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ワード1ページ小説

天気予報

作者: 神月 里央

委員会が終わって帰ろうとしていた私は、黒い雨雲に覆われている空を見上げていた。

「雨降ってきましたね」

下駄箱に向かって歩き出そうとした私に、後輩の男の子が声をかけてきた。

「そうね。降ってきちゃったわね」

彼は、振り向いた私の元に駆け寄って来ると、話し始める。

「先輩。傘持ってきてます?」

「そう言う君は持ってきているの?」

彼の質問に、私は質問で返した。

「…一応は。今日の天気予報は雨でしたしね」

何故か彼は、言葉を濁してそう言った。

「そう良かったわね」

私が顔色を変えずにそう言うと、彼はにやけた顔で話をつづけた。

「それで、先輩は持ってきたんですか?」

「そうね…忘れたかもしれないわね」

「もしよかったら送りますよ」

彼は自慢げな顔のそう言った。

「ありがとう。じゃあお願いしようかしらね」

その言葉を聞くと、彼はパッと効果音がなるような笑顔になっていた。

「そうなると、相合傘ってやつね」

「そ、そうですね」

私が彼の顔を覗き込みながら言うと、彼は耳まで真っ赤にしながら返事をする。

「私は初めてだからお手柔らかにね」

そう言うと、彼は慌てながらしゃべりだす。

「か、傘とってきますんで待っててください」

「わかったわ。ありがとうね」

彼は私の言葉を聞くと、1年用の靴箱に向かって走っていった。

彼を見送ると、私はおもむろに鞄を開いて。隅にある折り畳み傘に目をやる。

「…ふぅ。天気予報ぐらい見てるわよ」

そんな独り言を呟いていると、外から聞き慣れた彼の声がする。

「せんぱ~い!」

頑張って走ってくれたのだろう。そのことを考えてクスッと笑うと返事をする。

「今行くわ」

そう言って、私は折り畳み傘を鞄の底に隠すと、彼の元に走り出した。

今日雨降ってたからー。いいなーこんな恋愛したかったなー(1人傘さして下校w)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 先輩のほうが上手なところが良かったです。 [一言] ありがとうございます。
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