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曰く、其の少年は5000年駆けて街へゆく  作者: 過猶不及
第一部
42/78

まるで悪魔

「…戦いに、フェアもアンフェアもねぇんだからよぉ!!!」


右を向くと、男が笑っていました。面白くてと言うよりも、戦いが愉しくて愉しくてしょうがないという笑みでした。そして男は、その愉しさをしみじみと感じるように、搾り出すように言い放ちました。


「【魔改造・地獄の大鎌(ヘナ・カア)】っ…!」


言い終わると彼の手が紫色の魔力に包まれました。色が見える程高濃度な魔力です。それが、みるみるうちに大きな鎌へと形を変えていきます。


ガシッ


男が大鎌を掴みました。自分の倍はあろうかという大きな大きな鎌でした。禍々しいオーラを纏った鎌でした。ダイスケは、そんな彼の姿を見て悪魔だと思いまし…


ザンッ


コンマ数秒の出来事でした。思う暇も与えてくれませんでした。


同じくダイスケの隣に飛んでいたもうひとりの者に腹を切られてしまった様です。


左を向くと、女性でした。女性は短刀を両手に構えて“そこ“に居ました。よく見ると片方の短刀には、黒いモノが付います。少し遅れてダイスケは“それ“を自分の血だと分かりました。


「シールドは、してたのになぁ…」


ダイスケは油断していたのです。己の過信もあったのでしょう。いとも簡単に自分の防御が破られる事を失念していました。


「…なんてな。」


「!?」


スパーンッ


いち早く異変に気付いた男が手に持つ大鎌でダイスケの首を刈りました。すると、


ビキビキビキッ


音を立ててダイスケの身体にヒビが入っていきます。ヒビは、切られた首と腹から広がり、遂には全身を覆いました。そして、最後は静かに砕け散り跡形も無く消えてしまいました。


「なんだ!?」


「なに…!?」


「………。」



三者三様の反応でその一部始終を見届けました。


と、その時。


「こんな早く殺られるとは。」


空から声がしました。一斉に上を向くと、そこには、


「どういう事だよ。」


ダイスケの姿がありました。空から今まさに地に落ちようとしている所でした。三人は訳が分からず若干の混乱を見せています。


ズゥーーーーーンッッッ!!!!!


三人と少し離れた場所へ着地しました。その姿は、正しくダイスケそのものでした。傷ひとつない健康体のダイスケです。


先程までのダイスケは彼の作った分身だったのです。自在に姿を変えられる【防御魔法/シールド】で自分を作り、遠くで操っていたのでした。


「…またシールドの派生か…芸が細かいね。」


恐らく気が付いたのでしょう。リーダー格の者が不敵な笑みを浮かべました。その声には怒りが篭っているようでした。


「油断した。もう少し様子見る予定だったんだが…仕方ないか。」


ダイスケはこの状況に油断してはいませんでした。三人を殴り飛ばした後に分身と入れ替わって、少しでも情報を得ようとしていたのでした。


「…てか、お前らこそ“どういう事だ“よ! そのツノ!」


ダイスケは、そんな彼の姿を見て悪魔だと思いました。


しかし、


それはその表情と大鎌以上に…


彼等の頭に生える“二本のツノ“が原因でした。







分かりやすい

絵本

ですます調



脳死連想ゲーム…

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