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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第9章 漢との決戦
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第83話

【黄忠の夢?】


鍛錬場では、久しぶりに一刀と璃々で鍛錬をしていた。


「璃々!どうした!もっと打ち込んで来い!」


「まだまだ行くよ!」


璃々はそう言いながら、一刀に打ち込んで行くが、勿論一刀は本気を出して璃々を迎え撃つ。だが璃々の動きは、戦で大分と揉まれたせいか以前にも増して鋭くなっていた。


しかしまだ一刀や紫苑の腕までには辿りついていないようで


「あっ…」


「まだまだ負けられないからね」


一刀は、打ち込んで来た璃々の模擬刀を弾くと自分の模擬刀を璃々に突き付けていた。


「ちぇ、又負けた~」


「そう簡単に負けはしないよ。俺にも面子というものがあるからね」


「フフフ…お二人ともお疲れでしょう。お茶の準備が出来ましたので、一緒にどうですか?」


二人の鍛錬の終わりを見計らって、黄忠が休憩するように勧めると


「ありがとう、いただくよ」


「ありがとうね。黄忠さん」


二人とも稽古後のお茶を戴き、そのまま休憩をしながら話を始めた。


しばらく三人で雑談をしていたが、すると黄忠は一刀にこんなことを言い出した。


「実はご主人様。私、どうしても叶えてみたい夢がありますの」


「へぇ、どんな夢?」


一刀はこれを気楽に聞いてしまったが、聞いた後、驚きと後悔する失敗であった。そして不敵な笑みを浮かべながら、黄忠が叶えたい夢を語った。


「ご主人様の子供が欲しいですの。理想は、ご主人様似の息子と娘、私似の息子と娘の四つ子は欲しいですわ」


「いきなり、四つ子!?」


「……」


黄忠の夢を聞いて璃々は素っ頓狂な声を上げ、一刀は開いた口が塞がらなかったが、漸く気を取り戻した一刀が


「……ずいぶん凄い夢ですね…」


「そうでしょ。そして何れ璃々もご主人様に嫁がせて、そして紫苑さんや(大人)璃々さんの子たちにも囲まれて賑やか暮らしたいの」


黄忠の話を聞いて、一刀はその光景を思い浮かべてみると、意外とその姿が想像でき、そして璃々も想像できたのか一刀と同じ様に無言になっていた。


「という訳でご主人様。私の夢の実現のため、協力してくださいね♪」


「……えっ?」


「フフフ…ここ最近ご無沙汰だったので、ご主人様、今夜は頑張って、私を満足させてくださるかしら」


黄忠がそう言いながら、一刀を連れて行こうとしたのを璃々が阻止しようとしたが、


「ちょっ…」


「あら、ご主人様を独り占めにしたいのは皆一緒ですわ。ここ最近ご無沙汰ですから…璃々さん今夜は一つ…」


年長の黄忠に頭を下げ、そう言われると流石の璃々も承諾するしかなかった。


「さて璃々さんの許可も戴きましたし、ご主人様…今宵は覚悟して下さいね」


黄忠の迫力に、一刀は黙って頷くしかなく、そしてこの日の夜、一刀の部屋から一晩中艶やかな声が聞こえた……。


~呉・建業~


「何、会えなかったのか?」


「はい。何やら病気で面会謝絶ということで…。書状については蒋済様が受け取り、返事については病状が回復次第、必ず返答するとのことです」


「ふむ。ご苦労であった。下がってゆっくり休んでくれ」


冥琳はそう言って晋まで行っていた使者を下がらせた。


呉から晋に同盟締結の為の使者を出したのだが、王である司馬懿が病気ということで面会出来ず、代わりに蒋済が応対したが、結局書状のみ受け取り、病状回復次第、後日返答すると言って、使者を帰したのであった。


「雪蓮、これをどう考える」


「気に食わないわ。使者が来てわざわざ病気ですと言うのは普通考えられないわよ。はっきり言って仮病ね。これは」


「恐らく、そうだろう。しかし何故仮病までして、使者に会わなかったのだ。断るにしても幾らでも方法はあると思うがな」


「向こうは私たちと蜀を天秤に掛けているのよ。もし蜀との交渉に失敗した時、私たちと手を結ぶつもりで、はっきりとは断らず、私たちとの話し合いの余地を残しておこうとね」


「何?」


冥琳は、雪蓮の言葉を聞いて疑問の声を上げたが、


「いや、その可能性はあるか」


途中で考え直し、雪蓮の意見を否定しなかった。


「もし晋が蜀と手を結ばれると我々は厳しい状況になるぞ」


「確かに手を結ばれたら厳しい状況になるわね。でもそう上手くいくかしら」


「どういう意味だ?」


「特に意味はないわ。ただ晋の思う通り、事が運ぶかどうかの話よ」


雪蓮が自信満々に有りげに語ったが、しかし何時もの様に根拠のない雪蓮得意の勘と冥琳も分かっていたのか、これ以上何も言わなかった。


一方、漢にも呉からの書状が送られ、


「雛里ちゃん、これからどうするの?」


「桃香様、心配いりません。晋については同盟が出来れば儲け物という考えくらいで、同盟が断られたからと言って、私たちの方針は変わりません。勿論晋に対する警戒は必要ですが、向こうは、魏を相手するのが精一杯で、今こちらを攻める余裕はありませんから」


桃香は晋との同盟不成立で心配になっていたが、雛里の言葉を聞いて安心した。雛里は、晋の行動については想定内であった。雛里は、元々晋を信用していなかった。


と言うのは、桃香が再起した時、晋は曹操と争い敗退した袁紹から独立、そしてその隙を付いて、直轄地であった洛陽に攻め入り、これを手中に治めようとしたが、先に洛陽を制圧した桃香に軍配が上がり、これを阻止した経緯がある。


そういったことから雛里は、晋は油断ならぬ敵であり、虎狼の様な国だと思っていた。


また呉とは同盟を組んでいたが、雛里は呉の考えは分かっていた。


呉は自分たちの為に漢を防波堤の役割を果たして貰おうと。


であれば此方もそれなりに呉を利用させて貰うと雛里は内心考えていたのであった。


丁度その頃、蜀では


「流石、西涼の兵たちは精悍だな」


「そうであろう。私も最初翠たちにこれを見せ付けられた時驚いていたものだ」


星と愛紗は、兵の訓練の為、長安郊外から出て、城に戻っている途中、森で休憩を取っていたが、星たちはある気配に気付いた。


「ところで……愛紗、気付いているな?」


「ああ、そこに二名隠れているな。捕えるか?」


「いや待て、本気で我々を殺す気なら既に弓矢でも打ち込んでいるはず。態々、気配を出して我々に気付いて貰おうとしているのだ。おい、そこの二人出てくるがよい」


星が言い放つと草むらから蜀兵の格好をした二人の兵が出てきたが、星と愛紗は油断することなく臨戦態勢を保ったままであった。


「おい貴様ら、何者だ!そして我々に何の用だ!」


愛紗の発言にその兵は怯むことなく


「趙雲殿、関羽殿であらせられますね」


「ああその通りだ」


「我々は魏の程昱様の配下の者でございます」


「何、魏だと!」


愛紗は魏と言う言葉に敏感に反応したが、使者は更に言葉を続けた。


「お待ちください。我らに敵意はございません。ゆえに武器も持ち合わせておりません。我らは程昱様の命により、趙雲殿に密書を携えてまいりました」


「密書だと…何故このような卑怯な事をする!書状を届けるのであれば正々堂々と届けよ!また私の様に罠に嵌める気か!」


愛紗は以前、風に罠に嵌められたので感情的になっていたが、星は平然としたもので


「そうか…風。程昱から手紙か。で、その手紙は?」


「星…知り合いか?」


「ああ以前の旅仲間だ」


星は以前、一刀たちと出会う前、現在魏に仕えている風と稟ら主君探しの旅を共にしていたが、旅の途中で二人が華琳に仕えたため、そのまま星は一人で旅を続け、そして一刀と出会ったのであった。


すると兵が手紙を差し出すと星はこれを受け取り、手紙の中身を確認すると愛紗にもこれを見せた。


「これは…」


愛紗は驚いたが、星は落ち着き払って


「今すぐ返事は必要か」


「いいえ、返事はいりませぬ。ただ正式な使者を送るまで結論を出していただければ」


「分かった、主に責任を持って伝えよう。用件はそれだけか?」


「以上です」


「では、十数えるうちに失せろ。さもなくば、その首は離れるものと思え」


「承知。では、我らはこれにて」


そう言うと、密使と思われる二人の兵は、一瞬でその場からいなくなった。


そして手紙を受け取った星たちは、すぐさま城に戻った。城に戻り、一刀の政務室に行くとちょうど一刀と紫苑がいた。


そして星が一刀に先程手渡された手紙を読んだが、その内容は


「今後の為、君主同士直接話し合いたい」


そしてお互い目立たぬ様少数の兵を連れ、双方の中間点で一刀と曹操の直接会談を望んでいるとのことであった。


「これは罠です!一刀様行ってはなりませぬ!」


愛紗は一刀と華琳の直接会談に反対であったが、紫苑は


「覇道を目指している曹操が暗殺等の姑息な手を打つとは考えにくいわ」


「そうですな。これは会談を申し込むと言うのと同時に主の人物を見定めようとしているのでは?」


「見定める?それはどういうことだ、星」


愛紗の問いに星は


「曹操は主と会うのは今後の事もあるだろうが、『自分を信じて話をしに来るのか?』というのも含まれていると思う。要するに、主を試しているのだ」


星が説明すると愛紗は複雑な表情をしていたが、ここは一刀に任せるしかなかった。


「それでどうされますか、ご主人様」


「そうだよな…。せっかくの機会だから、曹操と会おう。会えば何かの切っ掛けになるかもしれないしね」


一刀がそう決断すると紫苑が笑みを浮かべながら


「そうですね。ご主人様、意見には反対しませんが、一応朱里ちゃんたちの意見も聞いてはいかがですか?先に勝手に決めてと怒るかもしれませんわよ」


「紫苑の言うとおりだな。最終決定については朱里たちの意見を聞いてからにしよう」


一刀が話していると、真里が部屋に入ってきて


「ああ…皆ここにいたの。今、晋から使者が来たわよ」


真里がそう告げると、それを聞いた一刀たちに緊張が走った……。


そして戦いは、新たな局面を迎えようとしていた。


ご意見・ご感想あれば喜んで返事させていただきます。(ただし非難・誹謗等は止めて下さいね)

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