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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第1章 再び外史に
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第6話

今回は妄想モードに、昼ドラみたいな展開で書いてしました・・。


気に食わない方はUターンして下さい。

戦は、勝利に終わったが、その夜璃々は、まだ陣の天幕で眠っていた。


眠っていても、何かにうなされている状態で、そして


「うわぁぁーーー」


璃々は悲鳴を上げると同時に起き上がると、叫び声がしたので慌てて皆が駆け寄って来た。ようやく落着いて周りを見ると一刀、紫苑、翠、渚がいた。


そして璃々が戦場の恐怖と助かった安堵感からか感極まって、横にいた紫苑に泣き付いた。


璃々は、本当は紫苑に「お母さん」と言って泣きたいところだが、今は姉妹の関係、翠たちには知られる訳にはいかなかったので、今はただ泣いて、紫苑に甘えたかった。


しばらくしてから璃々もようやく泣きやみ、気持ちが落ち着くと紫苑が


「よく無事に戻ってきたね、璃々」


やさしく笑顔で言ってくれると、璃々はその笑顔に救われ、心の中でやはりお母さんは偉大なと感じていた。


そして一刀も


「倒れたけど、大きな怪我もなく戻ってきてくれたな、帰ったら、褒美を上げるからな」


そう言いながら、璃々を労るかのようにやさしく頭を撫でていた。


それは、璃々に取っては大変嬉しく、生きている実感が湧く同時に長年恋い焦がれきた人の手の暖かさを感じていた、そして心の中で


「お父さん、やはり私は…」


何らかの気持ちが外れた瞬間でもあった…。


すると翠が


「無事で本当に良かったよ、璃々が討ち取った賊将は向こうで一番強い奴だったららしいよ。初陣で手柄を立てると大したもんだよ」


褒めていると、横にいた渚が笑いながら


「そうですよ、姫なんて初陣の時に…」


何かを言おうとしたが、翠が顔を赤らめて、渚の口を両手で塞ぎ、


「渚言うな!言ったらただじゃおかないからな!」


翠は半分脅迫、半分涙目になりながら訴え、渚は、このまま口を押さえこまれたら窒息死しそうだったので、頷いてようやく手を離して貰った。


この光景を見て璃々も笑顔見せ、そして、璃々がかなりの寝汗を描いていたので、着替えのため紫苑だけ残し、一刀たちは璃々の天幕から出た。


そして璃々が着替え終わると、周りに誰もいないことを確認して


「ねえ、お母さん一つ聞いていい?お母さんが初陣の時に人を殺した時って、どんな気持ちだった?」


璃々が紫苑に質問したが、紫苑は優しい顔をして静かに


「璃々、私の場合倒れたりしなかったけど、気分が悪くなって、人が見えないところで戻していたわ」


「それに誰も人を殺していい気分はしないわ。戦場では、生か死の2つしかないの。でもね璃々、自分が生きて行く事や何かを守らねばならない時、自分の道を歩まねばならぬ時に必ずと言って良い程避けて通れぬ時があるわ、それを守るために私は戦ってきた。昔はあなたと民を守るため、今はあなたとご主人様と民を守るために、そしてそれは変わらず、これからも戦っていくわ」


「だからと言って、貴女に急に理想を作れと言っても難しいわ。まずは璃々、私たちが無事にこの世界を生き抜くこと、これを第一に考えなさい。もし戦いが嫌なら、後方で控えるように言うけど…」


紫苑が言い終えると璃々は笑顔で


「お母さん…、ありがとう心配してくれて、お母さんも最初はそうだったんだ。私はまだ民のためとかと

言っても実感が湧かないけど、まずは私自身、そして、ご主人…、否、お父さんとお母さんを守るために戦うよ、だから心配しなくていいよ」


璃々は声は静かであるが力強く言い切った。


しばらく2人は話をして、紫苑が


「じゃあ璃々、ゆっくり休みなさい」


言うと、璃々はなぜか少し赤らめた顔で小声で


「ここを出てから、お父さん呼んできてくれる」


紫苑に頼むと、紫苑は笑顔で


「はいはい、でもね夜更かしとか無理したら駄目よ」


何か釘を刺される一言が帰ってきたので、璃々はさっきの一刀への呼び方を急に変えたことが、自分の心を紫苑に読まれたかと思っていた。


しばらくすると一刀が天幕に来ると


「どうしたんだい璃々?」


声を掛けるも、しばらく無言でいると、何かもじもじするような仕草をして、ようやく


「ねえ、お父さん、戦の前に言っていた褒美の件なんだけど…」


「お、何か欲しい物があるのか?町に帰ったら用意するぞ」


一刀は言うと璃々は顔を赤らめて


「物ではないの…、お願いを聞いて欲しいの」


「何だ。出来る範囲の願いで叶えられるものなら、何でも聞いてやるぞ」


一刀が言うと璃々は、この言葉を待っていたかのように意を決して


「じゃあ、お父…ではなく、ご主人様、私を抱いて下さい」


言うと一刀は驚きのあまり


「え……、璃々本気…?」


一刀は放心状態で聞き直すと璃々は小さく頷いた。すると一刀は


「何でまた…」


「……ずっと前からご主人様が好きだったの。今日初めて戦いをして、私やご主人様がいつ戦死するか分からないでしょう。私は後で好きであることを言わずに後悔するよりは、好きな思い告げて、ご主人様と結ばれたいの…。お母さんの次で好きでも構わない、ご主人様この思い受けて欲しいの…」


璃々が切実に語ると一刀は


「璃々が俺を好きだったことは知っていたし、俺も璃々が好きだよ。でも今まではどうしてもそれに答える勇気が無かった。しかし璃々かここまで勇気を出して言ってくれた、だから俺は迷わない、紫苑だけでなく璃々も守ってやる。誰に何を言われようとも」


一刀はそう言いながら力強く璃々を抱き締めた。


璃々は泣きながら


「嬉しいよ…、夢じゃないのよね…」


「ああ、夢じゃない」


2人は熱い口付けを交わした…。


そして2人は寝台に横たわり、璃々が


「その…初めてだから、優しくしてね…」


「ああ、分かっているよ…優しくするさ」


こうして2人は結ばれた……。


そして翠が璃々のことが気になって、再び天幕に訪れ、入口の前に来ると中からは息使いが荒い男女の声が聞こえてきた。


翠は、その声が気になり、聞き耳立てると、


「璃々…愛して…いるよ」


「お父さ…ん、否、ご主人…様、嬉し…い」


璃々の「お父さん」という言葉を聞いた翠は


「お父さん…え…?どういうことだ…?2人は親子なのか…?」


翠は聞いてしまった…聞いてはいけない言葉を。


そして翠は、頭が真っ白になり、知らない間にその場を離れ、いつの間にか自分の天幕に戻っていた。


天幕に入るとその場に座り込み、


「何で…いったいどういうことなんだよ…」


翠が初めて一刀を男として興味を持ったのに、そんな一刀が璃々と結ばれ、そして紫苑の妹であるはずの

璃々から一刀を「お父さん」と言った言葉の意味が分からなかった。


翠は2人の事を考えながら、寝れない夜を過ごしたのであった…。



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