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BLACK・CROW  作者: パンナコッタ次郎
2/4

二つの感情

(なんだ、、、ここ、、?)


それが男が一番始めに思ったことだった。


何やら、暗い場所にいる。


それ以外の状況がまったくわからない。


男はその時から、思考を続ける


(まず、ここはどこだ?俺は路地にいたはず。そういえば傷は?)


傷を確認しようとするが、体が動かない。

首も動かせず、なにもできない。


(どこか狭い場所にいるみたいだ。、、、そういえば妙な圧迫を感じる。しかし、、、眠いな、、、)


そのまま、男の意識はどんどん薄れていく。意識を手放さないと、必死に抵抗を続ける。


薄れゆく意識のなかで、女性と思わしき声が聞こえる。


「だ、、、う、、げ、、に、、う、れて、、ね」


なぜか、この声を聞くと妙に落ち着く。次の瞬間、男は意識を完全に手放してしまった。





はじめて目覚めて(?)から、どれくらいの時間が経ったのだろうか。


少なくとも、何ヵ月かは経っているだろう。


日に日に、体が大きくなっているのが分かる。

妙な圧迫が強くなってきている事からも、間違いないだろう。


あの声は、ほぼ毎日聞こえる。


男は過去の事を思い返し、必死にこの状況を理解しようとする。しかし、まったく思い当たる節がない。


自らの状態が分からないほど、怖いものは無い。


男はこの状況がまさにそれだと思っているが、心のどこかは安心している。いままでに、一度も経験の無いことだ。


男は、混乱していた。怖いのに安心している。

まったく違う感情を胸に抱きながら、何度も繰り返してきた眠りを今日もする。

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