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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第9章 漢との決戦
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第82話

一刀たちが当分動かず様子見と判断した頃、一方漢は現状を打破するため打開策を色々と考えていたが、これが上手くいってなかった。


理由はまず蜀の目に見えない圧力、そして愛紗が蜀に付いたことに兵士たちが動揺していることもあり。そして更に呉が南郡を領有し、荊州南部と分断された形となっているため、一部からは呉との同盟を継続に反対する声が出ていた。


そして雛里は、ここに来て強引な手を打った。


孫氏の以前の本拠地である長沙郡を含めた荊州南部四郡を呉に譲渡する代わり、南郡の返還及び、対蜀戦の軍勢の供出を対価条件として提案したのであった。


南郡は呉にとって重要な地であるが、元々は策で奪い取った地。むしろ以前の本拠地である長沙や荊州南部は大きな戦乱に巻き込まれておらず力を付けるには好条件であった。これには雪蓮と冥琳に異存はなく、先に領土を譲って貰えるのであれば、孫呉の名誉に賭けて約束を果たすと返事。


その結果、呉は交州も勢力下に置くことが可能となり、そして漢は分散していた兵力の再編ができるようになることから、領土交換はスムーズに行われた。


そして呉では、今後について話し合いが行われていた。


「どうしたの、冥琳。難しい顔をして」


「ああ雪蓮か…、実は漢との同盟を更に拡大して晋を味方に加えようと考えているが、雪蓮お前の考えを聞かせて欲しいのだ」


冥琳は、蜀や魏に対する包囲網を構築するために晋を加えた三国同盟を考えていたのであった。


「う~ん、めんどくさいから冥琳に任せるわ」


「馬鹿者、真剣に考えろ」


雪蓮はいきなり冥琳に丸投げしようとしたが、流石に冥琳はそれを許さなかった。


「じゃ、正直に言うけど、私は晋をあまり信用してないわ。今のところお互い離れているから私たちに直接影響がないからいいけど、それだったら蜀と手を組んだ方がいいわよ」


「信用できないか…理由何だ」


「そんなの勘に決まっているでしょう」


「ハァ…」


雪蓮の得意の勘と言われてしまえば、冥琳はそれを覆すだけ材料もなく、溜め息を吐くしかなかった。


「だが雪蓮、蜀と手を結ぶというのは無理な話だ。お前も分かっているとは思うが、既に領土交換をして蜀に対しての出兵は決まっていること、すまんがそれは却下だ」


「だったら仕方ないわね……。取り敢えず私たちにとって不利にならないことだったら、冥琳に任せるわ」


こうして呉は更に同盟を拡大させるべく晋を味方に引き込もうと模索するのであった。


一方、漢にも呉からの晋の同盟引き入れの打診があると、桃香や雛里も呉が間に入って交渉するのであればということで了承したのであった。


【口は災いの元】


「うむ、久しぶりに飲む酒はやはり旨い」


「星お姉ちゃん、たった一日飲めなかっただけでしょう…」


星の言葉に思わず、璃々が突っ込みを入れてしまう。


無断出兵の件で、一刀は星に一日禁酒及び禁メンマという比較的軽い罰を与えたが、今の言い方だけだったら、一週間くらい我慢したように聞こえる。


しばらく二人は他愛ない話をしていたが、星がある疑問を口にする。


「なあ璃々、一体紫苑の年齢幾つなのだ?」


「私も分からないの。お母さんこの世界に来て若返ってしまったから、今じゃ『私、永遠の二十歳よ』言っているくらいだもん」


「いや、それはどうかと思うが…」


璃々の答えに星も思わず突っ込みを入れそうになる。


「星さん、女性の年齢を調べるのは野暮というものですよ」


そこで丁度通りかかった涼月こと張任が星に声を掛けた。


「しかし、涼月よ。人の秘密という物を暴きたくならないか?」


「確かに興味がないと言えば嘘になるでしょうが、ただ暴いたらいけないものもあるとは思うのだけど……」


「フフフ、しかし是もまた酒のあてとしたら面白いと思うが」


「はぁ、人の趣味まであれこれ言うつもりはないけど、程々にしておかないと火傷するわよ」


そう言って、涼月は何か急ぐかのように、その場を離れた。


「ふむ。涼月は紫苑と同じ未亡人なのにえらく真面目だな」


(「いやそれはお母さんが自由なところがありすぎて、涼月さんが普通だと思うけど…」)


内心、星に突っ込みを入れる璃々であった。


「でも璃々も紫苑の年齢を知りたいだろう?興味が湧かないか?」


「い、いいえ。でももうこのことにあまり触れない方がいいと思うのだけど…」


璃々は星にこの話を辞める様に話を持って行こうとしたが、星には通じないようで


「何を遠慮しているのだ。自分の母親だからとて、知りたいであろう」


「フフフ、面白そうな話をしているわね。一体、誰の年齢を知りたいのかしら」


星の背後に気配を隠していた紫苑がようやく声を掛けた。


璃々は、涼月が去ってから紫苑が星の背後にいたことに気付いたのだが、紫苑の目が黙っておくようという視線に負け、何とか遠回しに言って星に気付いて貰おうとしたが、残念ながら気付いて貰えなかった。


言葉とは裏腹に紫苑の目は既に笑っておらず、どす黒いオーラをただ寄せていた。


「璃々、貴女、まだ仕事が残っているでしょう。直ぐそっちに行きなさい」


「は、はい!」


既にオーラに当てられていた璃々は、紫苑に指示されると返事と同時にその場を離れた。


(「星お姉ちゃん、死なないでね」)


璃々は心の中で既に合掌していた。


「さあ星ちゃん、お話があるの、ちょっと一緒に来て貰おうかしら」


「あっ、いや…」


紫苑は星の返事を聞かず、そのまま連行されてしまった。


そして翌朝には、庭で倒れていた星が発見されたが、その倒れている星の周辺には、割れた壷の破片とメンマが散乱していた。


そして星の口からは、紫苑に何をされたのかは語られることは無かった……。


【蒲公英の罠?】


「あれ…昨日、俺一人で寝たはずだよな…」


一刀が朝、起きるとその横で蒲公英が寝ていた。でも……


(「何で裸なんだ……」)


そう何故か蒲公英は裸で、そしてその状態で添い寝していたのであった。


まだ蒲公英は寝ていたが、その寝顔は普段の小悪魔っぽい笑顔ではなく、純粋で可愛らしい表情をしていた女性の顔であった。


しかし一体、いつ潜り込んできたんだ…一刀が考えていると


「う~ん」


蒲公英は寝ぼけた状態で胸を密着させてきた。そうなると一刀も男であるから、ある部分が元気になってしまい…そしてそんな時に限って…


「ご主人様、朝だぞ。とっと起きろっ…」


翠が部屋のドアを開けると裸になっている蒲公英の姿を見て、翠は


「★■※@▼∀っ!?こ、このエロエロ魔人、あ、朝から何やっているんだよ!」


「ちょ、ちょっと待て、翠!俺も訳分からないんだよ!」


翠のこめかみの血管が浮かび上がり


「起こしに来て見れば、ご主人様と蒲公英が二人っきりで、しかも蒲公英が…裸で、添い寝をしていて状況がわからないってどういうこと何だよ!」


「そ、そんなこと言われても俺だって起きたら蒲公英が裸で横に居てビックリしてるんだ!」


二人が大声を出していると、漸く蒲公英が目を覚ますと


「ふぁ~おはよう~ご主人様にお姉さま~」


二人を余所に呑気に蒲公英が目覚めると、怒り心頭の翠が


「おい、蒲公英!な、何でお前がご主人様の横で裸になって寝てるんだよ!」


「あ~ハハハハ…。実はね…」


蒲公英は困惑しながら説明を始めた。


蒲公英は寝床から起き出しお手洗いへと向かい、何とかお手洗いを済ませたが、寝惚けながら廊下をフラフラと歩いて自分の部屋と向かったのだが、しかし一刀の部屋を自分の部屋と勘違いして、蒲公英は一刀の部屋に入っていった。


「あ~すっきりした。でも身体がムシムシして熱いよ~」


(え~い。脱いじゃえ~)


蒲公英は寝惚けながら着ていた寝間着を脱いで裸となり、寝床に倒れこむとモゾモゾ布団の中に入っていった。


(う~ん……何だろう~何かすごく安心するいい匂い…)


蒲公英は匂いがある方へそのまま這って行き


(あ~これだ~すごく安心する~)


蒲公英はそのまま抱きつくと


「にゃははは……」


蒲公英は嬉しくなったのか抱きついている物に顔を埋めて、そして安心してそのまま深い眠りに就き、さっきの状態に至る。


「もうお姉様もご主人様の妻なんだから、私が裸で居ても驚いて大きな声出さないでよ」


「ご主人様の部屋に入って、お前が裸でいたら驚くに決まっているだろう!」


蒲公英の裸の原因が分かって一刀の無実は晴れたのだが、今度は翠と蒲公英が口論を始め出した。


「とにかくご主人様が迷惑だろう!服を着てとっと離れろよ!」


「いやだよ~。あ~お姉様、私がご主人様の傍にいるから焼いているのでしょう~」


「な、な、何言ってるんだよ!」


「じゃあ、用事済ませた後でご主人様と一緒に行朝食に行くから、お姉様は先に行っててよ」


「用事って…、何の用事だよ」


「えっと、ご主人様のアレが苦しそうにしているから、スッキリさせてから行くからね」


「えっと…どういう意味かな蒲公英?」


「え~ご主人様、蒲公英の裸にも何ともないの~」


「えっ、そんなことないぞ蒲公英の裸は魅力的だし…それに蒲公英の裸を見て欲情しないなんて無理な話だぞ」


「しょうがないなご主人様は♪、と言うことでお姉様、先に行っててくれる♪」


「行く訳ないだろう。ずるいぞ…ご主人様。いつも蒲公英ばかり贔屓にして…私だって」


蒲公英からそう言われると負けず嫌いの翠が黙っているはずも無いと思っていたが、顔を赤くしていつもと違う拗ねた表情した翠も可愛らしく見えた。


「も~素直じゃなんだから、お姉様は♪。ご主人様に可愛がって欲しいのだったら、ちゃんとご主人様にお願いしないと♪」


「はいはい、蒲公英。翠をからかわないの。この恥じらいがあるのが翠の可愛らしいところなんだから」


「★■※@▼∀っ!?」


こうして一刀は朝から二人の相手をする羽目となって、後で璃々たちに冷たい目で見られたことは言うまでも無かった…。

ご意見・ご感想あれば喜んで返事させていただきます。(ただし非難・誹謗等は止めて下さいね)

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