ヤンデレ彼女との1日をちょっと振り返ってみた。【午前】
「あぁ〜眠い。」
そんな口癖を吐きながら、僕は学校の支度をしている。まず、顔を洗って歯を磨く。そのあと、ふらふらと台所に行き、冷蔵庫を開けて、中身を確認し、今日の朝食の食材を考える。卵と牛乳を取りだして、手早く調理する。今日の朝食はスクランブルエッグとパンだ。ニュースを見ながらパンを口に入れ、牛乳で流し込む。制服に着替えて、カバンを持ち、玄関の扉をあける。
今日はとても良い天気だ。まさに雲一つない青空。やわらかい朝の風がとても心地よい。そんな青空と見慣れた玄関からの風景に紅一点。
「おはよう、修二くん。今日は良い天気だね。」
彼女が立っていた。
「おはよう、愛華。今日も変わらず元気だな。」
彼女、桐島愛華は元気な笑顔を見せながら「遅刻しちゃうよ、早く行こ?」と言う。僕は、「あぁ。」と呟き、玄関の鍵を閉める。
通学中に、僕は一つ愛華に質問した。
「なぁ、愛華。」
「ん?何?」
「お前、いつから家の前居たんだ?今日は天気が良いとはいえ、朝は寒いだろ。」
そう尋ねると、彼女はくすっと笑う。
「ずぅーーと、だよ?心配してくれるなんて、やっぱり修二くんは優しいね。」
「ずっと?そんな前からか。」
「うん。でも私、修二くんがなかなか起きないから何通もメールしちゃった。」
「メール?」
そのメールを確認するために、僕はバッグのいつも携帯を入れているポケットに手を突っ込む。
携帯がない。
そういえば、昨日は遅くまでアプリで遊んでたかもしれない。ベットに置きっ放しなのか。
「あ、悪い。携帯を家に忘れた。」
「そうなの?昨日遅くまで携帯で遊んでるからだよ。」
「あぁ、ごめんごめん。万が一遅刻しちゃうと悪いから先行っててくれ。」
「もー。早く追いついてきてね。」
「あはは。できるだけ頑張るよ。」
そう呟くと僕はきた道を引き返す。その途中、ふと思った。
「なんであいつ、俺が夜携帯してたって知ってたんだ?」
携帯をカバンに入れ、なんか件のメールが50通くらい来てた気がしたが、確認している時間はないので、僕は急いで学校へ向かう。結局、愛華に追いつくことはできなかったが、遅刻はせずに済んだ。
ガラガラガラッと教室の扉をあけると、
「おぉ、おはよう!今日は珍しく遅かったな。目覚ましセットするのを忘れたのか?」」
朝には少々キツい、友人の声が聞こえる。
「おはよう、カズ。今日も変わらずうるさいな。お前は。」
「ひどくねっ!?」
そう言われ、ちょっとショックを受けているこいつは、佐原和樹という。
中学からの友人で、いつもうるさ…元気で、いつもみんなの輪の中心にいる面白い奴だ。
「そういえば、彼女がちょっと前に来たけど、今日は一緒じゃないのか?なんだ、喧嘩でもしたのか?」
佐原和樹、もといカズは僕を少しからかうと、
「やだなぁ〜佐原くん。私と修二くんが喧嘩なんてするわけないじゃん。」
急に、突然、彼女が現れた。
「え?あっ!桐島!いつからそこに」
「んー?修二くんのいるところに私あり、だよ?私が喧嘩なんて、冗談はその空っぽの頭だけにしといてよ。」
「お前ら揃ってひどすぎるっ!」
「まぁまぁ、愛華もその辺にしとけ。カズもあまり愛華を怒らすと後で痛い目見るぞ。」
「身を持って理解しました…。」
そんな、いつもの平和?な会話をしていると、先生が勢いよくドアを開けて、教室に入ってくる。
「おーい、お前ら、さっさと先に着けー。HR始めるぞー。」
「あ、じゃあまた後でね。修二くん。」
「あぁ、また後でな。愛華。」
「俺はっ!?」
うん。やはり今日も平和だ。
HRが終わり、授業が始まろうとしている。
「一時間目は社会かー。眠いなぁ。」
「お前はなんの授業でも寝るだろうが。」
授業中、カズは居眠りをして先生に叩かれていた。反対に、愛華は熱心にノートをとっていた。カズはすこし愛華を見習うべきだな。
「三時間目は数学だね、修二くん。」
「うわっ、数学かよ。サボろうかな。」
「こらっ、そんな事言ってるからこの前の数学のテストが…」
「頼むからその話は掘り返さないでくれ…。」
数学は昔から苦手で、今も先生が何を言っているか理解できない。後で愛華に教えてもらおう。
…カズはまた寝ていやがる。
そんなこんなで、四時間目が終わった。
是非、ブクマ、感想お願いします。
読んで頂き、ありがとうございました。
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