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プロローグ

 寒い……


 ぼくは忍び寄ってきた冷気に身を縮ませた。次に感じたのは木々の独特な、むっとした臭い。視界に灰白い光が入ってきてやっと、ぼくは意識を浮上させた。


 ここはどこだろう。ぼんやりとした頭で辺りをみわたす。はいいろの木々の合間に、なにかはためくものが見えた。

 紙? ノートだろうか。枯れ葉にまじって人工的な白がばたばたと踊っている。

 近づいたぼくの目に、違うものが映った。人だ。男のひと? 枯れ木に腰を下ろし、頭を抱えている。

 なんだか苦しそうだ。そう感じた。なにをそんなに苦悩してるのか。


 ぼくは何気なくほかに目をやると、もうひとつ異質なものに気が付いた。人だ。今度は女の子。霧でよく見えないけど、たぶんそう。

 その子は、じっとこちらを見ていた。ぼくじゃない、きっとこの男のひと。


 ぼくは、なんとなくおもった。

 教えてあげなきゃ。

 彼に、女の子のことを。

 なぜだかわかんないけど、教えてあげなきゃいけない気がしたんだ。


 ぼくは彫像みたいな男のひとに近づき、口を開こうとした……




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