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曰く、其の少年は5000年駆けて街へゆく  作者: 過猶不及
第一部
33/78

自分の為の闘い

(みんなが褒めてくれているんだ! もっと頑張らないと!)


「君は我が校の誇りだ!」


(約束の為にも!)


「魔導騎士団からもう誘いが来たって?」


「やっぱ私たちとは住む次元が違うわ。」


(努力は報われる!)


「天才だもんな。」


(努力は、報われる…?)


沢山の賞状やメダル、トロフィーが学校にも自室にも飾られている。


埋もれてしまいそうなほど沢山。


「私は、天才なんかじゃない…!」


心の中で泣いていた。


で? その友達に泣かされたのか?


「なっ!!!」


突然思い出した言葉で我に帰る。あのニワトリヤンキーことアルストの腹立たしい顔が浮かぶ。


お前のどこ集中なんてもんがあんだ?


「あ“???」


女の子らしからぬドスの効いた声が発せられ、前に居るダイスケは、その声の発生源を探している。まさか目の前の少女だとは思うまい。


(なにを感傷に浸っているんだ私は! そうだ、今は闘いに集中しなければ。またアイツに嗤われてしまう!)


それだけは阻止せねば。


もう一度、剣を握り直す。


(私は、灼熱の異名を持つ女。こんなところで負けてたまるものですか!)


「この灼熱のツバキの誇りにかけて、あなたを倒す!」


突然発せられた大声での宣戦布告に、辺りをキョロキョロと見渡していたダイスケはビクつく。


「お、おお。そうだよ。そうでないと面白くない!」


言い終わった直後、ツバキの脚が再度炎に包まれたかと思うと、急激な速度でダイスケに迫ってきた。一面に広がる白い霧が割れる。


「ふん!」


また炎に包まれた剣がダイスケに襲いかかる。咄嗟にダイスケはシールドで両腕を包み込んだ。


ギィィーーーン!!!!


ダイスケはそれを両腕を頭上でクロスさせて防ぐ。無傷なダイスケを余所に、けたたましい音が響く。


「やるな!」


「お世辞なら、やめてちょうだい!」


ギィィーーーン!!!!


再び響き渡る轟音。鋼鉄を叩く様な音に観客はどよめく。


(シールドが割れない!? 最初のは小手調べだったっていうの!?)


「ま、まだまだ!」


ツバキの声からは、焦りが伺える。しかし無理もない、目の前の敵に普通なら必死級の攻撃をさも当たり前の様に受け止められているのである。


ギィィーーーン!!!!


「な、なにが起きているぅ!?!?!? 白くて全く何も見えないぃ!!!」


実況も困惑気味である。土煙と蒸気の煙で何も見えない闘技場から、何かがぶつかり合う音だけが響いてくるのだから。


「物理も、魔法も、関係なく防ぐなら、もうなんだって同じよね!」


言うと、ツバキはダイスケと少し距離を取った。


「【炎魔法/太陽落とし】!!!」


ツバキの頭上に、闘技場を飲み込む勢いの巨大な火の玉が出現した。火の玉は、まわりに漂っていた蒸気の白い霧を巻き込み、渦を巻きながらグルグルと回転している。


「これが今の私の一番の魔法!」


「おお、森のライオンよりデケェ。」


「ななななななな、なんだぁ!!! あの火の玉はぁ!!!」


白い霧が晴れたかと思った途端の巨大火の玉である。驚かない方がおかしい。


(なんだろう。彼は一体…上から見下ろされているような。全てを試されているような感覚。)


ズズズズズズ……


火の玉がダイスケに、闘技場に向かって落ちてくる。


ピカッ


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ



眩い光が見えた直後、豪快な爆発音が聞こえ、火の玉が地面をえぐった。


シューーーー…


少し経ち、上がった土煙が風で流されふたりの姿が現れる。


立っていたのはツバキ、ただひとりであった。


ビィーーーーーーーーーー!!!!


「しょ、勝者ぁ!!! ツバキィ!!!!!!!!」


ダイスケは闘技場の壁にもたれかかった状態で倒れていた。













YouTuberさんに「チャンネル登録お願いします!」って言われると、したくなくなる私の心理…

かと言って、「するな!」って言われたら絶対にしない。つまり私は、


どっち道しない人


なので、私の作品をブックマークしてくれている人にはとても感動しているのですよ。そしてしてくれる事がどれだけ嬉しいことなのか分かったのです。


YouTuberの皆さん今まですみませんでした…



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