたり教室で食べたりする人もいる。しかしほとんど生徒は、食堂で食事とっている。値段も安く、栄養にかんしても考えられているので評判が良かった。


「で、あの壁はどうしたんだ?」


 コタロウとヤク、マルコとレイジの4人が並んで席についている。食べはじめた直後、開口一番にコタロウがヤクに問いかける。


「壁が、どうしたんだ?」


 コタロウの発言に疑問を抱いたマルコは、パスタをフォークで絡めとりながらコタロウに質問する。


「いやなあ? 朝、こいつを起こしに行ったら、部屋の壁がなくなってたんだよ」


 コタロウは持っていた箸でヤクをさした。


「壁かなくなるとか、意味わかんねぇって」


 コタロウの返答に納得のいかない様子のマルコ。難しい顔をしながら、手をとめて腕組みをする。その横で、黙々と食べ進めるレイジは、ハッとした表情を浮かべると、小さな口一杯に含んだ飯を一瞬で飲みこんだ。


「なるなるでいったらさあ! 朝、『ピスケ近くの高原一帯が丸ごと消し飛んだ』とか言ってたよな?」


 授業間に少しだけ設けられた休み時間。そこに舞いこんできたビッグニュース。ピスケの街から少し離れた場所に広がる高原地帯。そこが、一夜にして消しとんだのだという。原因は不明。しかし、現場からは高濃度の魔力が検出され、意図的な犯行であるとされているらしかった。


「正門の方角にある高原だろ?……そういえば、なくなってた壁も、たしか正門側だったよな? なんか関係あるのか?」


「それがさあ、俺もよく分かんないんだけどもお、実は……」


 ヤクは昨晩起きたことの転末を、打ち明けはじめた。


 かくかくしかじか超便利。何の捻りもなく、題名の通り。


ここまで見て頂き、誠にありがとうございます。感謝ぁ〜。


本当は続きはまた今度と思っていましたが、思っていたよりも書いてしまったので、あげました。

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