少し非日常な一日
「やつが、来る!?」
ある食堂にて青年と厳つい、しかしカタギの男が、真剣な表情をして話している
「ああ、確かな筋からの情報だ。奴はお前を狙っている、早く逃げるんだ」
「……そうだな、暫く旅に出る。教えてくれてありがとな」
「気にするな、お前と奴の事情は知ってる」
青年は顔を顰めながら食堂を出て行った
/^ヾ /^ヾ
バンッ
昼下がりの薬屋に突然、扉を勢い良く、いや乱暴に開ける音が響く。
「zzz……っ!……い、いらっしゃいませっ…て、ノエン?どうしたのその顔、凄い怖いよ?」
『キュウ?』
枕にしていた(両者の合意の元に)白い毛玉、改めハク(白いから)も大きな音に驚いている。ハクが薬屋に来てからは一緒に店番をしている。
扉を閉めたノエンがすぐ前まで来て、何か悩んだかと思ったら
「旅行に行こう、準備が終わったらすぐにでも。そうだな水都にでも行くか、あそこは良いぞ、店は休みにしても大丈夫だ。ユノリはここ以外の町に行った事は無いよな?金なら心配するなよ、いざという時の為に貯めていた分がある、一週間は余裕でもつ。何も問題は無い、さあ行こう」
早口でまくしたてた。要は、問題は無いし今すぐ旅行しようって事?問題なら今目の前にあるんだけど……どうしたの?、?
『キュウ〜?』
ハクと一緒に戸惑っていると、ノエンは奥に入っていき、すぐに戻ってきた。その両手に荷物を抱えて。
「よし、準備完了。行くぞ」
そのまま荷物を持っている筈のノエンに抱えられ(ハクはボクが抱えてる)、薬屋を出る薬屋には『クローズド』と言う意味の文字を書いた看板を立てて、何故か店の前に構えていた馬車に放り込まれる。痛いよ。
「ハッ!」
ビシッ、ヒヒン〜
馬の手綱を握るノエン、なんでこんなに急いでるのさ。
そうして良く分からないまま、半ば拉致されて旅行する事に。まあ、旅行なんて初めてだし、店が大丈夫だってノエンが言うならそうなんだろうし、旅行を楽しむのも良いかも?
「……逃がさないわよ、ノエン」