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真・恋姫無双 〜新外史伝〜  作者: 殴って退場
第6章 徐州混乱
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第54話

この回は、桃香のキャラが完全に別人で崩壊しています。


桃香ファンの方にとってはお怒りになるかもしれませんが、どうかご容赦下さい。

日が少し遡り、曹操軍が徐州侵攻を決断する少し前の事


雛里は悩んでいた。徐州をどうすれば防衛するのか。


そして愛紗無き態勢で、曹操軍に立ち向かうことが可能なのかと……


答えは「否」であった。


冷静に考えると孫子の兵法で、実情分析の基本とも言われている

道 - 為政者と民とが一致団結するような政治

天 - 天候などの自然を利用

地 - 地形・地勢の優位性

将 – 指導者・現場指揮官の能力(兵からの信頼・兵を思いやる心・軍を維持する厳格性等)

法 - 軍の制度・軍規・軍法

これらの「五事」に記載されている内容について桃香と華琳の軍と優劣を比較すると、特に「道・将・法」の3つの「事」で負けていると雛里は思っていた。


道は、民に対することについて大きな失策は無いものの、徐州平定時の城兵虐殺事件で民から畏怖され一致団結から程遠い状態で、将は総合的能力で差があり、法は兵の質・力量において差があることは明らかであった。


更に「地」においては、元々徐州は守りに向かない土地で、更に要害と言える城塞もないため優位性を示すのが難しい状態であった。


雛里としては当初、早急に徐州を平定してここを地盤として他州の攻略に当りたかったため、拙速とも言える城兵虐殺という方法を取ってしまったのが大きな失策であった。


これが結果的に様々な場面で尾を引き、最終的には愛紗の命と内部分裂を避けるため愛紗を手放す状態となり、そして桃香たちは危険な状態に陥っていることは誰の目でも明らかな状態であった…。


そんな中、雛里の元に凪と真桜と沙和が雛里に呼ばれてやって来た。


そして雛里が開口一番、


「まず真桜さん、貴女にお願いがあるのですが、明日にでも貴女の部隊で信頼できる兵士1000集めて貰い、予州沛郡にある廃城に行き、他の勢力に気付かれないよう城の修復をお願いしたいのです。


そして凪さんと沙和さんにも、貴女方の部隊で同じく信頼できる兵1000集めて戴き、こちらで手配する武器兵糧を一緒に輸送していただいて、この城に詰めて戴きたいのです」


雛里は3人にそれぞれ指示を出したが、3人は何故このような指示を出したのか疑問に感じ、まずは真桜と沙和が


「なあ雛里何で、こんなところの城の修復をしたり、内密に兵を置くんや?」


「そうなのー、理由を教えて欲しいのー」


2人から言われると雛里は深刻な顔をしながら


「理由ですか…。理由は今の状態で我が軍が曹操軍と戦えば必ず負けるでしょう。負けるにしても負け方というものがあります。この状態で無謀な戦いをして、全滅をすれば、我々は恐らく二度と劉玄徳の元で勢力を築き上げることはできないでしょう。ですので、今後に備えての布石です」


雛里から曹操軍と戦えば、敗退確実と歯に着せぬ言い方をされると3人は流石に目を白黒させ


「では雛里、このまま負けると言って、簡単にこの徐州を曹操軍に引き渡すとでもいうのか?」


「そうですね…。正直に言いますとこの徐州を曹操軍に渡しても構わないと私は考えています」


「あと私の失策で、このような状況を招いてしまったことは大変申し訳なく思っています」


逸早く気を取り直した凪が雛里に問い質すと雛里は、3人に頭を下げて自分の失策を認め、そして既に先の事を見越してか、徐州放棄を口にしたのである。


「ちょっと待ちいな!それやったら徐州放棄して、いったい何処へ落ち延びる気なんや!」


「実は、この地に行こうと思っています」


真桜の追及に雛里は机に置いていた地図で新たな根拠地を指し示した。


そしてその地図の場所を見た3人は驚きの余り、無言になってしまった…。


しかし雛里1人は成算がある顔をしており、


「今は詳しい事はお話できませんが、ただ言えることは、ここは桃香様だから再起できる場所なのです」


雛里の説明に凪は多少何かを感じたのか


「確かにこの場所なら再起は可能かもしれん…しかし雛里、それでいいのか」


凪は雛里に覚悟の程を確認すると、雛里はきっぱりとこう言い切った。


「桃香様や私は、1度汚名を被ってしまったのです。今更何を恐れますか、私の目的は桃香様の手で何が何でもこの国を統一していただいて、君主としてこの国の王として君臨していただきたいのです。そのためには私は手を汚すことも厭いません」


「ですので、お三方はこの機会に仰ぐ旗を替えられるのでしたら、私はお止めしませんし恨みもしません。遠慮なく言って下さい」


雛里の悲壮な決意を聞いて、


「それを言うなら、止めなかった私達も同罪なの…、だから2人を見捨てるなんてできないの…」


「そうやな沙和の言うとおりや。ここまで来たらうち等一連托生や」


「雛里お前1人でこの事を背負い込む必要はない。これは私たちも同罪なのだ。私たちは今までとおり桃香様に付いて行くだけだ」


3人もそれぞれ桃香に付いて行く決意を述べると


「ありがとうございます…」


雛里は一言お礼を言って、3人に対し深々と頭を下げていた。


そして雛里はその足で桃香のところに行き、先程話した内容に加え、凪たちに説明していなかった事についても桃香には詳細に話をした。


「分かったよ…雛里ちゃん。この状態で戦っても負けるのは幾ら私でも分かるよ。

だからここから出てこの場所で再起を賭けるしかないね……」


雛里の説明を聞いた桃香は、雛里の意見を受け入れた。内心では雛里と同じで、自分がここまでの事をしたら今更引き返すことはできない、だったらこの際、自分が君主としていこ残るのであれば、どんなことでもするしかないのだからと……、そして愛紗には勝手なことをする義姉で申し訳ないと心の中で詫びていた。


桃香は雛里に今後のことについて一任して、それぞれ準備に取り掛かった。


しばらくすると予想通り曹操軍が青州から5万とエン州5万の合計10万の兵が二手から徐州攻略を開始してきた。更に徐州・廣陵郡(徐州南東部にある郡)において以前武力鎮圧した豪族の残党が曹操軍の侵攻を機に蜂起、反乱は瞬く間に広がっている状態であった。


桃香たちは直ちに家臣を参集させ評定をさせたが、すでに曹操軍の数に恐れをなした者や曹操軍に内通としている者たちが降伏を主張していたが、その数は7割を超えていた。


しかし桃香はこのような状況にも関わらず沈黙を守っていたが、内心憤りを感じていた。純粋に数に恐れをなして降伏を主張するのは仕方がないが、しかし曹操軍と内通して、義妹の愛紗を追放することを主張、更に降伏をして己の栄達を図ろうとしていた者がいた。


雛里や凪たちの調査で、その中心人物の家臣5名が浮かび上がってきた。更にこの者たちは商人からの収賄や年貢の不正取立並びに武器の横流しなどをしていたことが判明した。


これを雛里から聞いた時に桃香は怒りの余り、屋敷に追手を差し向けようとしたが、兵を動員すれば更に混乱を広めてしまうので、この評定で一網打尽することにした。


意見が全て出し尽くした後、桃香が


「皆さんの意見を聞いてよく分かりました。大多数の方が降伏を支持し、私自身、無用な流血を避けたいと思いますので、この度は城を無血開城したいと思います」


桃香が発言すると降伏派は皆、安堵の表情を浮かべ、


「劉備様、よくぞ決断なされました。民も無用な戦を避けられ安心するでしょう」


降伏派の中心人物の1人の文官が桃香を煽てるように言ったが、桃香は表情を変えずに


「ですが、開城する前に遣り残したことがありますので、それを実行してから開城したいと思います」


「ほう、それは何ですかな?」


さっきの文官が尋ねると桃香は


「鈴々ちゃん、今だよ!」


手を上げて合図をすると鈴々とその配下の兵が出て来て


「こいつ等全員捕まえるのだ!」


鈴々たちは、内応している中心人物5名を捕えたが、先程の文官が


「何の真似ですか!劉備様!」


大声で怒鳴るも雛里は冷めた表情をして


「まだ気付いていないのですか、貴方は?貴方が曹操軍に内通した上に収賄や年貢の不正取立並びに武器の横流しなど証拠は全て上がっているのですよ」


雛里が証拠を指し示すも5名は


「劉備様、このような言葉を信じられるのですか!我々はそのようなことをしておりません!今すぐ縄を解いきませんと大変なことになりますぞ!」


桃香はこの期に及んででも自分達の非を認めず、自己弁護する5名に怒りを覚え、


「貴方は、私を騙し、民を欺き、そして愛紗ちゃんを追放するように仕向け、この期に及んでも自分の罪を認めない、私はそんな貴方を許す訳にはいきません!」


桃香はそう言い放ちながら、靖王伝家を抜き一番手前にいた文官に刀を振り下ろすと、文官はその場に倒れた。


「お前達の所為で、愛紗がここに居られなくなったのだ!お前達許せないのだ!」


桃香の行為を見て、桃香にこんな思いをさせた文武官たちに怒りを暴発させた鈴々が残りの4名を成敗した。そして部屋に残された者は桃香たちの行為に只々恐怖に震えていたのであった…。


「これで私達が遣り残した事は終わりました。すぐに各城に無血開城を指示した命令書を出しますので、貴方は早急に使者を出して伝えて下さい。後、貴方方は曹操軍がこの城に来るまで、この城の治安維持などお任せします」


桃香は怒りに任せ文官を成敗したが、悲痛な表情を浮かべ呼吸は荒かった。そして深呼吸して落ち着いてから残された文武官に指示を出すと、文武官たちは恐怖のあまりに唯、頷くしかなかった。


部屋を立ち去ろうとした桃香たちに


「我々にこの城に治安を任されるということは、劉備様はこれからどうなされるのですか?」


1人の文官が恐る恐る尋ねると雛里が


「我々はもうすぐしたらこの城を退去します。後の事は貴方にお任せし、民たちに迷惑を掛けないよう、この城を曹操軍に引き渡して下さい」


雛里が指示すると桃香たちは無言で部屋を退出したのであった。


桃香たちは、二刻後(約4時間後)に桃香たちに付いて行く兵3千と鈴々・雛里、凪たち三羽烏並びに当面軍を維持するための金・食糧等を持ち出し、城を退去したのであった。


そしてその後、徐州に進撃してきた曹操軍であったが、すでに桃香の命令が届いていた各城は無血開城されていたので、華琳は桃香たちへの追撃の兵を出したが、流石に桃香たちの早期の逃走を予想していなかったため、発見に至らなかった。こうして徐州は曹操軍の手に落ちたのであった。


この物語の桃香は完全にいつもと違うキャラになっているため、違和感が感じられると思いますが、話の都合上ご容赦下さいとしか言えません(苦笑)。


今後、とんでもない流れになるかもしれませんが、引き続き読んで戴ければ幸いです。


あとご意見ご感想お待ちしていますm(__)m。




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