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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第7章 蜀侵攻
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第65話

一応、久しぶりに他勢力の動きがありますが、一刀のところは通常運行です(笑)。

一刀が黄忠と結ばれ、益州完全平定に奔走している間、各地の諸候たちにも動きがあった。


~建業~


「雪蓮、北郷軍が益州を平定したらしいぞ」


「そうみたいね冥琳。そろそろ私たちも動く時機がきたんじゃない?」


「ああそうだな。穏、兵や食糧の集まりはどうだ?」


「は~い。十分集まっていますよ。今なら一気に劉表軍と決戦を挑めるくらいの兵や士気もありますよ~」


「流石にそれは先の話だ。まずは孫堅様の仇である江夏の黄祖を討ち取らないと始まらないからな」


「だが北の曹操の動きが気になるのだが、その辺はどうなんだ明命」


「はい祭様、曹操軍は北の袁紹軍と間もなく対決するつもりで両軍とも兵を募っております」


「ふむ、正に絶好な機会ではないか。勿論、私を連れて行くだろうな」


太史慈こと晶が従軍することを主張すると冥琳も


「ああ勿論だ。今回は雪蓮を中心にあと私、祭殿、晶、穏、明命、兵は3万で行く。そして残りは蓮華様を中心にして一応曹操軍や領内の備えをして貰います」


冥琳は皆に確認しながら説明すると、周りは納得しようとしていたが、意外なところから異議が唱えられた。


「ちょっと待って冥琳。どうして私が留守なのかしら」


皆が異議を唱えた人物の方を見ると、何と異議を唱えたのは蓮華であった。


「蓮華様、これは異な事を…、雪蓮が出陣した場合、ここを守るのは蓮華様、貴女しかおりません」


「それは分かっているわ、冥琳。ただ、そうそうお姉様自ら出陣するのはどうかと思います、少しは私とか任せて欲しいわ」


「それは無理ね。別に蓮華を卑下している訳ではないけど、政なら別だけど戦の事は譲れないわ」


「お姉様の言いたい事は分かります。私は姉上ほど武勇に長けていませんし、それを上回ることもできないことを、でも私は…」


蓮華は最後に悔しそう顔をしながら、言葉を切らした。


蓮華は雪蓮が度々、軍の先頭を切って出ることについて危険だと思うのと同時に、別の感情も出ていた。蓮華自身が雪蓮のように自らから軍を率い、そして雪蓮のようになりたいと思っていた。


蓮華はある程度、軍を率いた経験はあるが、どちらかと言えば裏方の役割が多く、先の袁術からの独立戦においても、袁術軍の拠点であった寿春を攻略したが、ほとんど兵がいない状態であった。功績としては本拠地を奪取したということで高かったが、袁術軍を撃破した雪蓮よりは影が薄かったのは否めなかった。


蓮華自身は、別に雪蓮から地位を奪い取るような野心などは全く無かったが、ただ偉大な姉に少しでも近付きたい、追い付きたい、そしてもっと雪蓮のために役に立ちたいを思っていたのであった。


そんな蓮華を見て、雪蓮は気持ちを察したのか


「蓮華、貴女は私と違って真面目でよくやっているわよ」


一旦、言葉を切った後


「フゥ…仕方ないわね蓮華、今回の江夏攻めは譲ることは出来ないけど、次の戦いには貴女にも一軍を率いていずれかの地を攻略して貰うわ。それでいいでしょう?」


「冥琳もそれでいいでしょう?」


雪蓮が、鶴の一声で決めると


「分かりました」


「はぁ…仕方がないな」


蓮華は納得、冥琳はため息を付いて、蓮華を次回の戦いにおいて、一軍を率いて戦うことについて了解をしたものの、すぐに厳しい顔付きとなり


「蓮華様、一つ言わせていただきますが、軍を率いて戦っていただきますが、もし負けた時は、蓮華様でもそれなりの処置を取らせていただきますが、それでも宜しいですか?」


冥琳は蓮華の覚悟を問い質すと


「ええ分かっているわ。負けた時は、如何なる処分も受けるわ」


蓮華のこの言葉を聞いて、冥琳も次回における戦いで蓮華が軍を率いて戦うことを了承し、こうして呉は江夏攻略に向け、軍を発したのであった。


~陳留~


「華琳様、袁紹軍が公孫賛軍を滅ぼした知らせが入りました」


「へえ、公孫賛もよく保ったわね。戦いの詳しい状況分かるかしら、稟」


「はい、袁紹軍の本隊と公孫賛軍が幽州で対峙していたのですが、并州から司馬懿軍が公孫賛軍と連携して、幽州と并州境界で袁紹軍本隊の背後を脅かしていた黒山賊の張燕並びにその残党を打ち破り、そしてそこから一気に公孫賛殿の本拠地である北平を突き、これを陥落させたそうです」


「公孫賛殿は、陥落の知らせを聞き、希望者を残して軍を解散。そして公孫賛殿は、自分に最後まで付き従う白馬義従を中心に袁紹軍に最後の戦いを敢行。袁紹軍は損害を出したものの、これを何とか撃破。しかしながら、袁紹殿は公孫賛殿を討ち取ることができず、公孫賛殿はそのまま行方不明となっています」


「流石、袁紹軍だ。兵の練度が低くても、兵数だけは多くいるな」


「フン!何を言っている秋蘭、私にとってそんな兵など物の数ではないわ!」


「そうよ!華琳様があんな袁紹などに負ける訳がないじゃない!」


春蘭や桂花が強調するも、


「そうは言っても戦は数での戦い、幾ら袁紹軍の兵の練度が低くても数は我らの倍以上います。そしてあの司馬懿仲達が袁紹軍の総指揮を取れば、袁紹軍との戦いはどう転ぶか分かりません」


「稟の言う通りだわ。確かに、あの司馬懿が総指揮を取れば、私でも危ないかもしれないわね」


華琳がそう呟くと、周りは緊迫した空気が流れようとしていたが…


「ぐ~~~~」


すると緊迫した空気から懸け離れた鼾が聞こえてきた。


「寝るなー!」


「おおっ!」


険しい顔をした稟が、寝ていた風の頭を叩くと、その衝撃で風が目を覚ました。


「フフフ、貴女が寝ていたということは何か案があるのかしら?」


「いいえ~、案という程の物ではないですが、司馬懿さんがさっきの公孫賛さんの戦いで手柄を立ててしまったのですが、それで袁紹さんはどう思いますか?」


「それはようやく念願の幽州が手中に収めたから、普通に考えて嬉しいはずでは?」


「確かに普通で考えたら稟ちゃんの言う通りですが~、でもあの袁紹さんですよ?」


「なるほど、麗羽のことだわ。司馬懿に感謝はするかもしれないが、しかし自尊心から次は自分の力で勝ちたいとそんなことかしら、風」


「そうなのです。確かに司馬懿さんに自由な裁量を任せたら、事態はいささか面倒になるとは思いますが、袁紹さんにそれほどの器量があるかどうか」


「そんな器量は無さそうね。昔から麗羽を見ているけど、どんな時でも自尊心の塊のような女だわ」


~幽州・北平~


司馬懿軍は北平を陥落させ、司馬懿こと陽炎は、合流した袁紹軍の他の将からあらん限りの美辞麗句が浴びせられていたが、陽炎はこれに浮かれることなく


「これは私の手柄と言うよりは、公孫賛軍の主力を引き付けていただいた袁紹様のお蔭です」


陽炎からそのような言葉を聞くと


「お~ほっほっほ、司馬懿さんも分っていますわね。でも次の戦いはこの私が指揮して勝利を収めてみせますわ。お~ほっほっほ」


「えっ?次の戦いって…何処と戦うおつもりですか、麗羽様?」


「何を言っていますの斗詩さん、次に戦う相手は、あの華琳さんに決まっていますわ。」


この麗羽の言葉を聞いて、当の麗羽以外の周りの空気は一気に下がってしまった。


「麗羽様、それは…」


「あら、私が指揮するのに、何か問題があるのかしら?それとここ(幽州)の管理は司馬懿さんにお任せしますから、後の事は任せましたわ。お~ほっほっほ」


斗詩が諫言しようとしたが、麗羽が先にこれらの事を決定して、そのまま席を離れてしまった。


そしてそんな中、蒋済しょうさいこと白雪が酒を片手に杯を持ちながら、陽炎のところにやって来て、周りに聞こえない程度の声で


「本気であれは、曹操軍と戦うつもりか?」


「まあ本気なのでしょうね…」


「しかし、まあ頭の中が蜂蜜みたいな甘い考えで、あの曹操軍に自分の指揮で勝つつもりでいるのかね…」


白雪が呆れながらそう呟くと陽炎は


「でもそのお蔭で、私たちは兵を動かさずに済むし、姫のお手並み拝見といこうかしら」


「そうだな」


「それで貴女にお願いだけど、私は并州に戻り、今後に備えたいの。だからここは貴女に任せるわ。そして梅香…」


「はっ」


陽炎に呼ばれた梅香こと郭淮が、完全に周りからは目に付かない場所から返事をして


「貴女は、曹操軍の動きを監視しておいて」


陽炎がそう告げると梅香は返事をせず、そのまま風のように立ち去ったのであった。


~某所~


「それで雛里ちゃん、周りの人は私たちの事どう見てるの?」


「はい、桃香様。私たちは ――に接近していますが、正直、今は誰も見放している状態で、私たちが――に近付いても誰にも咎められない状態です」


「そうなの…」


「これも時の流れですかね…」


「しかしそのお蔭で、私たちはこうしてられるのだから」


「でもいつまでこうしているのだ、雛里?」


「凪の言う通りなのだ。鈴々早く暴れたいのだー」


「鈴々さん、もう少し我慢して下さい。もうすぐしたら袁紹さんと曹操さんとの戦いが始まります。その戦いが始まった時、その時こそが私たちが動く時です」


「それまでは我慢ちゅうことやな」


「今、騒ぐと今までの事が水の泡になってしまうから、鈴々ちゃん、我慢するのー」


「う~分かったのだ」


真桜や沙和から言われると鈴々も渋々納得したのであった。


「じゃ、私は――のところに行ってくるね」


~某所・弐~


「愛香、桃香様たちの居場所は分からないままか」


「はい、申し訳ありません義姉上。何とか情報を集めているのですが…そちらばかりに人数を避ける訳にも行かず…」


「いや…すまん。愛香はよくやってくれている」


「いいえ、これくらいの事どうということはありませんが、義姉上は、これからどうするおつもりですか?」


「うむ…。それを考えてはいるのだが、しかし私たちを頼っている人たちを見捨てて、ここを離れる訳には去かぬし」


「そうですね。とは言っても他の勢力に頼りたのですが…」


「だがは、既にここを治めている――が傘下に入る噂で持ちきりだ。それに私の個人的感情も入ってしまうが、どうも――は好きなれぬ」


「そうですか…。義姉上がそう言われるのであれば無理じいしませんが、後、そうなると頼るところは北郷軍になりますが…」


愛香が遠慮気味に言うと


「だが、向こうはちょうど益州を平定したくらいで、まだこちらまで兵を出す余力はない。それに…いや何でもない」


愛紗は、途中で言葉を切ってしまったが、愛紗の心の中には、一刀に援助して貰うことも考えた。しかし距離の問題もあるが、一刀たちに対し以前にも迷惑を掛けており、これ以上、迷惑を掛けることをしたくない気持ちがあったので、これ以上の事は言えなかったのである。


一方、各諸侯がこうした動きに対して、一刀たちはある意味平穏な日常を送っていた。


「全く…このエロエロ魔神が」


「やっぱり、ご主人様は大きい人が大好きなのですね…グスン」


「フフフ、ご主人様。本当に皆さんから愛されているですね」


一刀は黄忠と結ばれた翌朝、その一刀を起こし部屋にやって来た翠と朱里に情事の跡をしっかりと残っていたため、改めて一刀は蒲公英を加えた3人から尋問を受けていた。


そして尋問している際に、黄忠が差し出した紫苑が残していた手紙を見て、3人はため息を付いたが、すると蒲公英が


「さてご主人様~、黄忠さんと相手した時のことや何回したのか聞かせて貰うからね♪」


「な、何言ってるんだ、蒲公英!」


「えっ?だって~私たち紫苑や皆に負けたくないもん、だから~今後の研究のために色々聞かせて欲しいの、それにお姉様や朱里だってそうでしょう♪」


蒲公英から言われると翠と朱里は顔を赤くしながら


「★■※@▼∀っ~~!?あ~こ、こうなったら、ぜ、全部話してくれよな!」


「もうこうなったら私もヤケクソでしゅ!ご主人様には、今回のことをちゃんと話してもらいましゅから!」


普段そこまで言わない翠や朱里から言われると一刀は渋々、昨夜の事を全部話すと、それを聞いた3人が仕方のないことだと思ってしまっていた。その話を聞き終えた皆は、2人の行為の内容に飲まれてしまい、そしてそのまま夜の戦いに移行したのは言うまでも無かった……。


~おまけ~


一刀と黄忠が結ばれた翌朝、遠征中の紫苑や璃々たちは…


「……どうしたのだ、紫苑」


「ああ星ちゃん、お早う。ちょっとね胸の辺りが何かムカムカするのよ。早く成都に帰って、ご主人様にお仕…ではなく、ご主人様成分を補給したいわ」


「ねえ、菫」


「何っすか、璃々お姉様」


「ちょっとイライラするの、今から剣の稽古をするから付き合いなさい」


「えーー!」


菫は無理やり璃々に引きずられ練兵場に行ったのであるが、そして2人の様子を見ていた桔梗が


「もしかして…、紫苑(この場合、黄忠)の奴、お館様に何かしたのではないのか…」


と密にそう感じていたのであった。



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