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アドミラル~魔法艦隊の艦長に転職したら、彼女(提督)ができました~  作者: 九重七六八
第2章 パンティオン・ジャッジ~トリスタン編
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最後の戦い~ペルセポネー大空中戦(壱)

いよいよ、パンティオン・ジャッジ決勝戦。霊族の小夜との戦いです。巨大戦艦によるアウトレンジ攻撃に徹する怨情寺小夜。防御も攻撃にもスキがないこのユーレイ娘にどう対抗するのでしょうか?主人公へいはち・・

「霊族、怨情寺小夜の戦力は、巨大戦艦「弁財天」1、戦列艦4、巡洋艦2。妖精族との戦いには、巨大戦艦1隻のみで戦いましたが、今回は戦力を充実させています」


 そうマリーが説明した。いよいよ、パンティオン・ジャッジファイナルが始まる。相手の戦力を分析は、作戦を立てるための基本中の基本である。そのための諜報活動も重要で、その点はマリーはすでに自分の親衛隊による諜報活動でおおよそのことが分かっていた。

 

無論、小夜にもある程度の情報は知られてしまっているので、ここはお互いの腹の探り合いではある。


「こちらの情報網が優れているとは言え、会戦前に戦力がダダ漏れというのは、何だか怪しいわね。こちらを欺こうとしている意図はありませんか?」


 そうリメルダが懸念を表明した。確かに決勝戦の相手にしては、不用意ではある。だが、マリーはその懸念を退けた。


「小夜さんの性格。そして、彼女の採用している作戦を考えると、その懸念は0%と思っていいでしょう」


 そうマリーは言い切った。大した自信だが、次に霊族が取るという作戦案を聞いてなるほどと会議に出席した者(フィン、平八、マリー、リメルダ、ナアム、トラ吉、ルイーズ、シャルル、ミート、ナセル、ヴィンセント他、今回、参加する戦列艦の艦長)は思った。つまり、バレても小夜は立てた作戦案に対抗手段はないという自信があるということであった。


「小夜の作戦は、基本、妖精族との戦いと同じ長距離ミサイルによるアウトレンジ戦法です。しかし、妖精族との戦いより、より進化した戦術を取ると思われます」


マリーはそう言って、霊族の艦隊をモニターに写し、シミュレーションを行った。


「敵は戦列艦を中心とする前衛艦隊と旗艦「弁財天」の後衛に分かれるで

しょう。前回の戦いでは、妖精女王に切り込まれ、危うく1対1の戦いに持ち込まれたので、今回はそれを避けるために前衛艦隊を配置したと思われます」


「なるほど。こちらが前衛艦隊と交戦している最中にはるか後方から、霊子弾の雨を降らせるって戦法ですかい?ちょっとズルい作戦ですな」


 トラ吉が腕組みをして画面を睨む。トラ吉は、平八に命じられて昨日までローエングリーンで極秘任務について、先ほど、このメイフィアに戻って来たばかりであった。


「ならば、こちらもアウトレンジ攻撃に徹して、敵の前衛艦隊越しにミサイルで攻撃してはどうですか?」


 エンデンバーク夫人ミートちゃんがそう意見を述べた。その意見は当然、策として取るべき作戦ではある。敵の巨大戦艦は動きも鈍く、今回はタグボートで引っ張る作戦は取っていないのだから、浮遊している巨大な火薬庫に火をつければいいのだ。


「その策は2つの点で問題があると私は考えます。まず、1点目。巨大戦艦は、確かに一発打撃を与えれば、一挙に仕留められる可能性はあります。それ自体が巨大な火薬庫みたいなものですから。ですが、前回の戦いでは肉薄した妖精女王の旗艦による攻撃を防いだ「地獄の門」という防御システムがあります。さらに霊族には、艦を一瞬にして艦3個分の距離内を任意に移動させる能力があります。移動距離は短いのですが、おそらく、今回はその移動と地獄の門を併用させてくるでしょうね」


「なんだ?そりゃあ…。それじゃあ、こちらの長距離攻撃は当たらないし、当たっても地獄の門に遮られる。手も足も出ないじゃないか?霊族、チート過ぎる。いっそ、奴らにドラゴン退治を任せちゃどう?」


 トラ吉があきれるのも分かる。平八も霊族の完璧すぎる守りに舌を巻いてしまいそうだった。ただ、霊族の攻撃力は守備力に比べて、弱いことがあった。これでまともな攻撃力を持っていたら、ワンサイドゲームである。


 瞬間移動といっても、艦3個分の空間に任意に移動できる能力である。全く違う場所へはいけない。だが、長距離ミサイルによる攻撃や主砲の長距離攻撃はレーダーで捉えられるから、僅かな場所に瞬時に移動されたら、全く命中しなくなるが、誘導ミサイルを使えば、命中させることは可能ではある


 しかし、その能力は魔法族には決定的に不利であった。

なぜなら、最後の切り札であるデストリガーが交わされる恐れがあるからだ。


「確か、妖精族のデストリガー、妖精剣ダインスレイフによって消し飛ばされたんですよね。首尾よくデストリガーの射程内に飛び込んでも、瞬時に移動をされてはデストリガーを当てることは難しいね。妖精族のように超至近距離まで近づければ多少移動されても問題ないのだろうが、魔法族には、妖精族のような瞬間移動魔法はないの?」


 平八は敵の前衛艦隊と後衛艦隊のあいだのフィールドに、こちらの高速艦が飛び込めれば、勝機はあると考えたが、前衛艦隊を突破するとなるとかなりの損害が予想された。


「残念ながら、あれほどの大掛かりな魔法は、今の私たちでは発動できません」


「となると、前衛艦隊を撃破し、堂々と敵の旗艦と相対するしかないですな。戦列艦同士の砲撃戦を制し、うすのろの敵巨大艦を始末しましょう。フィン提督、我々にお任せ下さい。メイフィア国軍の名誉にかけて、フィン提督をパンティオン・ジャッジの覇者にしてみせます」


 そう今回の戦いに参加する戦列艦オクタヴィアの艦長、ガズン少将が立ち上がってそう宣言するように言い放った。同僚の艦長もうなずいている。ガズン少将は50過ぎの初老の男であったが、メイフィア国軍パトロール艦隊で下積みをしてきたベテラン軍人であった。この決勝戦はメイフィア国軍も本腰でサポートをしていた。戦列艦3隻(オクタヴィア。ケンタウルス、ミノス)を派遣していた。カズン少将のようなエリートではない非主流の軍人だが、経験豊富な生粋の指揮官を付けてくれたのは返って好都合であった。


(今回は基本戦術として、それしかないだろう)


 平八も基本了承するすかない。一応、トラ吉を使って奇策を準備していたが、それはあくまでも最後の切り札であり、ここで話すことではなかった。


 参謀長のマリーも、その策しかないと思ったので、フィンに了承を求めた。


「分かりました。敵の前衛艦隊を撃破した後、デストリガーで敵旗艦弁財天を撃沈しましょう。ファイナルでは、デストリガーの規制はありません。デストリガーが撃てる各艦は、それを使用することを許可します」


 フィンがそう決定事項を伝えた。平八は各人の表情を伺っていたが、妙なことに気づいた。戦列艦マクベスの艦長、ヴィンセント伯爵が一言も話していないのだ。奴の性格から言えば、ありえない状況である。見るとヴィンセントは少し、うつむき加減で黙っている。


 フィンもおかしいと思ったのか、ヴィンセントに対して、


「ヴィンセント伯爵。伯爵は操艦の名手と言われていますが、この作戦に何か意見はないのでしょうか?」


「いいえ。見事な作戦。フィン提督の決定に従います」


そう手短に答えただけであった。


(ますます、おかしい!)


 フィンがみんな意見を聞いて結論としてだした作戦案にケチをつける男ではないが、その前の平八の意見にいろいろと難癖つけてくるはずである。まるで別人のような態度に平八は違和感を持ったが、周りの人間はあまり気にしていないようだ。マリーはどうだろう?と思って見たが、彼女も気にはしていないように見えた。


(自分だけであろうか?まあ、それは置いておいて、第2の作戦案を相談するとするか)


ヴィンセントの件は置いておいて、かなりチートくさい霊族小夜をどう撃破したらよいでしょうか?読者の皆様の戦術、作戦案を募集します(笑)

なんて言って、私の考えをズバリ当てられたら・・・いや、私の案より、優れた作戦案を提示されてしまいそう・・・。

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