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アドミラル~魔法艦隊の艦長に転職したら、彼女(提督)ができました~  作者: 九重七六八
第1章 パンティオン・ジャッジ ~魔法王国メイフィア編
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ドラゴンを狩るプリンセス(弐)

多数のドラゴン出現に急行する第1打撃艦隊とマリー様の第1魔法艦隊。パンティオン・ジャッジ前の対ドラゴン戦が始まります。

平八たちはどうなった~?あと少し、お待ちください。

 10分後、第1打撃艦隊が駆けつけた時には、パトロール艦隊は5隻が撃破され、2隻が交戦中であった。必死の抵抗も最初のグリーンドラゴンは討伐したものの、SクラスとMクラスのドラゴンのコンビネーションにどうすることもできないでいた。


「スルト司令は健在か?」


 第1打撃艦隊のアルベール大将は、第8パトロール艦隊の惨状を見てそう副官にたずねた。この空間の下は腐食酸で汚染された海であり、撃沈されれば命の保証はない。


「旗艦ヘラクレスは健在です。スルト中将でます」


 モニターにスルト中将が映る。アルベールとは士官学校で先輩、後輩の関係に当たる。


「ひどくやられたな、スルト中将」

「アルベール提督、部下の敵を取ってください」


 スルト中将の後ろに映る艦橋も被害が出ているらしく、煙と火を消すために兵士が駆け回っていた。


「デストリガーを使用する。貴官は後方に退去せよ」

「了解です」


 通信が切れた。アルベールはすぐに各艦にドラゴン討伐を命じる。打撃艦隊は対ドラゴン用に編成された魔法王国メイフィアの切り札である。戦列艦5、巡洋艦7、駆逐艦10で編成されて、公女が率いる魔法艦隊に匹敵する艦隊だ。国軍の中では最強ではあるが、ご存知のとおり、レジェンド級ドラゴンの「メンズキル」のために、世界を救うための主力にはならないが、それでもM級ドラゴンには十分すぎる戦力である。


「戦列艦クリムゾンとキラービーは、巡洋艦部隊と共にS級を討伐しろ。少なくともこちらに近づけるな!駆逐艦部隊は、対ドラゴン魚雷を発射。注意をひきつけろ。それ以外の戦列艦はデストリガーの準備にかかれ!発射までどれくらいだ」

「約3分」

「分かった。艦列はこのまま」


「提督、第1公女マリー殿下の第1魔法艦隊がこちらに向かっておられます。あと15分ほどで来援予定」

「ほう。マリー様の手を煩わしてはいけない。打撃艦隊の力を見てもらうとしょうか。公女様方のお遊びとは違う真の戦いを見せてやるのだ」


 魔力の多さやメンズキルによる理由とはいえ、国軍の最強である打撃艦隊が公女の魔法艦隊よりも下に置かれることを日ごろから苦々しく思っていた第1打撃艦隊の提督アルベールは、いい機会だと思っていた。今年、50歳になるアルベールは、ベテラン軍人の意地があった。


(王女殿下は戦術も天才というが、所詮は学校の勉強での話だ。本当の戦いというものを見せてやる)


「ブルードラゴンの氷のブレス被弾。巡洋艦カペラが中破。同じく巡洋艦ポルックス小破」


「多少の被害は仕方がない。戦列艦はライオットによる攻撃に終始せよ!奴は電撃に弱い、攻撃を続行すれば必ず倒せる」


「提督、デストリガー準備完了。いつでも撃てます!」

「よし、戦列艦3隻の同時攻撃だ!死ね!撃てーっ!」


 打撃艦隊の戦列艦にはデストリガー機能が付いている、公女が率いる魔法艦隊は、提督の豊富な魔力を使って撃つので、威力も高く、また、時間はかかるが魔力が回復すれば再度の射撃も可能だ。


打撃艦隊のデストリガーはあらかじめ封印した魔力チャージシステムの解放により発射する。威力は公女のデストリガーの3分の1ほど。また、属性も決められていて、光属性、高出力のレーザーの束をぶつけるドラゴンバスターの上級版である。


 ちなみに一度撃つと再度、港に帰って魔力チャージを行わないと使用できないデメリットがあった。


これを国軍は「ジャスティス」と呼んでいた。国軍の持つ最大の攻撃である。


 3隻の戦列艦から発射された「ジャスティス」はMクラスレッドドラゴンを串刺しにした。これには強大なドラゴンもたまらず、落下する。下は腐食酸の海である。


ドラゴンは巨大な体を海面にぶつけ、波しぶきが10m程上がってズブズブと沈んでいった。同時にSクラスも戦列艦と巡洋艦の集中砲火を受けて、海に落下して死んだ。


「ドラゴン2体、討伐完了!やりました。我が方の被害、巡洋艦2隻小破のみ」


「ふふふっ…どうだ、打撃艦隊の強さは。小娘たちの力など借りなくても十分やれる。国軍の精鋭である打撃艦隊に比べれば、魔法艦隊など意味はないのだ。パンティオン・ジャッジなど茶番に過ぎない」


「あと7分ほどで第1魔法艦隊が到着するとのことです」


通信士官が第1魔法艦隊からの連絡を受けてそう報告した。


「マリー様に打撃艦隊のすばらしさを見せてやれず、残念であった。第1魔法艦隊に通信せよ」


「なんと送りましょうか?」

「ドラゴンは全て我、討伐せり…とな」


 アルベール提督はそう豪語した。そう言えば、第2魔法艦隊のリメルダはMクラスのドラゴンを退治した時に、壊滅的な打撃を受けたと聞く。海に落ちたとはいえ、完全に死んだか確かめる必要はある。


「第1級戦闘配置は継続。全艦隊、高度を下げよ。駆逐艦でドラゴンの様子を確認せよ」

「はっ!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「マリー様、第1打撃艦隊より入電。全て、我、討伐せり」

「な~んだ。今から行ってもつまんないなあ」


ヴィンセントがそう言った。マリーは少し眉をひそめ、


「艦長、つまらないなんて不謹慎ですよ。第1魔法艦隊はこのまま、臨戦態勢で現地に急行します」


とこの軽い男に告げた。


「え?だって、もう戦闘は終わっているんだよ。急がなくたって…ねえ。マリーちゃん」


「マリーちゃんではありません。この船に乗ったら、私は提督、あなたは艦長です。節度は守って行動して欲しいものですわ、ヴィンセント伯爵」


「はいはい。でも、なかなか慣れないんだよなあ。ちょっと前まで一緒にお風呂に入っていた妹みたいな子を提督なんて呼ぶの」


「お風呂は15年も前の話です。つい最近まで一緒に入っていたような言い方をしないでください。部下が驚きます!」


「了解。では、提督、全艦最大戦速で現場へ急行する」


(なんだか、ゾクゾクする…)


マリーはなんだか嫌な予感がして落ち着かなかった。


一緒にお風呂に入っていたのは、マリー五歳、ヴィンセント八歳。ちなみにヴィンセントくんはこの頃から、侍女とお風呂でフィーバーするのが趣味だったとか・・・。女好きに天誅!

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